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ハンバーグ2

俺は拍子抜けしてしまった。


なぜハンバーグ?

まるで、勉強と関係ないな!

でも食べることが好きなのかな?

まあ、話してくれただけ良しとしよう。


「そ、そうなんだ。ハンバーグか。美味いよね!お腹空いてるの?」


そして、またJKはコクリと頷いた。


「…」


「そう、なんだ…」


いや口下手か!!!

重大なことを忘れていた…。

そういや俺もコミュ力なかったんだ!!!

どうすりゃいい…。


今この場は、無口なJkとコミュ症の大学生2人きりの地獄と化している!

どうする、幸村智…。

考えるんだ、幸村智。



「そ、そうだ!俺がハンバーグを作っている間に君はこの超基礎簡単誰でもわかる英文法を読んでてくれ!」


俯くJKに参考書を手渡すと、驚いてたいが少し読む気になっていた。


「じゃあ、読んでて!」


そう言い残して、俺は隣の自宅へと戻った。

キッチンに行くと、母が夕飯の準備をしていた。


「あれ、智。花子ちゃんの家庭教師は?」

「それどころじゃない!ハンバーグだ!ハンバーグだよ!!!」

「え…」


母が困惑してる横で俺はハンバーグ作りに勤しむ。

まずは材料だ、ひき肉、玉ねぎ…。

そして、玉ねぎみじん切りだあああ!!!

おらああああああ!!!


「お兄ちゃん、どうしたの?」

「わからないわ。なんか、ハンバーーーグ!とか言って急に作り出したのよ」

「キモいね。無視しよう」


妹と母が横で話しているが動じない。

俺はただハンバーグを作るのみ!!!


「おらあああああ!!!こねるぜ!!!焼くぜ!!!」


「ちょっとこの子大丈夫かしら?」

「お兄ちゃん、とうとう壊れたね。いつも壊れてるけど」


出来た!


よし、フライパンから皿に移してラップを締めて戻る!


「母さん!洗い物頼む!」


そして、俺は全速力でJKの部屋へと向かった。


「へいお待ち!」




俺はハンバーグ皿を差し出すとJKは、大きく目を見開いて驚いていた。

それは、そうだよな急に変な大学生が家に来て帰ったと思ったらハンバーグ持ってまた戻ってくるのだからな…。

俺は、今までのアドレナリンが消失し冷静になる。


「じゃ、じゃあ読み終わったら食べて。俺は、後ろで休んでるから…」


やべー眠い。

全エネルギーをハンバーグに使っちまった。

寝そう。

いや、絶対寝なぃ…


・・・


カーカー。


「カラスと一緒に帰りましょう♪5時をお知らせします」


ん?カラス?

やっべもう日が暮れてんじゃん!!!

てかもう時報なってじゃん!

俺、ここで寝ちまったのか!


JKは!?


前を見ると、勉強机に突っ伏して寝ているJKがいた。


勉強机を見ると、最後のページまでマーカーが引いてある参考書とハンバーグを食べ終えた皿が置いてあった。


読んでくれたし食べてくれたのか…。

美味しかったのかな…?


俺は、無防備にスヤスヤと眠っているその姿に、思わず目を奪われた。


参考書を最後まで読んで力尽きたのかな?


その顔は、今までの疲れを癒すかのように、まるで天使のように穏やかだ。

髪が少し乱れて、無防備に肩から垂れている。

その健気さに、思わず笑みがこぼれる。


「お疲れ様…」


俺は、寝ているJKにそう言い残し皿を回収して部屋から出ようとする。


すると、JKが起きてしまった。

やっべ、起こしちまった!

早く帰るか…。


俺はささっと部屋を出た。


「智先生…、美味しかったよ…」



今日は…大変だったけど割と楽しかったな…。

今日は親父を恨まないでおくか。


「あら、智くん!ごめんねー町内会の後にお茶して遅くなって!花子どうだった?」


この人は恨む。


「いい子に勉強してましたよ。それでは今日は失礼します」

「また、お願いします」


ったく世話の焼ける家族だ。


「ただいまー」


やっぱり家が一番落ち着く。

たまんないねぇ、この安心感…。


「こら、智!ハンバーグを焼いた後のフライパンは水に漬けておきなさい!焦げが取れないでしょうが!!!あと使った物は自分で洗いなさい!」


母が出迎えてくれた。

うん、やっぱり落ち着かねえ…。


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