芽生える小さな絆2
何故、今それを言ったんだ?
まあ、褒められたわけだし悪い気はしないな…。
「ありがとう…それじゃあまた」
花子の家から出て夕陽を眺める。
いい夕陽だ。
綺麗だ…。
今日は、なんだかんだ良い日だったな。
しかし、なぜいい声?
気になるな…。
「あらー智くん、今日も花子をありがとね。おかげで、町内会の事前準備進んだわありがとう」
「あ、半田さんどうも。花子さん今日もいい子でしたよ」
「そう、いつもありがとね」
そう言い残して、半田さんの奥さんは家へと入って行った。
この人は、自分が町内会に行くために家庭教師を雇ったのか!?
まあ、いいか。
帰ろう。
「ただいま」
と家に入ると親父が目の前で仁王立ちをしている。
え、なんで?
俺なんか悪いことしたか?
「智!お前……凄いな!半田さんから評判いいぞ!今日もお疲れ!」
なんだよ、褒めてくれるのかよ。
だったら、こんな顰めっ面して仁王立ちするなよな…。
「ありがとう。とりあえず今はいい感じ」
「そうか、父さん鼻が高いぞ!」
・・・
「やぁ、こんばんは!今夜も始まりました。スライム真田ラジオ!」
『こんばんは!今日も来ました!今日はテンション高いですね』
いつもの鼻からハンバーグか。
俺のテンションを見抜いているさすがは常連!
「今日は、バイトで成果があって気分が良いです!ハンバーグさんは勉強どうですか?」
『ハンバーグも今日は勉強頑張ったんですよ!英語の勉強を頑張りました。家庭教師の先生から新しいノートをもらったのでやる気が出ました!』
鼻からハンバーグの家庭教師やるな…。
上手いことモチベーションを上げてやがる!
俺も負けてられないな!
でも、俺も花子にルーズリーフあげたから同じようなことしてるのか…?
まあいいや。
でも一応どんなやつか聞きてみるか…。
「へえー凄いね!ちなみにハンバーグさんの先生はどんな人なの?」
『ハンバーグの先生は一生懸命な人ですね。あと、声がかっこいいです」
なるほど、一生懸命なやつでイケボが…。
俺も見習わなきゃダメだな…。
一回そいつに会って、色々教えてもらいたいな…。
「まあ、その人と一緒に勉強頑張ってね!英語は大事だからね!」
『ハンバーグの先生も、英語は大事と言ってました!』
ますます、その先生には頭が上がらないな…。
英語の大事さもしっかり分かってるとはな…。
「俺もその先生に、負けないように頑張るよ!」
『頑張ってください真田さん!¥500』
いつもの500円か…。
財源が気になるがありがたく使わせてもらうか。
しかし、鼻ハンの先生には頭が上がらないな…。
尊敬しちゃうな。
俺も、負けないように頑張るか!!!