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第六話 いざ王都へ。旅は快適!?

今回は家族のことがちょっとわかります!

 私はサーシャ・マツォーネ、5歳。

 5歳の誕生日に受ける魔力測定で規格外を叩き出し、王との謁見の為、王都へ向かっている途中である。

 私は現代日本から転生し、チートな能力を2つ授かっている。基本は引きこもりだから、自宅にほとんどいるし、母も専業主婦だから基本は在宅だ。よって、私と一緒にいる時間がとても長い。だからなのか、最近、私に対する母の目が厳しい。何かに勘づき始めている感じがする。


「……お母さん……?どうしたの??」


 私は今、王都への転移魔法陣がある都市に向け走っている荷馬車での旅の道中だ。私は寝ている父の横に座り、瞑想していた。瞑想といっても、この旅をどう快適にするかとか、親にバレないように能力を使うかとかを考えていた。そんな私を向かいに座る母が凝視している。その眼光が鋭すぎて聞かずにはいられなかった。


「いえ……。なんでもないわ。」


 そういって、母も外を見だしてしまった。なんとなく勘づいている気がする。いっそ、両親に言ってしまった方が色々楽なのではないだろうか……。でも、前世のことなんて信じてくれないだろうし、私を受け入れてくれなかったらどうしよう。裏切られた気持ちになってしまったらどうしよう。色々と悶々としている。


「あ!そういえば!!」


 私は考えることがちょっと辛くなったので、話題を作り母と話すことにした。


「ん?どうしたの?」


 母もいつものように優しく答えてくれる。


「お母さんとお父さんは王都って行ったことあるの?」


 これは純粋に気になっていたことだ。王都に近い地域の人たちは買い物とかに王都に出向くってことはあるみたいだけど、私たちの住む地域は王都に近くない。場合によっては王都に行かずに生涯を終えるなんてこともないことはない。


「……うーん。まあ、いいか、どうせいつかはわかることだし、この子は妙に聡いし……。」ボソっ


 母は何やらボソッと言いながら話を始めた。


「実はお母さんとお父さんは王都に住んでたことがあるのよ。」


 !?なんだって!?王都民だったのか!?あれ?……でも、王都って基本的に王族かゆかりのある一定の人達しか住めなかったような気がする。国の象徴だから王都としてはそんなに広くなく、ほぼ観光地として機能しているくらいだ。

 王城の前には王都広場と呼ばれる広大な広場があり、そこに出店等が毎日並んでいる。とはいえ、簡易的な店が出せる程度で店舗を構えることはできない。正しくは王都といえば王城と王都広場とその他ゆかりのある者たちの居住区域を指す。王城に使える騎士とかは王都の周りに居住区域がある。ほとんどの人はそこまでが王都だと考えている。そこは居住区域とはいうが、店舗や飲食店もある為、最先端カルチャーが揃っている。母が言っているのはどっちの王都なんだろう……。それによって対応が変わってくるぞ……。


「……お母さんって王族……だったの??」


 とりあえず、ここはジャブを打つか……。


「……そうなの。ちょっと親と喧嘩してお父さんと一緒にこっちに来たの。最初は平民の暮らしとか知らなかったから苦労したけど、今は楽しいわよ。」


 ……あ、やばい、これはやばい。聖女だけならなんとか勇者と共に旅するお供キャラでいけたかもしれない。でも、親が元王族って完全に主人公キャラじゃないか……!?


「今回はいい機会だからちゃんと話をしようかなと思っているの……。ずっとこのままというわけにも行かないしね。」


 うわぁ、そんな事情があったのかぁ……。どうするかなぁ……。このまま王都に行ってもいいものなのか。でも、行かないと両親に迷惑かかるよなぁ……。


「……そっか。お母さんとお父さん、色々大変だったんだね……。でも、王族の人が家出なんて、大事なんじゃないの!?」


 とりあえず、話を合わせておこう。とは言っても、王族とは……。


「いいえ。どちらかと言うと、私が追い出された側だから大ごとにはなっていないわ。なんだかんだ、言っても心配は心配みたいだから、偵察はいるみたいだけど……。正直、私と父親のどっちが根を上げるかの勝負って感じね。」


 親側が追い出したのか……。なにがあったのだろう。


「まあ、内容としてはしょうもない話だからまたの機会にね。……そろそろ着く頃だからお父さん起こしてくれる?」


 内容までは話を聞くことができなかった。まあ、お父さんと一緒にこっちに来たと言う辺り、結婚反対かお母さんのわがままを押し切ったと言った感じか?未だに放任されているってことはわがままの方かな?


「うん、わかった。……おーい、お父さん……ッ!?!?」


 ――ガン――


 という、大きな衝撃と共に荷馬車が止まった。そして、お父さんもその衝撃に驚いて飛び起きた。


「……!?っ!?なんだなんだ!?」


 私もなにがなんだかわからない!なにが起きた!?


「旦那たち!!早く逃げてください!!魔物です!!」


 荷馬車を運転してきた男性が荷台にいる私たちに向けて叫んできた。その慌てようは生半可なものではない。

 さっきの衝撃は荷馬車に投石されて受けた衝撃のようだ。しかも、その投げられた石は石というには大きい。もはや岩と言えるくらいの大きさだった。狙いが少し逸れたから大きな被害にはならなかったみたいだが、不意打ちが成功していたら私達は命がなかったかもしれない……。危ない……。


「……。A級か……?」


 お父さんは眠気眼だが、その魔物の分析をした。


「御者さん!!荷台に入って!!」


 お母さんが慌てる御者に荷台に入るように促す。


「ですが奥さん!?!?」


 御者もできれば逃げたいだろう。私も逃げたい。なのに、両親はやけに落ち着いている。どうしてだろう。


「いいから!!」


 お母さんは御者の言うことは聞かずに促す。


「……知りませんからね!!?」


 御者もお母さんの必死さを感じ、従うことにした。まさしくこの決断が御者の命を救った。

 御者は荷台に移る。それと同時にお父さんが外に出る。


()()()()()()か……。」


 お父さんはモンキーベアと言った。名前の通り、猿と熊が合体したような魔物だ。熊の胴体に猿の手と言った感じだ。家にあった魔物図鑑で見たことがある。A級に分類されている超危険な魔物だ。全長が5メートルくらいあり、力が強く頭も良い。1人で相手にするには限度がある。それでも、お父さんは何も無さげにモンキーベアに向かって行った。


「お、お父さん!!?」


 私はお父さんの行動に驚き制止しようとした。だが、それをさらにお母さんに制止されてしまった。


「……!大丈夫よ!お父さんに任せておいて!」


 お母さんは私を抱きしめて動けないようにする。いくらお父さんでも無理でしょ!?だって、元冒険者でギルド支部長であれ無理は無理でしょう!?


「でも……!?」


 私もお父さんを無惨に死なせたくはない!


「大丈夫。お父さんは()()()()()()()()()とまで言われる実力の持ち主よ。」


 ……え??

ここまで読んでいただきありがとうございます!!

出自も異常でした!!

次回もよろしくお願いします!!

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