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第五話 魔力総量の規格外。王と謁見!?

王と謁見も王道ですよねー!

――――――

 古の時代……。

 勇者がいた。

 勇者は悪しき魔王を倒すために立ち上がった。

 そして、勇者と共に魔王討伐を誓い合った盟友が5人いた。

 勇者アースを筆頭に賢者ゾルダン、戦士セフタリア、魔法使いサンローラン、召喚術士メトラゾール、武具師フィンテルバラン、この6人が勇者と共に戦い抜いた聖人達である。

 彼らは魔王討伐後、大陸を5等分し、それぞれがそれぞれの国の象徴として(たてまつ)られた。偉業を讃える為に、それぞれの国が聖人たちの名を冠した国名になった。

 勇者は五つの国の中心部に位置する大陸首都であるアースランドの象徴として奉られた。

 それから長い年月、大陸の者たちは聖人の庇護のもと平和に暮らすことができている。


 〜勇者英雄譚より〜

――――――


 ――王との謁見――


 読んで字の如く、王様に謁見することだ。

 王様ということはここは王国ということなんだけど、まずこの世界に関して説明しましょう。

 

 この世界の環境は私が前世住んでいた地球と同じようなものだと思う。で、世界の大半は海。これも地球と一緒。違うのは大陸が一つしかないこと。島は点在しているけど、主要大陸は一つ。

 その大陸の名前が、アース大陸。

 そして、その大陸の中に国が五つある。ホールケーキを五等分したような形で国がある。

 ゾルダン聖皇国、セフタリア共和国、フィンテルバラン王国、メトラゾール王国、そして、私の住んでいるのが、サンローラン魔法国。

 ゾルダン聖皇国を1番北に据えて、時計回りの順に位置している。サンローラン魔法国はゾルダン聖皇国とメトラゾール王国と隣接することになる。国の大きさはほぼ同じで拮抗している。

 この国々の成り立ちは勇者英雄譚で子供なら大抵聞かされている話だ。

 各地の国境は厳重に管理されており、塀が建っている。塀を越えるには両国の承諾が必要だ。

 そして、もう一つ変わったところがある。全ての国が交わる場所、すなわち大陸の中心部分そこには一つの都市がある。アースランドだ。英雄譚にもあるが、ここには勇者が象徴として奉られている。この都市だけはどこの国の人々でも許可なく入ることができる。そして、他の国と同じようにアースランドも大きな塀に囲まれている。

 この大陸の全体を見ると、中心に大きな円の塀に囲まれた都市があり、そこから放射状に五等分するように5つの塀が海まで繋がっている。塀に囲まれた部分がそれぞれの国だ。そして、それぞれの国のアースランドに近い地域にそれぞれの国の王たちが居住しているお城があったりする。

 私が住んでいるここはサンローラン魔法国とゾルダン聖皇国の境目の塀の中心部辺りだ。塀の近くは田舎であることが多い。もちろん、それぞれの国には無数の地域、都市もある。私の住む場所は都市というにはあまりにも田舎すぎるので、まあ、町って感じだろうか……?近くの都市までは馬車で3日はかかる。一つの国は意外と広い。

 

 話を戻して、私達がこれから向かおうとしている王様がいる場所は馬車で向かうとなると1ヶ月はかかる。道中は魔物や盗賊が現れたりするから結構危険な道のりだ。でも、国を中心から縦断するように大都市が点在している。

 各地の中経点になって栄えた都市たちだ。その都市には常駐の転移魔法が設置されていて、大都市間なら転移できるようになっている。

 これはサンローラン魔法国の特色だ。各国、様々な特色があり、それぞれ象徴する聖人の特色を色濃く受け継いでいる。

 サンローランは魔法使いだから、転移魔法と言った高度な魔術を取り入れているし、国民も魔法適性が高かったりする。メトラゾール王国は召喚術士が多くて、馬車の代わりに召喚獣を使役しているのは日常茶飯事のようだ。まあ、他の国は行ったことはないから文献調べだけど。

 というわけで、私は近くの大都市まで行き、王都まで転移するという移動プランで王の謁見をすることになった。

 とはいうものの、大都市までは1週間かかる。旅の支度は必須だ。


「業務の一環として行くから、俺が連れていくつもりではいるんだが、クレアはどうする?……どうせなら旅行するつもりで行かないか?」


 父は少し自暴自棄になっているのだろうか……?


「……ええ。そうね……。決まっちゃったものは仕方がないし、楽しみましょうか!」


 母も諦めたようだ。


「幸いにこの子は体が丈夫そうだし、長旅にもきっと耐えられるわよね。」


 ……。問題ありません。私は病気にならないので……。でも、怪我は普通にするし、疲れたとかいう感覚はあるから本当に病気に限定されているようだ。それよりも……。


「……私の意思って……ないの?」


 なんか勝手に王都行く流れだけど、私は正直町から出たくはない。しかも王様に会うなんて……!?

 心の声では流暢に話しているけど、基本はコミュ障なんだ……。改善する為にはこういった経験が必要なのか……!?でも、5歳の私には早いだろう!!いや、むしろ5歳だから気負わずに行けるのか?

 と、ぐだぐだ考えていたが……。


「悪いけど、決定事項だ。すまんな……。」


 父から辛辣なひと言……。はぁ……、これはもうやり切るしかないか……。新たな人生の第一歩として頑張ろうか……。幸い、もう一つの能力のおかげで、旅でもなんでも不自由はしないだろうし。両親の目をかいくぐるのが大変そうだなぁ……。


 ということで、私は王都へ向かうことになった。

ここまで読んでいただきありがとうございます!

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