第十一話 やっぱり聖女でした。これからどうなる!?
王様との話もすんで家族会議に入ります!
「目立ちたくないです!!」
突拍子もないし、ここでいうことでもないと思ったけど、こういうことは言っておかないといけないと思った。
「……目立ちたくない……とな?」
王様も目をくりくりさせている。両親もこの子は何をいうんだ?って感じの顔で私を見ている。だって何でもいいから言ってって言ったじゃん!!
「……はい……。」
とは言え、私の意思は変わらない。別に、力があることはいい。それで魔王を倒すために尽力したっていい。でも、それをひけらかしたり、聖女の力で矢面に立つのだけは避けたい。面倒なことがあるに違いない。わがままかもしれないけど、おそらく、私のポテンシャルとクオリティの低下を防ぐことになると思う。
「……うーむ。……、わかった。そういうことなら考えがある……。」
王様は一つの考えがあると言った。
「本当はサーシャには王都で英才教育を受けさせ、魔王討伐に向かってもらいたかった。実に勝手ではあるが、今、魔王に対抗できる力が少なすぎる。そんな時の報告だったからな……。」
あらあら、まあ、そうなりますよねぇ。勝手だけど、仕方がないというか……。
「それでだ、二つ条件をのんではもらえないだろうか?」
条件?
「……じょ、条件にもよりますけど……、善処します。」
私はできうる限りの譲歩した返答をした。
「……5歳にしては難しい言葉を使うなぁ……?随分賢い娘に育てたのだな!!」
王様は私の言葉に両親を褒めた。やばい、やりすぎたか……。両親はキョトンとしている。
「なに、そんなに難しい条件ではない。一つはサーシャが聖女であることを特定の人物には明かしたい。もう一つは聖女が誕生したことを公表させて欲しい。もちろん、名前や出生等は伏せる。」
まあ、魔王討伐を目標とするのならば、この条件は致し方ないか。
「特定の人物は、我々や今後一緒に旅をするかもしれない仲間達や、教官達だな。魔王討伐を目的としてサーシャに力を貸してくれるもの達だ。
公表させて欲しいというのは、市民の不安を拭うためだ。どちらかと言えば、こちらの条件は飲んで欲しい。魔王を討伐しうる力をもった者の台頭は我が国の市民、いや、世界の市民の安心を得ることができるだろう。
……どうか、頼む。この条件さえのんでくれれば、普段通り……、とはいかんがある程度自由に生活できると思う。」
そう言って王様は玉座から降り、階段を降り、私の目の前に来たかと思えばそこで跪き頭を下げて懇願した。
王様がここまでやるのだ。私はこの誠意に応えなくてはいけない。
「……わ、わかりました。その条件をのみます!……だから頭を上げてください!!」
私はその条件を承諾することにした。まあ、必要最低限の情報開示や意思疎通はできないと困る部分もあるから条件というほどの条件ではないと思った。公表に関しては、自分以外の誰かが聖女というすごい能力に開花したんだなぁくらいに思っておくのがいいのかもしれない。
情報開示のメンツは口の固い人じゃないといけないけどね……。口外しないような魔法とか契約があればいいけどな……。
「ありがとう……!!助かる!!近日中におふれを出す。国内だけでなく大陸全土に周知することになるので、少し時間がかかる。しばしの間は王都で観光でもしているといい。」
そうして、王様との謁見が終了した。
明日は王城を一回散策させてもらえることになった。そして、滞在場所としても王城の母の部屋を使うことになった。部屋といっても、ほぼ家。4LDKマンションの一室って感じだ。馬鹿げてる。
「お母さん……。本当に王女様だったんだね……。」
私は母の部屋を見てつぶやいた。
「あら、信じてなかったの?」
母は驚いた風に発言した。
「いや、信じていたけど、想像を超えてきたというか……。」
王女様ってこんな感じなのかな。
「まあ、王族なんてこんなもんさ。それに見合った重積を負っている。わかってやってくれ。あ、今日はここで家族会議だ。ご飯食べたら始めるぞ。」
父がそう言い、とりあえず今日の予定が決まった。母の部屋で一家団欒。ご飯も持ってきてくれるらしい。
「ここのご飯は美味しいから期待しててね!」
と、母は言う。でも、忘れているのだろうか。私は5歳児です。何も言ってないようなので、きっと王城の料理人はお子様ランチ的なものを持ってくる。どうせなら、ステーキ食べたかった。
――――――
案の定、私にはお子様プレート的なご飯が運ばれてきた。両親の食べるコース料理はとてつもなく美味しそう。とりあえず、一口……。
――!?うまッ!!!?
お子様プレート、侮れない……!めちゃくちゃうまい!!
そんな感じで、今日の夕飯は終わりを迎えた。ステーキは心残りだけど、私が食べたご飯も美味しかったから満足だ。その後お風呂に入って、今また部屋でみんな集合している。お風呂もすごかった。
これからどうするか?もちろん家族会議だ。一つのテーブルに私、父、母が座り、紅茶を飲みながら話をする。
「さて……、昼間に話していた時間がやってきました!色々、話したいことがあるだろう。まずはお父さんとお母さんの話をしよう。」
そう前置きをして、父が話を始めた。
「もうわかっていることだが、お母さんはこのサンローラン国の第一王女様だ。」
うん、そうだよね。それは実感している。
「そして、お父さんは勇者の生まれ変わりって言われているが、本当は勇者の末裔なんだ。お父さんも聖女の話はまだ聞いたことなかったが、腑に落ちたところがある。ここでやるべきことが終わったらアースランドに行ってみたいと思っている。そこで話を聞いてみたい。」
!?勇者の末裔!?お父さんも自身のルーツを教えてくれた。だが、話を伝え聞いている訳ではなさそう。アースランドはこの大陸の中心の勇者が祀られている地だ。父の故郷はそこということか……。
「お父さんは昔はやさぐれていたと言うか、天狗になっていたと言うか、まあ、周りからあんまりいい印象がなかった。自分の強さをひけらかし、色々な大会を荒らしまくっていたな。」
衝撃の事実!!?
「そして、サンローランで行われた武道大会で、俺は運命の出会いを果たした。まあ、言っちまえばお母さんとの出会いだ。
いつものように大会の優勝賞金を貰いに大会に行ったんだが、お母さんは出会ってそうそう、俺の目の前にずいっときて往復ビンタをかましたんだ。単発じゃなくて往復だぞ!?」
おお!?お母さん意外と過激だな!お母さんは少し顔を赤らめている、恥ずかしいのかな?
「お母さんとの出会いは衝撃だったな。」
ここまで読んでいただきありがとうございます!!
異世界転生ものの主人公はやっぱり普通の出自ではないですね!
それがいい!!




