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55.リモダ、広い

「ラミアの髪飾り亭」を出発し、俺は生活用品が並ぶ店へ立ち寄った。

今日のように雨に降られた場合、荷物に被せる防水シートが必要だと思ったからだ。店はザクンダ商会の職員さんに、パン屋と合わせて教えてもらっていた。


この世界にナイロンやビニールといった素材はない。店員さんに紹介されたのは、水棲の魔物の皮で作られた風呂敷だった。俺が今着ているマントも、何ちゃらシープという羊の魔物の羊毛でできてる。見た目は重そうな布だが、雨の中半日歩いても水を吸わない優れものだ。

科学技術の代わりに、魔法や魔物を用いた不思議技術が発達して、人々の暮らしを支えている。異世界だなぁ、と改めて実感した。


街の中心を通り抜け、畑地帯へと向かう。次はいよいよ国境。リモダの街へ向けて南下だ。

石垣と畑がずっと広がる牧歌的な風景の先に、簡素な検問所が見える。しかし視線を下ろせば、道は水たまり地獄だ。このまま歩き続けたら靴が泥水で大変なことになる。


少し進んだ先の一際高く建てられた石垣の影で、俺は再び車を出した。街への入りと違って、出る際の検問は無い。ステルスで身を隠したまま通ってしまおう。


車内に入ってステルスモードにしてから、ふぅと一息つく。やっと雨とおさらばだ。

堅っ苦しい革鎧を脱ぎつつ、ナビをポチポチ操作してリモダを目的地に設定。到着時間は…大体2時間後か。


「目的地を設定しました。ルート案内に従って、走行してください」


青々とした牧草地に引かれた道を、見えざる車が軽快に走る。

辿り着いた簡素なゲートは馬車がすれ違えるほどの幅があって、行き交う人々の脇を楽々通過できた。


「乗り直す手間が省けたな。ラッキー」

「ッキー」


車はラフィードを背に、くねくねとカーブを繰り返す街道を進む。少し登っているようだ。静かだった雨足が徐々に強くなっていく。

また霧が出るかなと心配だったが、幸い視界が悪くなることはなかった。


1時間も延々と走っただろうか。辺りは黒い岩肌の山間部へと様変わりしていた。数箇所ほど車では通れない幅の頼りない道に差し掛かり、その一帯は代行モードのジズで一気に飛び越える事にした。山間に集落はなく、ひたすら険しい道が続いている。


ジズからステルスモードに戻って少しすると、雨雲の合間から陽の光が差し始めた。雨が上がりそうだ。薄暗く沈んだ黒い山間に眩い斜線がさす様は絵画のような美しさで、俺は思わず車を止めた。


「うわぁ、すげー…」

「キィ?」

「休憩すっか」


ステルスモードのままギアをPに入れて、軽く身体を伸ばす。窓の外の景色をしばし眺めた。

でかい山々だ。インドア派の俺は詳しくないが、日本じゃこんな高さの山峰、見られないんじゃないかな?外国にいる気分だ。…実際は外国どころか、地球ですらないんだけども。


大自然の美しさに少々心細い気持ちになりながら、水を飲んで休憩を済ませる。

それにしても、今通ってきた道はずいぶん狭くて険しかった。乗合馬車どころか荷馬車だって通るのは無理そうだ。山間に入ってからは旅人を全く見ていないが、他の人たちはどうやってリモダへ向かうのだろう。

気になったのでナビで確認してみると、山を迂回するルートが幾つかあるのを見つけた。気づかなかったが、ラフィードを出てすぐの辺りに分かれ道があったようだ。


ふーん、と納得。気が済んだのでギアをDに入れて、運転を再開だ。

途中、山の木々を縫うように闊歩する鹿の魔物を2頭見かける。殺意の高い構造の立派なツノを持っていたが、安全安心な車内から見れば野生の鹿と何ら変わらなかった。

数十分も進むと雨は徐々に止んでいった。


「およそ4キロメートル先、検問所です」


山間の景色を抜けないまま、モストルデン最後の街・リモダへ至ろうとしている。

カーナビにはリモダの端部分しかまだ映っていないが、かなりでかい街なのがわかる。


「…入る前に、色々チェックしとこう」


ナビの目的地検索を駆使して、ザクンダ商会や従魔可の宿屋の位置を頭に入れておく事にした。路銀を手元に引き出したいから、ギルドも覚えとかないと。


しばし画面をポチポチポチ…。


「ギルドはここから入ってすぐか。分かりやすいな。宿屋は西区で……商会は東区。うわ、真逆だ」


リモダ、広い。



ーーー



リモダは、山に囲まれた平野部に広がる国境の街だ。聳え立つ二つの山に挟まれた堅牢な門が、モストルデン王国とミスラー皇国を隔てている。

今、俺が検問の順番待ちをしているのが北の門で、国境があるのは南門の先。街との距離はほんの2、3キロだ。街の外壁は延々と伸びており、王都程ではないが、かなり大きな街なのが分かる。


聳える山々の麓から中腹にかけて、目を凝らすとキノコのように民家が点在している。あんな街外れにまで人が住んでいるのだ。

物珍しい遠景から目を逸らすと、すぐ向こうに並ぶ屋台に気が移った。道中の孤独なドライブが嘘のような賑やかさだ。待機列で時間を持て余した人々をターゲットにやってくる、商魂逞しい売り子さんもいる。


「キキッ」(いい匂い)

「街に入ってからな」


ソワソワと屋台を見つめる食いしん坊の毛玉へ、俺はすかさず牽制する。街の中の方が安いのだから、わざわざここで財布の紐を緩めやしない。


やっとこさ順番が来る。厳つい検兵さんに従魔の申告をし生温かい目で迎えられながら、ついにリモダの街へ足を踏み入れた。


「よーし。先ずは荷下ろしポイントの選定だな」


ナビの地図で予習して商会の場所は頭に入っている筈だが、この規模の大きな街だ。道に迷う自信しかない。

案の定途中で現在地を見失ったので、屋台で小腹を満たすものを購入しつつ店主に道を尋ねる。バターのいい香りを漂わせるその屋台には、串にくるくる巻かれて焼いたパンが売られていた。


かりかりフワフワの串焼きパンに齧り付きながら、店主のおばさんに教わった賑やかな通りを歩く。数刻後、無事にお目当てのザクンダ商会・リモダ支部を発見した。

次は、人目につかず車を出せるポイントを探す。


今回見つけられたのは、残念ながら商会から1キロは離れた水路沿いの寂れた一角。商会周りは何処もかしこも賑やかすぎて、手近な場所での荷下ろしは不可能だ。


「遠いけど…リモダの荷下ろしは一箱だけだし、何とかなるか」


下水の入り口付近にある謎のスペースに車を出し、ステルス車内でナビの地図を再び頭に入れる。そうしたら、車を降りて実際に商会まで歩いてみた。平坦な通りだと思っていた道が急勾配だったりして、結局最短距離では運べそうにない事が判明した。

少し回り道になっても、大通りに沿った方が無難だな。


活気に溢れるザクンダ商会に到着し、これで荷運びルートの下見は完了だ。

…やれやれ、己の身の安全の為とはいえ、涙ぐましい手間暇である。

それもこれも、マジックバックがあれば全て解決するのに。…おいくらで買えるのだろう。こんなに運送業にもってこいのアイテムは他とない。使っている人くらいきっといるだろうから、明日商会で尋ねてみよう。


「キィッ」(血が飲みたいな)

「俺も腹減った。宿行って休もう」


初めての街並みを堪能しながら、宿のある西区へ向けプラプラと足を進めるのだった。

リモダ、本当に広い。


本日のお宿、「セイレーンの鼻唄亭」に到着。

寄り道を楽しんだせいで夕方近くになってしまい、危うく部屋を取り損ねる所だった。時間があるからと油断してはいけないな。


「ああ、従魔ね。今日はもう1人従魔連れがいるから、顔合わせといとくれ」


おかみさんは俺にそう注意して、食堂を指さす。その先には、従魔の主人だという赤毛の女性が座っていた。

なんと、今回の厩には先客がいるようだ。

トラブル防止のため、従魔を厩へ連れて行く際はお互い立ち合う必要があるのだった。ペットホテルにワンちゃんを連れて行くようにはいかないらしい。


「あの、お食事中すみません」

「んぐ?」


赤い髪をひっつめた冒険者装束の女性は、腸詰を頬張りながら気さくに厩へ同行してくれた。ほんと恐れ入ります。

彼女は魔族で、モストルデンとミスラーを拠点に活動する冒険者パーティの一員らしい。テイマーとして身を立てている女冒険者さんだった。


「うちのサンディはフォレストーカーだよ。おたくの従魔はどこ?」

「あ。コイツです」

「キッ」(よっ)


肩の上に止まったおはぎを見て、女性はぽかんとした表情をした。


「プラムバット?」

「はい。おはぎです」

「えぇ…伝書にも使えないじゃん」


何だってそんなのを従えた…?と声を落として困惑する女性だったが、残念ながら聞こえている。俺は気にしない事にした。


離れの厩に行くと、灰茶色の毛並みに白い斑模様の入った、オオヤマネコに似た魔物が寝そべっていた。フォレストーカーというのか。しなやかに体を丸めているさまは、でかい猫ちゃんだ。


「サンディ、同業者だ。この子はエサでも敵でもないから、手出し無用よ」

「…フスンッ」


サンディちゃんは琥珀のような目をギランッとこちらへ向けたが、すぐに興味を失くしたのか顔を背けてしまった。

一方のおはぎを見やれば……毛をボーボーに逆立たせて警戒心MAXだ。


「おい…無理そうか?」

「キ…」(知らないヤツ…)

「ま、大丈夫でしょ。キミの方からちょっかい出して、サンディの機嫌を損ねなきゃね」


女性はおはぎに話しかける。そうか、魔族だから言葉が通じるんだったな。

暫く様子をみたが、おはぎは警戒してるものの怯えてるわけではなかった。サンディちゃんは完全に無関心。


「キィキィー」(よろしくね)

「……」


少し離れた位置の壁にぶら下がって声をかけるおはぎ。対するサンディちゃんは無言で、尖った大きな耳を向けるのみだ。


ここはオルトロスと無事に過ごしたおはぎの実績を信じよう。

…あまり煩く話しかけるなよ。


やや後ろ髪を引かれながらも宿へ戻り、しばし女性冒険者と世間話をした。テイマーの先輩から色々話を聞けて助かる。…ええ、お酒代くらい払いますよ、ハイ。


「国境越えを経験した事がないんですが…どんな風に通るんですか?」

「どんな風にって、普通だよ。街に入る時と一緒さ」


滞在予定の街や目的は聞かれるけどね、と女性が教えてくれる。

ふむふむ。聞いた限りだと、いち冒険者に時間を割くような検問はしないと考えてよさそうだ。さらっと通れるといいな。


女性に頼んだついでに、俺も初めてこの世界の酒を味わう。炭酸が弱くてぬるいけど、香り豊かなエールだった。アツアツの腸詰に合いますね。


女性と別れて部屋に戻り、ほろ酔い気分のまま就寝した。



ーーー



翌朝。雨雲が姿を消し、すっきりした青空に恵まれる。

朝食をもらう前におはぎの様子を見に行くと、2匹ともおしゃべりの最中だった。無事だったかと一安心。


「キィキィ」(おはぎはこの前サカナ食べたぞ)

「ガウガウ」

「キィーィ!」(クッキーだって持ってる!)

「ガルルルルッ…」


ドヤ顔で話すおはぎに、サンディちゃんは何故か悔しそうに尻尾をパシパシさせている。

何の話してんだ…。


おしゃべりに夢中な2匹を置いといて、一旦朝食へ。昨日と同じボイルした腸詰とピクルスが食欲をそそる。今日も美味しかった。

美味しいんだけど……米、食いたい。

そろそろ米への渇望に目を背けられなくなってきたが、見かけた事がない。今まで訪れた街で一度もだ。

とはいえ、まだ希望を捨てるには早い。モストルデン王国には無いだけで、他の国にはあるかもしれないのだから。


おかみさんにご馳走様と挨拶をして、おはぎを迎えに行く。2匹はまだ食べ物の話をしていた。


「ガォ、ゥーン」

「キィーーッ!」(う、うまそーーっ!)

「ガルッ」


今度はサンディちゃんがドヤァ、と得意げに唸っており、おはぎが悔しそうに羽をばたつかせていた。楽しそうだな君たち。

出会った際はクールにお澄まししていたが、何やかやでおはぎの相手をしてくれたのだろう。そんなサンディちゃんに礼を言って、厩を後にした。


「キィ?」(イチゴ知ってる?)

「何だ。苺の話してたのか?」

「キ!キィー!」(そう!イチゴ食べたい!)

「俺も白米が食いたい」


それぞれがここには無い食材へ思いを馳せている。道すがら賑わうマーケットへ目を光らせながら、俺たちは東区へ向かうのだった。

苺も米も、マーケットには並んでいなかった。無念。


昨日の下水路スペースへ着くと、ジンジャー箱を荷車へ積んで商会へ向かう。下見の甲斐あってか、実にスムーズだった。商会の倉庫へ優雅に到着。

馬車へ木箱を積む数人とやり取りしている男性に声をかけて、ジンジャーと手紙類を納める。リモダのお仕事、達成だ。


ガタイの良い髭もじゃ男性職員に受け取りサインを貰いながら、俺はマジックバックでの運搬について尋ねてみる。


「ほぁー…マジックバックねぇ」


すると、髭もじゃ職員さんはそのバキバキに鍛えられた厳つい容姿に似合わぬ、のほほんとした口調で教えてくれた。


大手の商会ともなれば、マジックバックを複数所持している。かくいうザクンダ商会もそうで、大量の商品の運搬に大活躍しているらしい。

そのマジックバックには厳重な盗難・紛失防止策が施されており、それを担う運び屋も決められた者がチームを組んで携わる。商会が信のおく、選ばれし配達員だ。決してギルドで募った余所者や、俺みたいな単独の運び屋には任されない。


「…それじゃ、自前で用意したマジックバックを使ってる運び屋ってのはあまりいないんですかね?」

「さァ、見かけねぇな。マジックバックなんて持ってちゃまんず狙われて、おちおち気も抜けねぇ。俺ならさっさと売っぱらうわなぁ」


魔境でラスタさんが所持していたマジックバックを思い浮かべる。見た目はごく普通のポシェットだった。言いふらして見せびらかしでもしない限り、バレやしないと思うのだが…。

しかし、髭もじゃ職員はそんな俺へ更に言った。


「小狡い奴ァ目ざといぞ。何しろカネに変えりゃ暫く遊んで暮らせんだ。その上、中身も頂けるってな」


しばらく遊んで…?そこまで高級品なんか!

成る程、そりゃ怖いな。ひとたびバレれば最悪、盗賊にヒャッハーされるのか。

こんなに便利なのだからもっと普及しててもいいのでは、と思っていたが…。運び屋のお供とするには、リスクもお値段も高すぎるアイテムだったようだ。


マジックバックをすっぱり諦めた俺は、髭もじゃ職員にお礼と別れを告げるのだった。



ーーー



西区・東区ときて、現在辿り着いたのはリモダの街の中央区だ。

この街は、どこからでも山が見える。それほど街を取り囲む山峰が高いのだろう。


「キッキィー」(イチゴを探そうよっ)

「まぁまぁ。休憩しようぜ」


鼻息荒く苺を求めるおはぎを宥めて、街のどでかい広場へ足を踏み入れた。中央に物々しいブロンズ像が聳え立つ、壮大な広場だ。

そこには老若男女たくさんの人々が、思い思いの方向へ行き交っている。ある一角にはフリマなような出店が並び、違う一角では大道芸人が人だかりを作っている。空中でクルクルと形を変える、小さな虹がチラッと見えた。


魔法の大道芸も気になるが、それより体良く空いているベンチに足が吸い寄せられた。どっこいせと腰を下ろし、流れてく雑踏を眺めながらおはぎのブラッシングを済ませる。


「キ~…キィ~…」(イチゴ……うぃーっ気持ちいい…でも、イチゴ…)

「マント乾くかねー」


わざわざここへ来たのは休憩のためだけではなかった。昨日の雨で湿気たマントを陽に当てる。宿の部屋でも干してたのだが、せっかくのいい天気を利用したかった。

ブラッシングが終わるとおはぎはいそいそマントの日陰に隠れたが、俺は爽やかな日光浴と広場の景色を楽しんだ。暑くも寒くもない、素晴らしい行楽日和だ。


大事なマントがピンシャキになった所で、ベンチから立ち上がる。いよいよ出立の準備だ。

先ずは飲み水の補充をしてから、別の店でクリーンのスクロールを購入。特に目ぼしいものはなかったので、他のスクロールは買わなかった。


タプタプと重たい水を背負って次に向かうのは、リモダの冒険者ギルド。

立派な大聖堂のような建物には冒険者で溢れていた。ここも受付が沢山あるが、人が多いのでどこも並んでる。


「こちらの換金を。その後、一部引き落としたいんですけど」

「お預かりいたします。こちらの番号でお呼びしますので、お待ちください」


ありがたい事に俺の口座には、王都のダンジョンアタックで得た報酬がたんまり残っている。それ以前にドルトナで換金した300万近くも。なのでラスタさんから譲り受けたお宝を今すぐ換金する必要はないのだが、そうなるといつまで経っても車のトランクが空かない。

どこかで少しずつ、お金に代えていかなくてはならないのだ。


今回渡したのは金細工のかんざしと、ツルツルした石造りのバングル、ダイアモンドっぽい宝石のついた指輪が2個だ。ドルトナでは査定に翌日までかかったが、流石規模の大きい都市にあるギルド。ほとんど待たされずに換金が終わった。

さよなら、キンキラキン。こんにちわ、およそ70万G。俺の脳内で猫ちゃんがハッピーハッピーと踊り狂っている。


…しかしハッピーな反面、心配でもあった。

これまで換金したお宝は、パンパンに詰められた袋の三分の一程。まだ丸々1袋と三分のニが残っている。

いくら口座が便利だからって、それらを一つ残らずギルドに預けてしまって大丈夫なのだろうか?


全て換金となれば、どう見積もっても2千万Gはいくだろう。そんなとてつもない額がEランクの冒険者個人の口座にあるなど、何かしらの不正を疑われてもおかしくない。

ならばいっそ、一袋分は換金せずにそのまま残しておいた方が良い気がしてきた。トランクのスペースは諦めて。


あるいは、何かでかい買い物をするとか……。マジックバックか?やはりマジックバックなのか…!?


「いや……それより、家が欲しいよな」

「キィ~」(イチゴ~)

「ハイハイ、苺もね。…そうだ。田んぼ造りの資金援助なんてどうだ?…絶対足りないな」


いつの間にか広がるドリームにうつつを抜かし、受付のお姉さんの冷めたい目つきで現実に戻った俺は、慌てて10万Gだけ引き落とした。




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