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第41話 素材合成

 様々な鉱石を登録しまくった結果がこれだ。


【能力】糸(Lv4)

【登録】麻、綿、毛、絹

【金属】鉄、アルミ、鋼、銅、銀、金、白(New)、ミスリ(New)

【特殊】元(New)、ジャイアントスパイダー▼、グラウプニル(使用不可)

【媒染剤】鉄、銅、アルミ、ミョウバ(New)

【魔物素材】ホーンラビットの角(18)

【形状】糸、縄、ロープ、網、布▼

【作成可能色】24色(New)

【解析中】無


 ちょっと調子に乗り過ぎたのかもしれない……。


 登録が一気に増えたので把握するのが大変なことになってしまったが、レベルは上がらなかった。


【金属】と【特殊】という項目ができて、前より見やすくなったような気がするが、【特殊】の元素ってなんだ? そういえば炭素が消えているな。


 登録した覚えがない物まで登録されている。石に含まれていた成分が分解されて登録されたのかもしれないが、増える分には問題ないだろう……多分。


 そしてついに登録されたファンタジー素材のミスリル。実は結構あったのだ。ミスリルは聖銀なんて呼ばれたりもするから、きっとフェンリルが近くにいたのが原因かも。ミスリルを登録できた上に在庫も確保できたので、レギンさんに何か作ってもらいたいところだ。



『エディよ、ニヤニヤしすぎではないか?』


「えっ、そうかな? たくさん登録できたからね。これもヴァイスのおかげなのかな?」


『そうだろ、そうだろ、もっと(われ)を褒め称えるがよい!』



 取りあえず撫でておく。嫌がらず撫でられているので、これが正解なんだろう。

 

「さて、素材が揃ったので合成してみよう」


 頭の中で『素材合成』と念じてみると。


『素材合成 合成する素材を選んでください』


 どうやら正解のようだ。元素を選んでみると元素記号が並んでいる。試しにステンレスを作ってみよう。鉄、クロム、ニッケルの3つを選んでみる。厳密にいえばステンレスにも成分によって様々な種類があるのだが、そこは能力の補正でなんとかなると信じたい。


『合成しますか?』


 作成しますか? ・はい ・いいえ


 <はい>と念じる。


 ん? アナウンスがないので確認してみる。

 

【能力】糸(Lv4)

【登録】麻、綿、毛、絹

【金属】鉄、アルミ、鋼、ステンレ(New)、銅、銀、金、白金、ミスリル

【特殊】元素、ジャイアントスパイダー▼、グラウプニル(使用不可)

【媒染剤】鉄、銅、アルミ、ミョウバン

【魔物素材】ホーンラビットの角(18)

【形状】糸、縄、ロープ、網、布▼

【作成可能色】24色▼

【解析中】無


 無事登録できたようだが、登録した瞬間、魔力をかなり消費した感じなので確認してみると。


【MP】230/735


 ……いっきに500も持っていかれた! さすがに作り放題というわけにはいかないみたいだ。今は旅の最中だから気を付けないと危ないな。しかし魔力を500使うなんてレギンさんの友人が嘆いたのも分かる気がする。



『エディどうだ? 大きな魔力を感じたが成功したのか?』


「うん、成功はしたんだけど魔力を500も使うみたいで今のままだと一日に1回が限度かな」


『そこは考え方次第だな、一日に1種類()増やせる能力なんてなかなかないと思うぞ』


「確かにヴァイスの言う通りだね!」


『しかし、今の使い方もレベル2でやろうと思えばできると思うのだ。レベル4の能力はもっと凄いことができるのではないか?』


「確かにその通りだね。材料さえ集められれば作れそうだよね。もっと凄い合成か! なんだかワクワクするよ」


『エディの能力はおもしろいから我も考えるぞ』


「本当に! それは助かるよ。今日はもう合成できないから、夕食の準備をしようか?」


『おお! 今日は何を作るのだ?』


「そうだな、この辺に美味しそうな鳥とかいないかな?」


『鳥ですか? 私が乗せて行きましょう。できれば調理はいらないので、私の分も取って欲しいのですが』


「良いですよ! どんな鳥なんですか?」


『何度か捕まえて食べたことがあるのですが、とても美味しい鳥ですね。最近では警戒されてしまって、近づいてこなくなってしまったのです』


「へー、それは楽しみですね」



 エンシェントウルフに乗って鳥の縄張りに近づくと、一斉に鳥が飛び立つ。やはりかなり警戒されているようだ。



「全部、飛び立っちゃいましたね。あれはバンディエンテだな」


 体長150センチぐらいで頭が綺麗なグリーン、(くちばし)が黄色の鳥で、鴨をそのまま大きくしたような鳥の魔物だ。家畜化したらアヒルになるのだろうかと考えていると。


『私が近づくだけで飛び立ってしまうのです。私は少し離れましょうか?』


「大丈夫です。このままチャレンジしてみますから」


 現在、糸の能力は目視できる範囲なら好きなだけ伸ばすことができ、重力の影響も受けないので、飛んでいるバンディエンテを直接狙えば倒せるはずだ。ここにはエンシェントウルフがいて、バンディエンテは襲ってこないので狙い放題のはずだ。


「それでは狙います」


 上空を飛び回っているバンディエンテに狙いを定めて、鋼糸を4本放った。複数の糸を操る練習を毎日行っているので、今のところ2本は自由に動かせる。2本は追尾できるので2羽に命中するが、適当に放ったもう2本の鋼糸は1羽だけ命中する。


 一度の攻撃で3羽仕留めることができたので上出来ではないだろうか。もう一度同じことを繰り返すと、今度は2羽しか仕留められなかった。適当に放った2本は警戒されていたので当たらなかったようだ。


「ヴァイスとエンシェントウルフさんはどのくらい食べられます?」


『我は2羽でいいぞ』

『私も2羽で大丈夫です』

「じゃあ5羽あれば十分ですね」


 上空で慌ただしく逃げ回っているバンディエンテをみながら、もう十分かなと思い、視線を下げる途中で木の上に巣を見つけたのだ。


「ちょっとあの木の上の巣を見てきますね」


 そう言った僕はガントレットからジャイアントスパイダーの糸を出して、巣のところまで行く。巣を覗くとバンディエンテの卵が4つあったのだが、2つだけかかえて元の場所に下りた。


「卵があったので取ってきたよ」

『そんな物を取ってきてどうするのですか?』

「卵を使った料理もしてみようと思ってさ」

『エディ! 腹が減ったのだ! 早く帰るぞ』


 エンシェントウルフに乗り帰ってきたので、早速調理を始める。


「エンシェントウルフさんの分はここに置きますね」


『久しぶりに食べることができます。少年よありがとうございます』



 エンシェントウルフは1羽ずつ食べ始める。と言っても、そのままバリボリ食べているだけなのだが。あの体格に2羽で足りるのだろうかと、思いつつも準備する。


 バンディエンテの頭を切って逆さに吊るし、血抜きをしつつ羽を毟る。魔石を登録することはできなかったが、魔物素材として『ダウン』を登録することができた。



 肉のほうの準備ができたので、覚えたばかりの火を起こす魔法を使って火をつける。フライパンを出し、以前見つけたベニバナの種から抽出した油を引き、モモ肉の片面に塩コショウして皮面を底にして焼いていく。


 皮がパリッとしたところで、火から離して裏返し余熱で身に火を通す。大きな皿がないので、採ってきた大きな葉に乗せ完成だ。


「まずは一品目、バンディエンテのモモ肉皮パリパリ焼きだ」


『エディよ、凄くいい匂いがするぞ!』

「食べてみてね」

『こっ、これは美味い!』


 ヴァイスの分は2羽分なのでモモ肉4枚あるのだが、凄い勢いで食べていた。僕も切り分けて食べ始める。


 皮がパリパリして肉もジューシーだ。鴨肉っぽいのだが、より複雑で濃厚な旨味を感じるな。


「美味しい……」


 前を見ると、すでに食べ終わったヴァイスが、食べている僕の肉を見て涎をダラダラと垂らしていた。


 しょうがないので、僕の分である残りのもう一枚を、ヴァイスの皿代わりの葉にそっと乗せてあげた。ヴァイスは一瞬目を見開き、また幸せそうに食べ始める。


「バンディエンテの肉はエンシェントウルフさんが、美味しいと言うだけあって凄く美味しいね」


『うむ、これは美味い! もっと狩ってくるぞ!』


「腐らせない方法があるなら、もう少し取りたいところだけど、乱獲しちゃダメだよ」


『無限に食べることができそうだぞ』

「まだ入りそうなら胸肉でも作ろうか?」

『ぜひ頼む!』


 結局残ったお肉のほとんどが、ヴァイスの腹の中に収納されたのでした。

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