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第16話 商人ギルド(下)

 メグ姉と話をしていると、ビアンカさんが帰ってきた。


「ギルド証の発行手続きを先にしてきましたので、今から簡単に商人ギルドについての説明をいたします。細かな規則については、こっちの冊子を後から見て、分からないことがあれば商人ギルドにお越しください」


「分かりました」


「試験前に言ったと思いますが、まず登録料として金貨1枚。そして1年に1回、会費として金貨1枚が必要になりますので注意してくださいね。年会費は1年以内に支払えばいいから頑張って稼いでください」


 なるほど、年会費は1年以内が期限なんだな。


「次に税金の話ですが、全ての行商人は無税となります。これは、行商人の売上は自己申告だから分からないっていうのが理由です。但し、店舗を持つと店舗のある都市で定めた税金が必要になります。税率は都市によって違うけど大体10パーセントぐらいですね。店舗を出す時は、事前に税率もしっかり調べてから出した方がいいでしょう」


「分かりました。年会費についてですが、前払いとかは可能ですか?」


「もちろん可能です。払い忘れやギルド証紛失などによる再発行には金貨5枚が必要となりますので、余裕のある商会の殆どは前納していますね」


「了解しました」


「次に商会のランクについて説明しますね」


「商人ギルドの会員はA~Fランクに分かれていて、ランクはそのまま信用度に直結します。最初はFランクスタートとなり、貢献度、会員年数、負債額などを総合的に判断してランクが上がっていきます。ランクが高いと融資を受けやすくなり、店舗を割引価格で買えたり、税率が安くなることもあります。店舗を出す領地を治める貴族や街の方針によっては、ある程度のランクがないと商いができない街もあるので注意してね。次に会員特典になりますが……」


 ・ギルドでの売り買いと仲介ができるようになる。

 ・ギルドカードに預金できる。

 ・ギルドやギルド会員との取引はカードでの支払いが可能。

 ・商談に商談スペースを借りることができる。

 ・ギルドから融資が受けられるようになる。

 ・店舗の斡旋が受けられる。


「といったところですね」

「商談スペースは無料ですか?」


「無料の部屋と有料の部屋があります。防音の魔道具を設置してある部屋や大部屋などは有料よ。あと立会人を依頼する場合も有料になります。店舗を持つと色々なルールが増えるから、店舗を考えているのでしたら、その出店する都市の商人ギルドで一度、説明を受ける必要がありますね。以上が簡単な説明ですが、何か質問はあるかしら?」


 年会費がいるせいか、冒険者ギルドに比べて特典が色々あるようだ。


「ギルドカードでの支払いはどうやって行うのですか?」


「まずギルドでは直接登録する魔道具があるので、カードを渡せば大丈夫ですね。次に金額の確認やカードでの支払いになりますが、裏面のギルドマークを指で10秒触れるとステータス画面のような感じで出てくるわ。最初に暗証番号の登録が必要よ。暗証番号は好きな数字の桁数で登録できて、登録すると次回からその暗証番号で残高の確認と支払いができます。支払いは相手のカードに重ねて『支払い』を押すと支払いが完了するわ。支払いや入金したら必ず残高を確認するようにして下さいね」


 ビアンカさんがギルドカードでの支払い方法を説明したところで、コンコンと。扉がノックされた。


「ちょっと待ってね」


 ビアンカさんが扉を開けてカードを受け取っている。


「はい。エディ君これがギルド証になるわ。失くさないでね」


 渡されたギルド証には。


【商会名】モイライ商会

【会頭】エディ

【ランク】F


 と記載されていた。


「ありがとうございます。それでは、これが登録料の金貨1枚と年会費5年分の金貨5枚です」


「はい受け取りました。一気に5年分も納めて大丈夫? 無理しなくてもいいのよ?」


「はい、問題ないです」


「分かりました。それではギルド証に記録してくるから、もう少しだけ待ってね」


 ビアンカさんがギルド証を持って受付の方へ記録しに行った。


「エディ、5年分も払っちゃうの?」


「うん、こういうのは、払えるうちに払ってしまった方が良いかなって」


「それもそうね」


 しばらくすると、ビアンカさんが帰ってきた。

 

「はい、ギルド証。更新日が5年伸びてるから確認してね」


 ギルド証を確認すると確かに伸びている。


「確認しました、ありがとうございます」


「それでは、以上で商人ギルドの登録は完了となります。頑張って稼いでくださいね」


「ありがとうございました」


 ビアンカさんにお礼を言って商人ギルドを出ようとすると。



「あっそうだ、エディ君!」


「なんでしょうか?」


「余計なお世話かもしれないけど、交渉に慣れるまでは、知らない商人との取引はギルドを通した方がいいわよ。残念なことだけど、悪い商人もたくさんいるからね……」


「心配してもらってありがとうございます!」

 

 最後にもう一度お礼を言って、商人ギルドを後にした。これでついに身分証ができたので、一歩前進である。

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― 新着の感想 ―
[一言] 孤児院にも寄付するんだろうな。
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