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第137話 アルジャン子爵

 アルジャン子爵領唯一の町、プラータに到着する。


 先に到着する知らせを出していたせいか、アルジャン子爵一家が出迎えてくれた。


 アルジャン子爵一家は当主のハーレイ・アルジャン(40歳)、夫人のパメラ・アルジャン(35歳)、嫡男のヌース・アルジャン(20歳)、長女のグレース・アルジャン(16歳)、次女のクレア・アルジャン(12歳)となっていて、次女のクレアは僕のパーティーにも参加していたな。


 アルジャン家は夫人のパメラさんと長女のグレースさん以外、髪はシルバー、瞳は青みがかったシルバーだ。夫人のパメラさんはホワイトブロンドの髪に琥珀色の瞳、グレースさんはシルバーの髪に琥珀色の瞳だ。


 カラーヤ侯爵もそうだったが、魔の森に隣接する領の当主はいかにも武闘派って感じの人が多い印象だ。次に行く予定のジェンカー伯爵も完全に武闘派だし。


「ヴァルハーレン大公殿、長い道のりを大変だったでしょう。今日は当家でゆっくり休んでください」


「ハーレイ殿はエドワードのパーティー以来ですね。お元気そうで何よりです」


「大公様にはお話ししたいこともありますので、どうぞ屋敷にお上がりください」


 屋敷に入る、父様とアルジャン子爵は2人での話があるらしいので別の部屋に行った。母様と僕は子爵夫人たちと来客室に向かう。


「ソフィア様にエドワード様、パーティー以来ですがお元気そうでなりよりです。今思い出してもとても素晴らしいパーティーでしたわ」


「そう言っていただけると嬉しいですね。パメラにクレアも元気そうで良かったです」


「エドワード様、お元気そうで良かったです。パーティーで出されたお料理があまりにも美味しかったので、最近はあまり食に関心の無かった父様が色々と領内でも美味しいものが食べられるように頑張っているので、エドワード様には感謝しています」


「アルジャン子爵がですか? 良い方向に変わって行ってるのなら、色々考えた甲斐がありました」


 挨拶を順番にしていった所で紅茶が出てくるので口をつける。


「美味しい……」


 今飲んだ紅茶は凄く美味しかった。まるでダージリンのような香りと味わいだ。


「まぁ、やはりエドワード様はあれだけの料理を考案なされているだけあって、味覚が鋭いのですね。今飲まれたのはプラータ特産の紅茶の中でも最上級のものになります」


「へぇ、プラータの特産は紅茶なんですね! 母様、後で買いに行きましょう!」


「全くエドワードったら、他の人の迷惑になるから買い占めてはダメよ」


「分かってます。ローダウェイクに帰ったらモイライ商会でも取り扱えないかエミリアに相談してみます」


「それがいいわね」


「エドワード様はモイライ商会と繋がりがあるのですか? 質の良い剣や宿泊先にあったタオルが買えると聞いてパーティーの帰りに寄ったのですが、良い服やアクセサリーなどが売られていて、ついつい買いすぎてしまいましたわ」


「エドワードがモイライ商会の会頭なのよ」


『えっ!』


 みんなビックリしている。


「一応会頭をやらせてもらっています。実際に店舗を回しているのは、エミリアという人物なんですけどね」


「そうだったのですね! 実はあの後何度か息子のヌースをローダウェイクへ買いに走らせているのですが、バスタオルがなかなか手に入らなくて……」


 何度かって凄く遠いよね? ヌースさん大変だな。


「そうなんです。タオルとバスタオルは数に決まりがあるので、なかなか購入することが出来ず。特にバスタオルは争奪戦が激しく、子爵家以下の貴族ではその争奪戦に加わるのも難しくて。何度か通ったおかげで、武器を作っているレギン殿に偶々お会いできて、店に並べられているものより少し良い剣を購入できたのは良かったのですが。バスタオルの品数をもう少し増やしていただけると助かります」


 レギンさんに店舗で出会えるって、ヌースさん運がいいんだな。あの人自分で販売しなくてよくなったら、鍛冶部屋籠ってるんだよね。


 しかし、バスタオルか……新しく作ったやつを空間収納庫に入れてあるんだけどな……母様の方を向くと、頷いているので、あげてもいいってことなんだろう。


「バスタオルを購入するために何度も足を運んでもらってるんですね。レギンさんは気に入った人じゃないと良い剣を売らないので、ヌース殿を気に入ったという事だと思いますよ。貴族の家格で買えないというのは知らなかったので、申し訳ないです。よかったら今ちょうど10枚持っているので、どうぞ」


 そう言って、空間収納庫から取り出し渡す。


「申し訳ございません。そういうつもりで言ったわけではないのです」


 催促したわけではないと必死に謝まり始める。分かっているのだけど、出し方が拙かったのだろうか。


「パメラ大丈夫よ。エドワードも催促されたと思ったわけじゃないから、安心してちょうだい」


「そうでしょうか?」


「もちろんです。何度も足を運んでもらったお詫びと、良い情報が聞けたお礼ですよ。でも、僕があげたことはナイショにしておいてくださいね」


「ありがとうございます。広げてみてもよろしいでしょうか?」


「もちろんですよ」


 パメラさんがバスタオルを広げると、グレースさんとクレアさんも触りに来る。


「バスタオルとはここまで大きいのですね!」


「お母様、使うのが楽しみです!」


 喜び方が凄いな。もしかしてパメラさんとクレアさんもタオラーなのか……。


 紅茶を飲み会話をしていると、父様たちが部屋に入って来て、アルジャン子爵がバスタオルを見つける。


「パメラ、その手に持っているのはもしや噂のバスタオルか?」


「はい、エドワード様のご厚意でいただきました」


「エドワード様、ヌースより大人気で手に入りにくい商品とお聞きしていますが、よろしいのですか?」


「構いませんよ」

「そうですか、私からもお礼申し上げます」

「いえ、ここまで喜んでもらえると嬉しいですね」


「そうなんです。パメラとクレアはタオルを枕に乗せて寝ているぐらい好きでして、バスタオルが手に入らなくてヌースが可哀想だったので、とても助かります」


 やっぱりタオラーなのね。


「第三王女のクリスタ様からもバスタオルより大きなサイズの物が欲しいと言われましたので、かなり人気みたいなんですね」


「「バスタオルより大きなサイズ?」」


 しまった! タオラーには言ってはならないワードだった!


「「エドワード様、今の話を詳しくお聞かせください」」


「クリスタ様のプライバシーに関わるので、全て話すことはできませんが、布団サイズぐらいの物が欲しいとの依頼でした」


「「布団サイズ!」」


 しまった! これもNGワードだった。これ以上口を滑らせることは出来ない! こんな時、言葉の匠ハリー・ヴァルハーレンならどう切り抜ける?


 僕の身体を流れるハリー・ヴァルハーレンの全遺伝子たちよ! 今こそ覚醒セヨ!



 覚醒しなかった……世の中そんなに甘くはないらしい。


「ローダウェイクに戻ってから出来るか検討しますので、完成してクリスタ様にお渡しした後でよければ送りましょうか?」


「「よろしいのですか!?」」


「いや、パメラとクレア全然よろしくないから。あまり贔屓されると他の貴族から白い目で見られるからな」


 そうか、そういう事もあるんだ。貴族って難しい。


「それは確かに困りますね。ではあなたこういうのはいかがかしら? エドワード様はうちの領の紅茶を大変気に入られたとの事なので、その中でも最高級の物を定期的にお渡しするというのはどうかしら?」


「紅茶ではモイライ商会の商品には釣り合わないだろうが」


「そんなことはありません! プラータ産の紅茶は素晴らしい出来なので、モイライ商会でもぜひ取り扱いたいです!」


「パメラが力を入れているのは知っていたが……まあそういう理由があるのなら問題ないのか?」


 子爵が父様の方を見ると父様が頷いているので大丈夫なんだろう。


 美味しい紅茶をゲットすることができてよかった。


 ちなみに、この辺りの魔物はアルジャン子爵がキッチリ倒したそうで、スタンピードの心配はないそうだ。

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