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第118話 スヴェートの町へ向けて

 オークの集落、つまり元盗賊の集落になるのだが、穴を掘って階段を作ったり大掛かりな事をやっていた割には大した戦利品は見つからなかった。

 階段を作ってさあこれから襲おう! ってタイミングでオークに襲われたのかもしれない。間抜けな盗賊と言いたいところだが、オークの集落というのは人間が作った集落を利用するため、オークの集落が森にあるということは大抵の場合そこに盗賊がいたことになるらしい。


 アーダム隊長の言った通り、オークキングを倒した所から移動すること1時間ぐらい経ったところで、休憩ポイントに到着する。

 ちなみに力作の螺旋階段は撤去しました。何かに使えそうだったのでそのまま収納したけどね。


「みんなお疲れ様、途中オークの襲撃があったけど、何とか予定のポイントに到着することができた。ここで予定通り昼食にしよう」


 父様の言葉にアーダム隊長が動く。


「さっき戦闘に加わった者から休憩に入れ! その他は警戒と休憩を交代で行うように」


 みんなが準備に取り掛かるので僕も準備を始める。パーティーの時に使った鉄板焼きセットを出すと火をつけて鉄板を熱していく。

 鉄板を熱している間にオーク肉をステーキサイズにカットして塩コショウしていくのだが。


「エディ、手伝うわよ」

「エドワード様、お手伝いいたします」

「エドワード様、私も早くお肉を食べたいので、お手伝いします」


 メグ姉、ジョセフィーナ、アスィミなんだが、最後のアスィミだけ心の声が漏れている。


「それじゃあ、オーク肉をカットして塩コショウしてもらえるかな?」

「分かったわ」

「「畏まりました」」


 鉄板の隅でロブジョンさん特製のステーキソースを温めながら、ステーキを焼き始めると。兵士たちが皿を持って並び始めたと思ったら先頭はアーダム隊長だった。


「お前たち! しっかり2列に並べ! 焦らずともみんなの分は確保してあるぞ!」

「ハッ!」


 お肉の焼けるいい匂いが広がり、アーダム隊長のお腹が鳴るので、アーダム隊長のお皿にステーキを乗せてソースをかける。


「はい、アーダム隊長」

「ありがたき幸せ!」

「エディ、私がそのソースをかけてあげるから焼くのに専念したら?」

「メグ姉ありがとう」


 兵士たちの分を次々焼いて行き、全員の分を焼き終わる。兵士たちからは大好評だった。

 兵士たちは終わったのだが、最後にお皿を持った父様と母様がいた。


「エドワード、僕たちの分もあるのかな?」

「お肉はたっぷりあるので大丈夫なんですが、まだお腹に入りますか?」


 兵士たちもそうだが、通常に用意された昼食プラスステーキを食べているので結構な量になる。


「しっかり食べたんだけど、お肉のいい匂いに負けたよ」

「私は3分の1の大きさでもらえるかしら? さすがにその大きさは入らないわ」


 兵士たちはよく食べるので、ステーキのサイズは通常の3倍くらいの大きさにしてある。


「それじゃあ焼きますね」


 父様と母様に焼いてあげると、後ろにいたメリッサさんとコレットさんも皿を持って並んでいた。メリッサさんはともかく、コレットさんが並ぶとは意外だと思ったが、よく見ると顔が少し赤いのでメリッサさんに連れてこられたんだろう。


「エドワード様、私たちもお願いします!」

「分かったよ、大きさはどうする?」

「そのままで問題ありません!」


 メリッサさんが答えるが、コレットさんも頷いている。みんな結構食べるんだな。

 4人の分を焼き終わると、ジョセフィーナやアスィミの分を焼き。その後メグ姉とヴァイスの分を焼く。ヴァイスの分はお代わりも見越して多めに焼いてあげた。


 みんなの分を焼き終わったので、自分の分も焼いて本来ここで食べる予定だったパンなどと一緒に食べ始める。

 ちなみにこのパンはエミリアさんの実家で焼いてもらっているパンだ。大公家用に特別なパンを焼いてもらっているのでとても美味しい。それにしても米はいったいどこにあるんだろうか、アシハラ国にも無いとなるとお手上げだ。


 ステーキを一切れ食べる。ロブジョンさんの作ったソースが絶妙だな、普通のオーク肉なのに以前食べたときより美味しく感じる。さすがに人数が多いのでオークキングを出すことは出来ないというか、まだ解体すらしていない。アーダム隊長らが解体しているとき、一緒に解体してもらえばよかったと少しだけ後悔している。


 お腹が満たされ休息も十分に取ったので、今日の目的のスヴェートの町へ向かう。


 スヴェートの町は王家直轄地になるのだが、カラーヤ侯爵領や、ジェンカー伯爵領、アルジャン子爵領など交通が不便な土地に住む人たちのために作られた中継地点用の町だそうだ。

 ジョセフィーナの話によると、なかなか活気のある町らしいのでとても楽しみにしている。


 オークキングとオークジェネラルを倒したのでレベルを確認してみる。


【名前】エドワード・ヴァルハーレン

【種族】人間【性別】男【年齢】7歳

【LV】3(New)

【HP】950

【MP】1545/1680

【ATK】840

【DEF】840

【INT】1220

【AGL】950

【能力】糸(Lv6)▼、魔(雷、氷、聖、空)

【加護】モイライの加護▼、ミネルヴァの加護、フェンリルの加護

【従魔】ヴァイス、ウルス

 

 3つも上がっていた。しかしオークキングとオークジェネラルを倒して3つというのは以前に比べると上がり方が落ちているのかもしれない。


 暇なので、糸を操る練習をすることにした。日々の鍛錬のおかげで、現在は8本まで自由自在に操ることが出来る。


 メグ姉たちがいるのでやらないが、太めのスライムの糸を使って動かすと触手みたいに見える。僕のイメージが悪くなりそうなので、人前では使えないのが残念なところだ。


「たくさんの糸を器用ね」

「いつも練習してるからね、なんとか8本までは自由に動かせるようになったんだけど、それ以上が難しいや」

「そんなに自由に動かせるなら、さっきステーキを焼いていた時に使えば一度にたくさん焼けたんじゃないかしら? 裏返すときに使ってた二股のフォークと同じことぐらいなら簡単にできそうじゃない?」


 二股のフォーク……ロヴンに作ってもらったカービングフォークのことだな。


「確かに僕の手も混ぜると5人分の働きができるかも。メグ姉ナイスアイディアだよ!」


 同時に動かす練習を毎日続けてたはいいけど、戦闘以外の活用方法は全く考えていなかったので、活用の場が増えて丁度いいかもしれない。


 こうして時間を潰しながら馬車に揺られること数時間、日も傾きかけた頃にスヴェートの町に到着したのだった。


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