お姉ちゃん
執筆の意図
低予算の自主映画でミュージカルを!
現在、演劇の世界では、小さな劇団が小劇場で上演している演目にはミュージカル仕立ての作品があり、歌、ダンスが有能な役者が数多くいるのにも関わらず、低予算の自主映画において、ミュージカル映画は、余り聞いたことがありません。なので、一度、挑戦しょううと思い執筆しました。
脚本について
この脚本は、数年前、余命宣告を受けていた、とある少女が、病床でブログに書いていた小説に私がインスピレーションを受けて書いたものです。
これを書くにあたって彼女に使用の許可をお願いした時は、大変喜んでくれて完成を楽しみしてくれていましたが、完成を待たずに彼女は亡くなってしまいました。お父様は、お通夜でこの脚本を彼女に読んで聞かせて頂いたとのことでした。この脚本は彼女には妹さんがおられるとの事でしたので、主人公を妹として、それを天国から見守る姉と言った構成にして「天国へ行っても心は永遠に家族や恋人と一緒だよ」と言うことをテーマにしました。
ここでの登場人物
平尾心音 (ここね 愛称ココ 20)
歌手を夢見ている和菓子屋の事務員
平尾早百合(さゆり 17)
心音の姉
ピアニストを夢見ている女子高生
リカコ (20)心音の親友 美容師
19 居酒屋の店先 夜
人々 行き交っている
20 居酒屋の店内
数人の客でガヤガヤしている
心音 リカコ 飲食をしている
心音 「せっかく ピアノ弾いてもらったのに
こんな事に なってしもうて ゴメン
なぁー」
リカコ「そんなんええって こっちこそ 子供の
時 いやいや ピアノ教室 行かされた
てたレベルやし でも 何か それ
吉本新喜劇みたいな話やな」
心音 「ほんまやぁー」
リカコ「で 楽譜 どないなったん?」
心音 ジョッキの生ビールを飲んで
心音 「郵送になった・・・」
リカコ「ふーん でも 今時 メールかライン
でもええのにな」
心音 「それ 無理かも・・・(と 生ビールを
ぐびぐびと飲む)」
リカコ「無理って?」
心音 微笑む
リカコ「でも その楽譜 返してもらわんと
あかんな パクられたら えらいこっ
ちゃあ で その居酒屋って なんちゅ
う名前なん?」
心音 「それがな よー覚えてへんねん 確か
えが付いたような・・・」
リカコ「え? 木屋町でえの付く居酒屋検索して
みたら?」
心音 「う うん そうする(と 生ビールを
ぐびぐびと飲む)」
リカコ「確か あの曲 ココのお姉さんが作った
曲なんやろ?」
心音 「う うん・・・」
21 回想 心音の家の居間 数年前
早百合 アップライトピアノで主題曲Liliyを
弾いている
心音 横に座っている
心音 「凄い! 凄い! この曲 最高やね!」
早百合「(弾くのを止めて)そやろ そやろ!
我ながら よーこんなん 作れたと思う
わぁー」
心音 「で 曲名は 何てゆうの?」
早百合「それが まだ 付けてへんねん」
心音 「ふーん なあなあ? 歌詞 付ける
気ある?」
早百合「どやろか?」
心音 「うち 歌詞 作ったげよっか!」
早百合「あかーん!」
心音 「なんでぇー 曲名はお姉ちゃんが
付けたらたらええし うちに歌詞
作らせてえなぁー」
早百合「あかーん!」
心音 ふくれて 舞の顔を見て
心音 「お姉ちゃん 鼻血!」
早百合「へー?(と 手を鼻に当てる)」
早百合の手 血が付いている
心音 「(舞にテッシュを渡して)そんな
鼻血が出るまで怒らんでも・・・」
早百合「(鼻にティッシュを当てて)ほんま
やな(と 微笑む)」
22 居酒屋の店内
心音 ぼーとしている
リカコ「ココ? ココ? ココ!?」
心音 はっとして我に返る
リカコ「何 ぼーとして」
心音 「うううん 何でもない・・・」
リカコ「でも その映画の人には 心証
悪いなぁ オタマジャクシがシシャモに
変わってんもんな(と シシャモを
食べる)」
心音 「う うん・・・」
リカコ「で その映画ってどんな話なん?」
心音 「あー 映画? 竜宮城から逃げ出した
乙姫様がお坊さんと恋に落ちる話なん
やて」
リカコ「乙姫さんとぼんさんのローマの
休日・・・ それも 何か 無理っ
ぽい・・・」
心音 「そやなぁ・・・」
リカコ「でも あの曲 使こてくれはったらええの
にな 何か 聴いたら 心を揺さぶられる
って言うの? ヒット 間違いなしや!」
心音 「う うん!」
音楽 始まって 心音 歌い出す 希望を
イメージした曲
リカコ 客達 うっとりして聴く
歌 終わる
リカコ「で 楽譜 当然 コピー とってあるん
やろ?」
心音 「コピー? とってない・・・」
隣の客 ジョッキを倒す
つづく