最終話 夢の続き
執筆の意図
低予算の自主映画でミュージカルを!
現在、演劇の世界では、小さな劇団が小劇場で上演している演目にはミュージカル仕立ての作品があり、歌、ダンスが有能な役者が数多くいるのにも関わらず、低予算の自主映画において、ミュージカル映画は、余り聞いたことがありません。なので、一度、挑戦しょううと思い執筆しました。
脚本について
この脚本は、数年前、余命宣告を受けていた、とある少女が、病床でブログに書いていた小説に私がインスピレーションを受けて書いたものです。
これを書くにあたって彼女に使用の許可をお願いした時は、大変喜んでくれて完成を楽しみしてくれていましたが、完成を待たずに彼女は亡くなってしまいました。お父様は、お通夜でこの脚本を彼女に読んで聞かせて頂いたとのことでした。この脚本は彼女には妹さんがおられるとの事でしたので、主人公を妹として、それを天国から見守る姉と言った構成にして「天国へ行っても心は永遠に家族や恋人と一緒だよ」と言うことをテーマにしました。
ここでの登場人物
平尾心音 (ここね 愛称ココ 20)
歌手を夢見ている和菓子屋の
事務員
川島智弘(25)元ミュージシャン
平尾早百合(さゆり 17)
心音の姉
ピアニストを夢見ている女子高生
藤井 (40代)音楽事務所の社長
リカコ (20)心音の親友 美容師
由美子 (50~60代)心音の叔母
坂本修 (26)智弘の友人
祇園の仏像ギャラリーの店主
沙也加 (20代)智弘の元カノ
祇園のホステス
和菓子屋の社長 男 (60~70代)
和菓子屋のパートのおばちゃん(50代)
162 野外フェス会場 一ヶ月後
大勢の客で盛り上がっている
163 会場の楽屋
心音 落ち着きがなく うろうろ
している
藤井 ペットボトルの水を差し出す
心音「(ペットボトルを 受け取って
かすれた声で)ありがとうござ
います 何か緊張し過ぎてるんか
声が・・・(と 周りを見渡して)
あれ? トモさんは?」
藤井 「また トイレ・・・」
心音 壁に向かって 発声練習をする
心音 「(振り返って)藤井さん どう
しましょ?」
藤井 「どうするって?」
心音 「何か 声が出ないんです・・・
あ あ あー」
藤井 「(微笑んで)これぐらいで ビビッて
どうするの!? 俺たちの目標は
世界なんだぜ!」
心音 「世界・・・」
藤井 「そう 世界! もう英語の歌詞が
出来上がって来る」
心音 「英語・・・ イングリッシュ・・・
ムリ ムリ! 私 英語 赤点でし
た・・・」
藤井 微笑む
智弘 やって来て
智弘 「あー スッキリした!」
藤井 「トモ ココちゃん 声が・・・」
智弘 「えっ?」
心音 不安な顔で うなずく
と どこからともなく 早百合の声がする
早百合(声)「ココちゃん! ココちゃん
やったら出来る! 私の妹や
もん! 頑張って! 頑張って
くれな 私 死んだ意味ないや
ん!」
心音 「(心の中で)お姉ちゃん・・
死んだ意味って・・・(藤井に)
でも! 大丈夫です! 私 頭悪い
し歌ぐらい歌わへんかったら 生き
てる意味ないもん!」
藤井 「あーよかった! いつものココちゃん
に 戻ってくれて! そうこなくっ
ちゃ!」
心音 智弘 微笑む
164 野外フェス会場のステージの袖
心音 智弘 藤井 立っている
前のアーティストの曲が終わる
藤井 智弘に
藤井 「アーユーレディ?」
智弘 うなずく
藤井 心音に
藤井 「アーユーレディ?」
心音「(うなずいて 心の中で)お姉ちゃん!
お願い! 助けて!」
藤井 「カモーン! レッツ ゴー!
(と 2人の背中を押す)」
心音 智弘 大歓声が響くステージへと
歩き出す
165 野外ステージ 夕暮れ
煌めくライト 静まり返った客席
心音 智弘 マイクの前に立っている
主題曲Liliyのイントロが流れる
智弘 歌い出す
心音(緊張した顔で)歌う智弘を見つ
める
心音のパートが来る
心音 思い切って声を出す 澄んだ声が
出る
心音 笑顔になる
智弘 笑顔になる
大勢の観客 笑顔になる
智弘 笑顔で心音を見つめる
心音 笑顔で智弘を見つめる
気持ちよく歌う2人
大勢の観客 うっとりとして聴いている
その中に 由美子 リカコ 修 沙也加
和菓子屋のパートのおばあちゃん
和菓子屋の社長
その他 登場人物達がいる
由美子 リカコ 和菓子屋のパートの
おばあちゃん 和菓子屋の社長
手を振る
心音 微笑む
修 沙也加 仲良く手を振る
智弘 不思議そうな顔をする
166 ステージの袖
藤井 スマホを耳に当てている
その横に 早百合(幽霊)が 立っている
藤井 「ブロードウェイ?! リアリイ?!」
早百合「よっしゃ!(と ガッツポーズ
をする)」
167 駅のホーム(叡電又は嵐電)
心音 智弘 白いユリの花束を持って
ベンチに座っている
168 踏切(叡電又は嵐電)
心音 智弘 白いユリの花束を持って
立っている
その前を電車が通り過ぎる
169 団地(又はアパート)へ続く並木道
心音 智弘 白いユリの花束を持って
歩いている
170 心音の家(団地又はアパート)の和室
智弘 仏壇の早百合の写真の前に
白いユリの花束を置いて
手を合わせる 心音も手を
合わせる
171 心音の家(団地又はアパート)のリビング
心音 智弘 入って来る
部屋の隅にアップライトピアノがある
心音 「(アップライトピアノに近づいて)
お姉ちゃん このピアノであの曲
作ったんです・・・」
智弘 アップライトピアノに近づて鍵盤を
数か所 指で押す
早百合の手 智弘の手に重なって鍵盤を押す
172 夜空に浮かぶ満月
173 リビングの窓際
心音 智弘 夜空を眺めている
智弘 「早百合さんと君の夢が叶って
よかった・・・」
心音 「夢は 見た人にしか 叶いません
から・・・」
智弘 「(うなずいて)でも まだまだ
僕たちの夢は終わらない あの曲を
早百合さんと3人で歌い続けよう!」
心音 笑顔で うなずく
主題曲Lilyのイントロが始まる
心音 智弘 歌い出す
174 リビングのアップライトピアノ
早百合(幽霊)歌う2人を見ながら
笑顔でピアノを弾いている
心音(声)「そして この後 私達は 夢の
ニューヨーク ブロードウェイ
へ 夢は 見た人にしか 叶い
ません 夢を 見ましょ!
おしまい!」
175 アップライトピアノの上に置かれた一本の
白いユリの花を挿した花瓶
音楽 被って
テロップ
この物語を最後まで夢を諦めないで病魔と
戦った ある少女に捧げます
エンドロール
176 鴨川の土手
エンドロール 終わって
心音 早百合 智弘
並んで座っている後姿
終わり
最後まで お読み頂きまして
ありがとうございました。




