告白
執筆の意図
低予算の自主映画でミュージカルを!
現在、演劇の世界では、小さな劇団が小劇場で上演している演目にはミュージカル仕立ての作品があり、歌、ダンスが有能な役者が数多くいるのにも関わらず、低予算の自主映画において、ミュージカル映画は、余り聞いたことがありません。なので、一度、挑戦しょううと思い執筆しました。
脚本について
この脚本は、数年前、余命宣告を受けていた、とある少女が、病床でブログに書いていた小説に私がインスピレーションを受けて書いたものです。
これを書くにあたって彼女に使用の許可をお願いした時は、大変喜んでくれて完成を楽しみしてくれていましたが、完成を待たずに彼女は亡くなってしまいました。お父様は、お通夜でこの脚本を彼女に読んで聞かせて頂いたとのことでした。この脚本は彼女には妹さんがおられるとの事でしたので、主人公を妹として、それを天国から見守る姉と言った構成にして「天国へ行っても心は永遠に家族や恋人と一緒だよ」と言うことをテーマにしました。
ここでの登場人物
平尾心音 (ここね 愛称ココ 20)
歌手を夢見ている和菓子屋の
事務員
川島智弘(25)元ミュージシャン
藤井 (40代)音楽事務所の社長
リカコ (20)心音の親友 美容師
由美子 (50~60代)心音の叔母
ラジオパーソナリティー 女
(20代~30代)
和菓子屋のパートのおばちゃん(50代)
和菓子屋の社長(60~70代)
113 心音の部屋 朝
心音のいびき
グォー グォー
由美子(声)「ココちゃん?」
心音のいびき
グォー グォー
由美子(声)「ココちゃん?
ココちゃん!」
由美子 ドアを開ける
由美子「ココちゃん!」
心音 寝ている
由美子「もう7時やで!
早よ 起きや!」
心音 目を覚まして
心音 「えっ? なな・・・
えっ! なな!」
心音 飛び起きる(髪の毛が
ぼさばさ)
114 玄関
心音 「いってきまーす!」
心音 ネコに
心音 「マロちゃん バイバイ!」
心音 慌てて出て行く
由美子「忘れもん ないかぁー?」
115 エレベーター前
1階にランプが灯っている
心音 「もう!」
116 団地(又はアパート)のらせん階段
心音 グルグルと回って降りて来る
117 下の駐車場
心音 建物から出て来る
由美子 階上から叫ぶ
由美子「ココちゃん! また 携帯
忘れてるー!」
由美子 スマホを階上から落とす
心音 受け取る
由美子「ナイス キャッチ!」
心音 「ありがとー! いって
きまーす!」
118 団地(又はアパート)の近くのバス停
バスが止まっている
心音 ダッシュで走って来て飛び乗る
119 和菓子屋の事務室
心音 慌てて入って来る
心音 「おっはようございまーす!」
× ×
心音 キーボードを叩きながら歌う
今日も頑張ろうをイメージ
した曲
社員達 踊り出す
120 和菓子屋の店先
心音 歌う
店員 客 踊り出す
121 音楽事務所 大阪
智弘 藤井 話している
心音 慌てて入って来る
心音 「おっつかれさまでーす!」
藤井 驚いて 持っていたコーヒーを
零す
心音 「(大きなため息をついて)危うく
また 江坂に行くとこでした!」
藤井 「(微笑んで)でも その元気な
ところは気に入ってるよ」
心音 「ありがとうございます!
私 頭悪いし 元気ぐら
い出さんと生きてる意味
ないですから!」
藤井 「そ そう・・・ それはそうと
こんどラジオ出るから」
心音 「ラ ラジオですかぁー?」
藤井 「関西ローカルだけど ゲストで」
心音 「やったぁー!(と小さくガッツ
ポーズをする)」
藤井 「それで 君のアーティスト名は
ココで行くから」
心音 「あっ はい・・・」
藤井 「ココ アンド トモ いい名前だ!
(と ドアを開けて出て行く)」
心音 「ココ アンド トモ・・・ 何か
漫才師みたい・・・」
心音 智弘 顔を見合わせる
122 和菓子屋の事務室 数日後
社員 パート従業員達 ラジオを囲んで
耳を澄ましている
123 美容室
リカコ カットしながら聴いている
124 心音の家
由美子 仏壇の前で ネコを撫でな
がら聴いている
早百合の写真 花瓶に差した一本の
白いユリの花
125 音楽事務所
藤井 ソファーに座ってコーヒーを
飲みながら聴いている
126 ラジオ局のスタジオ 大阪
心音 智弘 向かいにパーソナリティーが
座っている
心音 緊張している
パーソナリティー
「それではここで今日のゲストをご紹介
します 今日のゲストは 今 話題の
シンガーソングライターのトモさんと
今度 そのトモさんとココ アンド
トモとして デビューされる ココ
さんです 宜しくお願いします」
智弘 「宜しくお願いします」
心音 「よ よ・・・ 宜しくお願いしま
す・・・」
127 和菓子屋の事務室
社員一同 耳を澄ましている
パートのおばちゃん「ココちゃん
や・・・」
一同 うなずく
社長 大きな音を立ててドアを
開けて入って来る
一同 振り向いて 社長を睨む
社長 頭の下げる
128 美容室
リカコ カットしながら聴いている
129 心音の家(団地又はアパート)の和室
由美子 仏壇の前に座ってネコを
撫でながら聴いている
早百合の写真
130 音楽事務所
藤井 ソファーに座ってコーヒーを
飲みながら聴いている
131 ラジオ局のスタジオ 大阪
心音 智弘 向かいにパーソ
ナリティーが座っている
パーソナリティー
「それはそうとココさん どう
言った きっかけで
トモさんと歌われる事に
なったんですか?」
心音 「(事務的に)それはですね
この春にですね トモさん
の事務所のオーディションが
あって それに 見事 合格
したんですね!」
パーソナリティー
「へー そうなんですか!」
心音 「はい! うふふ・・
(と 作り笑いを浮かべる)」
智弘 「そ それは・・・ それは
違います・・・」
心音 驚いて智弘を見る
パーソナリティー
「(驚いて)と 言いますと?」
智弘 「実は Lilyを・・・ Lilyを
作曲したのは・・・作曲した
のは僕じゃないんです・・」
心音 智弘を見つめる
132 和菓子屋の事務室
従業員一同(社長も)身を寄せ
合ってラジオを聴いている
133 美容室
リカコ カットの手を止める
134 心音の家(団地又はアパート)の和室
由美子のネコを撫でる手が止まる
135 音楽事務所
藤井 コーヒーカップに口から離す
136 ラジオ局のスタジオ 大阪
智弘 「作曲したのは・・・
彼女のお姉さんなん
です・・・」
心音 智弘を見つめている
137 和菓子屋の事務室
一同 驚いて顔を見合わせる
138 美容室
リカコ カットの手を止めて
いる
139 心音の家(団地又はアパート)の和室
由美子 早百合の写真を見つめて
いる
140 音楽事務所 大阪
藤井 コーヒーカップをテーブルに置く
141 道頓堀の橋の上 夜
心音 智弘 道頓堀のネオンを
見つめている
心音 「あ ありがとう・・・」
智弘 微笑む
142 音楽事務所 大阪
藤井 座っている
心音 智弘 神妙に入って
来る
藤井 2人を見る
心音 智弘 頭を下げる
藤井 「まあ 座って・・・」
智弘 「はい・・・」
心音 うなずく
2人 ソファーに座る
暫く沈黙
藤井 「(大きくため息をついて)
どうして・・・」
智弘 「も・・・ 申し訳ござい
ません・・・」
智弘 心音 頭を下げる
智弘 「でも でも(心音を見て)
彼女と出会った以上
もう 黙っている訳には
いかなかったんです・・・」
暫く沈黙
藤井 「で ネット見た?」
智弘 心音 首を横に振る
藤井 「凄いことになってるぞ!」
智弘 「申し訳ございません・・」
智弘 心音 頭を下げる
藤井 「(微笑んで)何 勘違いし
てんの?」
智弘 「えっ!?」
心音 驚いて顔を上げる
藤井 「炎上どかろか みんな感動
してるよ!」
智弘 「か 感動?」
藤井 「そうそう! お前の勇気と
その正直なその態度にだよ!」
智弘 「・・・」
心音 目に涙を溜めている
藤井 「この曲のエピソードが聴いて
た人の心を動かしたんだよ!」
心音 智弘 顔を見合わす
藤井 「イケルで! この曲 イケルで!」
つづく




