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8. 襲撃

「クソッ!!!!! クソッ!!!!! クソがあああああああああああ!!!!!!」


 やられた。あの勝手にルミスに寄ってきた男に、彼女を盗られた。


「ちょっとシルバ! 暴れるのはやめて! 奴隷なんてまた買い付ければいいだけなんだから……!」


「黙っててくれ母さん!!!」


 そうだシルバ、落ち着くんだ……ルミスの代わりなんていくらでもいるじゃないか……ただちょっと可愛かっただけで、あいつは特別でもなんでもないんだから……

 だが、あの男………あの男の正義にまみれたような顔面を思い出す度、そしてそんな男にオレの所有物を盗られたことを認知する度、怒りの感情が込み上げてくる。


 椅子を投げ、壁を殴り、机の上の物を撒き散らす。そうやって、腹の中の屈辱と憎悪をなんとか発散するしかなかった。

 

 

 

 気づくと、俺は天井を見上げていた。どうやら暴れすぎて、疲れて寝てしまっていたらしい。時計を確認すると、もう午前四時を回っていた。

 

喉が渇いたーーー


あんだけ叫び続けていたのだ、渇いていない方がおかしい。

 俺はキッチンで水を飲もうと廊下に出る。


「……! 臭っ……!!」


 信じがたいことに、腐った魚の肉のような匂いが、辺り一面に充満していた。


 鼻をつまみながら、暗い廊下を進んでいく。


 にちゃぁ……


 足元に、奇妙な感触を覚える。窓から入る月明かりを頼りに、床を確認する。

「……血……!?」


 昨日見たやつか……!? しかし、明らかに量が違う。しかも、これは比較的新しい。


 何かおかしいーーー


 そうオレの本能が告げる。気づけば、足がガタガタと震えていた。


 まず、親の安否を確認しないとーーー


 キッチンではなく、母親の部屋へ向かう。

 血痕は母の部屋まで伸びていた。やっぱり母の身に何かあったんじゃ……

 意を決して、扉を開ける。


「母さん!!!!」


 そこにいたのはーーー 


頭をかじられた母親と、肉塊のバケモノだった。


『繧ー繧ケグゥ≠縺」キ帙∴うウ?し″縺励>』


「う、うああああああああああ!!!!!」


 全速力で逃げ出す。そして、父親の部屋に飛び込む。


「父さん!!!父さん起きて!!!!!」


「ん〜……なんだぁ〜……まだ夜……」


 寝ぼけていた父親の顔が一変する。後ろを振り返ると、“ヤツ”がもうそこにいた。


『縺ゅ?閼ア縺ああ“き%偵b縺?ク?莠コ逋コ隕』


「ぐああああああああああ!!!!!!!」


 右腕を喰われた……!!! もし避けるのが遅れていたら、確実に頭を……


 俺が痛みに悶えているうちに、奴はもう目の前に来ていた。


 終わったーーー


「うおおおおおおおお!!!!!!」


 奴が俺に狙いを定めているうちに、父親が背後から椅子で殴った。

 首らしき場所が勢いよく吹き飛ぶ。


 やったーーー


 だが、奴はすぐに頭を再生させて、父親へ噛み付いた。


「あああああああグググううあああああああ!!!!!!!」


「父さん!!!!」


「だ、だめだシルバ……お前は一人で逃げろ……」


 迷う暇はなかった。俺は欠けた右手を抑えながら一目散に逃げる。


 そして、父親が時間を稼いでくれたおかげで、なんとか家の外に出ることが出来た。


「はあ……はあ……何なんだ……アイツは……」


 一度立ち止まって、息を整える。

 父さんも母さんも死んだ……一体これからどうすればいい……?

 だが、俺はかろうじて生きている。まずは自警団を呼んで……


 段々と朝日が上がり、周りがよく見えてきた。


 


そして、絶望するーーー


 さっきの怪物が、あちこちで人を喰らっていた。


『『譚・う“区眠きき>螂エ縺シィSソ繧薙↑縺ァ蛻ア“#$%7医≧』』


 さらに、俺の存在に気づいたみたいだ。

 わらわらと奴らが集まってくる。オレはすぐに、囲まれてしまった。


「や、やめてくれ……殺さないで……アアアアアアアイダイイダイイダイイイイイイイイイイママアアアアアアパパアアアアアアアーーーー!!!!!!!」






『目を覚ませ……少年……』


「はっ……!」


 今、誰かに語りかけられたような……

 

 隣を見ると、まだルミスがぐっすりと眠っていた。


 ……何やら外が騒がしいような……?


 窓を開けて、外の状況を確認する。

 ―――! 明らかに人の流れがおかしい……まるで何かから逃げるように、大量の人間が一方向から走っている。

 彼らが逃げている方向を見ると、何かが燃えたのか、遠くの方で大量の煙が上がっていた。


 ただの火事――― そう捉えることもできるだろう。だが、明らかに、俺の直感はそうではないと告げていた。


「ルミス、起きてくれ」


「ん〜……はい?」

「俺たちは今からあの火事の原因を探ってくる。いいか、ここから一歩も出ちゃダメだ。もしも……前に話した怪物がいたら、速攻で逃げてくれ」


「……! はい」


 ルミスも、この状況を察してくれたらしい。


「じゃあ、行ってくる」


 部屋を出ると、リナとアデルートもすでに準備を済ませていた。


「…………行くぞ……!」


 俺たちは目的地に向かって、一斉に走り出したーーー


「面白かった!」


「続きが気になる、読みたい!」


「はよ更新しろ!!」


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