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つながり

一目惚れした先輩とのつながりを見つけた侑也はまず最初に「あの人の名前は何て言うの?」と平子に聞いた。


「山里昌美だよ」


平子は笑顔で侑也に答える。「山里さんかぁ~」と嬉しそうに侑也も笑顔を浮かべた。これで一目惚れの相手に一歩近づいた侑也は続いて「山里さんに彼氏はいるの?」と確信に迫る質問をする。すると、平子は「彼氏はいなかったと思うけどなぁ~」と少し考えながら答えた。


「今度山里さんに聞いてみるよ!」


そう答える平子に侑也は「ぜひお願いします!」と目を輝かせて彼の手を両手で握った。そして、次の日、侑也は学校で平子の元を訪れた。


「どうだった?」


彼氏がいるのかどうか早く知りたい侑也は平子にグイグイ迫った。「いないみたいだよ」と笑顔で答える平子に侑也は心躍った。


「彼氏がいない。これはチャンスだ。山里さんと付き合いたい!」


そう思いながら侑也は山里さんのことがもっと知りたくなり、「どんな男が好きなのかタイプを聞いて欲しい」と平子にお願いする。


すると平子は「じゃあさ、山里さんに少し侑也のことアピールしとこっか?」とニヤニヤしながら聞いてきた。これには侑也も心臓が高鳴った。


「大好きな山里さんに自分をアピール?嬉しい!嬉しすぎる!!!」


「お願いします!!!」


侑也は自分の存在を知ってもらうために平子にお願いした。平子も「まぁ自然な流れで『こんなヤツがいるんだよぉ』程度に話しとくよ」と答えた。


「何か山里さんから反応がもらえるかもしれない」


侑也はそう思い、ワクワクしながら次の日を待った。


次の日、侑也は急いで平子の元を訪れた。


「どうだった?」


侑也はどんな感じで山里さんに自分という存在が伝わったのか気になって仕方なかった。そんな侑也に平子は笑顔で「なんかわりと好感触だったよ」と答える。これを聞いた侑也は驚きで頭の中が真っ白になった。


「ヤバイ!嬉しい!ヤバイ!」


侑也はあまりの嬉しさにニヤニヤしている。そんな侑也に平子も「良かったじゃん!だったらさぁ、LINEのID聞いてみよっか?」とたずねてきた。これには侑也も心臓が今まで以上に高鳴り、まだLINEを交換していないにも関わらず頭の中はお花畑になっていた。


「お願い!お願いします!ほんとにお願い!!!」


目を輝かせながら大声でお願いしてくる侑也を見て平子も嬉しそうに「いいよ」と答える。侑也は完全に舞い上がっていた。平子と別れたあとも頭の中は「山里さん」一色になり、まるでもう自分の彼女になったかのような錯覚に陥っていた。


何をしているときも彼女のことを考え、ドンドン「好き」という想いがこみ上げてくる。じつは侑也はこれまで女性と付き合ったことはあったが、自分から告白したことは一度も無かった。


また、自分から女の子のことを好きになったことも無かった。彼にとってこれは人生で初めて自分から女の子を好きになった「初恋」ともいえる感情。衝動的に突き動かされていることには気付きもせず、ただただ彼女に夢中になっていた。


「好きすぎる!」


そんなことを思いながら1日を過ごし、次の日は土曜日で学校は休みだった。この日、彼はクラスで仲の良い友達「ジュン」と一緒にカラオケに来ていた。


「昨日さぁ、山里さんのLINEを平子に聞いてもらったんだけどどうなんだろ?」


侑也は山里さんのLINEIDを手に入れられるかどうか気になってソワソワしていた。


「たしかにどうなるか気になるな!でも大丈夫なんじゃない?」


不安そうな侑也にジュンが肩を叩きながら優しく答える。


「でもさぁ、全然知らない、しかも年下の男子がLINEなんか聞いて本当に教えてくれるのかな?」


先程よりも不安そうな表情を浮かべる侑也。


「いやいや、そんなことねーよ!だって自分がもし全く知らない年下の女の子からLINE聞かれたとしたら嬉しくて教えちゃうもん。」


ジュンは頷きながら答える。


「まぁ、たしか・・・。俺も逆の立場なら嬉しくて教えちゃうな」


侑也はジュンの言うことに納得するとそのまま2人でカラオケを楽しんでいた。すると、侑也のスマホが鳴る。


「ん?」


スマホ画面を見た侑也は固まった。スマホにはLINEの通知があり、その相手なんとは平子。「もしかして・・・」と期待に胸を膨らませながらも恐る恐る彼からのLINEを開いた。


「教えてあげてもいいって」


侑也はLINEを開いた途端にその言葉を見て頭が真っ白になった。途端にとてつもない喜びがこみ上げてきて「ヨッシャー!!!!」と大声をあげる。それを見たジュンもすぐに悟ったのか「よかったじゃん」と笑顔で声をかける。


侑也は喜びあまり返信することも忘れて1人燥いでいる。ジュンはそんな侑也の体を揺すりながら「おい!早くLINEID聞けよ!」と催促してくる。「あぁ、そうだった」と侑也は少し冷静になり山里さんのLINEIDを平子に聞いた。


「ヤバイ!嬉しすぎる!」


侑也は有頂天になった。まさに幸せの絶頂。これまで経験したどんな喜びよりも彼は嬉しかった。ちょうどその時、外には木枯らしが吹いて冬の訪れを告げていた。

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