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第十一話


 スパーダで斬る前にテレポートをした敵を見て、俺は確信した。ようやく落ち着いた神代を見て俺は行動に出る。


 「神代、落ち着いて聞いてくれ。この試合、試合前から完全に仕組まれている。」

 先程まで普段とは全く違うテンションで暴れ回っていた神代は肩で息をしている。


 「ど、どういうこと?」


 「秋城の話だ。吉良点豪はサボってなんかいない。しっかり真面目にこの試験に出場している。」


 「いやでも、秋城がFクラスの生徒が話してるって」


 「冷静に考えろ。次に対戦するであろう秋城の前でそんな重要な話をすると思うか?」


 「あっ。」

 神代も気が付いたようだ。そもそもトイレであろうとどこであろうと重要な試験の対戦相手に情報を漏らすとは考えづらい。つまり、1年Fクラスの生徒は秋城に敢えて誤った情報を掴ませ、俺達を欺こうとしていたのだ。


 「恐らく、敵チームの誰かが吉良を俺たちから見えないようにできるアウラを発動させている。そう考えれば、先ほどの敵の瞬間移動も納得できる。」

 

 「でもそれじゃあ…」

 ふと神代は敵陣の奥を見る。敵は1人しかいない。


 「もしかして秋城たちが危ないんじゃ…」

 神代は軽く動揺している。自分の攻撃が敵に全く効かなかった上にこの状況だ、無理もない。


 「そうだな。きっと今頃秋城たちは吉良の座標移動能力で瞬間移動した敵に襲われてるかもな。」


 「じ、じゃあ助けに!」


 「安心しろ。秋城は大丈夫だ。あいつ自身の実力も疑ってないが、何しろ側には無野がいる。無野はアウラのお陰で視野が360°あるはずだ。危険は察知できる。」

 無野自身は気づいているかは分からないが、彼女のアウラは敵の察知や、情報取集などでかなり役立つ優秀な能力だ。

 秋城も戦闘能力なら学年でも屈指だ。そう簡単にはやられないだろう。


 「でも、私たちどうすれば…。」

 情報戦で敗れたことも神代にはどうにも効いたらしく、冷静さを失ってしまっている。


 「落ち着け神代。俺たちがやる事は一つ、吉良点豪を倒して試験を終わらせることだ。」

 

 「八神君…、八神君って凄い頼もしいのね。」

 

 「そうか、神代に頼ってもらえるなら俺もまだ捨てたもんじゃないな。」

 あの天下七家の正統な跡継ぎである神代にそう言って貰えたのは誇らしいことだと本当に思っている。

 

 「そうやって適当なことばっかり言うのね。でも、ありがと。お陰で冷静になれたわ。」

 すぅっと神代は深呼吸する。


 「さぁ、吉良君を倒すわよ!八神君も準備はいい?」

 新たにスイッチが入ったかのように、天下七家、神代来夏が動き出した。


 「ああ。」

 俺も一人のチームメイトとして神代に応える。

  

◆◆◆


 一方Fクラス陣営では…。


 「どうやら一人やられてしまったようだね。」

 吉良点豪は一人かけてもなお、冷静さを保っている。


 「僕があいつらから視認されない以上、有利性はこちらにあるよ。」

 吉良は負けない自信があった。場外戦で見事に秋城を騙すことに成功し、なおかつ神代来夏の電撃に対抗できるアウラ「絶縁身(インスレーター)」を持つ不動祐作が仲間にいる。唯一懸念していた秋城の戦闘能力だが、秋城一人ならば残り3人でかかればどうと言う事はない。


 「それじゃあ僕たちも行こうか。」

 神代を翻弄して戻って来た不動ともう一人の仲間を連れて、吉良は500メートル離れたHクラス陣地へ突撃する。

 神代ともう一人の敵が見えてきた。神代が攻撃体勢に入った瞬間、吉良はアウラ、座標支配で、自身以外の2人を秋城のところへ飛ばす。

 

 一瞬で消えた2人を見て戸惑ったのか、神代たちは顔を見合わせあっている。

 後はもう一人の仲間の異能、人体透過で敵から見えていない俺が2人を通り過ぎれば一気にチェックメイトだ。

 ここから秋城たちまでは訳250メートル程、2人が戻っているころには試合のブザーが鳴っているだろう。


 神代は一目散に自陣へ戻っていく、もう一人はどうやら呆然としているようだ。


 吉良はもう一人の男子生徒の隣を通り過ぎようとする。

 あばよ。これでお前らはお終いだ。


 「んぐっ!」

 唐突に吉良の足元のバランスが崩れた。グラウンドに転げ落ちる。

 …ヤバイ、今ので音が聞こえてるかも…。その前に何故普通に走っていた自身がバランスを崩して転んだかを検討する。

 ふと、後ろを振り返ると、左足を伸ばして鋭い眼光で吉良を見つめる男子生徒がいた。

 …おかしい。奴には俺は見えていないはずだ。それなら偶然か?だとしたら何でこっちを見ている?


 すると次の瞬間、凄まじい重みをはらんだ蹴りが吉良の胴体目掛けて直撃した。

 

 


 本作を読んでいただき誠にありがとうございます。

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