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第六話


 先ほどのボロ部屋とは一転、練習場は敷地も広く、隊員たちがケガをしないように設備も整っている。


 「ルールはどうするんだ?」

 俺は訓練用の木刀を素振りしながら凪沙に尋ねる。


 「どうしよう、相手を降参させた方が勝ちでいいんじゃない?」


 「わかった。それじゃあよろしく頼む。」

 この手合わせでは雲部が審判をしてくれることになった。


 「任せて。それじゃあ2人とも準備はいい?…よーい、始めっ!」

 

 開始の合図が聞こえた途端、日吉は凪沙にむかって斬りかかる。しかし、凪沙はそれを横にも後ろにも避けない。

 上に避けたのだ。

 

 「いつ見ても凪沙のアウラは羨ましいのう。―祝福の翼―単に翼が生えるだけじゃが、空を飛べるアドバンテージと、翼を用いたスピード感のある攻撃は圧倒的じゃ。」


 「剣を振り回してるだけじゃ、私には勝てないよ!」

 凪沙は上空から槍で日吉を狙う。日吉はそれを後ろに避けた。

 だが、間合いが木刀の倍近くある槍での空中攻撃により、日吉は茫然一方となった。

 凪沙は槍で突きながらも蹴りで牽制する巧みな攻撃を使った。突きを木刀でいなしながら日吉は蹴りに来た足を捕まえる。そのまま地面に叩きつけようとした途端、足元に異変を感じた。

 地面から足が離れていく。なんと、凪沙は日吉に足を掴まれたまま、空を飛んでいるのである。

 あまりの勢いで日吉は足から手を離すタイミングを失ってしまう。

 どんどん高度が上がり20メートル上空まで到達した。


 「さぁ、これで八神も詰みじゃない?こんなところから落ちたらひとたまりもないよ?」

 日吉を凪沙が挑発する。その瞬間。


 「痛っ!いたたたた!」

 日吉が掴んだ凪沙の足に激痛が走る。日吉のアウラ感覚制御(オーバーセンサー)だ。


 「はな、離しなさいよ!いたたたた!」

 凪沙は足を振り払いながら槍で日吉を突いていく。しかし、その突きを日吉は木刀で上手く受け続ける。


 「ぐっ!痛い!もう無理だぁぁ!」

 

 「降参か?」

 勝負あった。日吉が確信したその時、

 落ちた。唐突な落下である。しかも凪沙も一緒に。


 「凪沙!あんな上空で翼閉じちゃったよ!」


 「じゃがこれで決着はついたのう。」

 2人同時に地面へ急降下していく。


 「降参だ。」

 日吉がそう言った瞬間、凪沙はにっと笑い、もう一度翼を生やした。

 2人が無事着地するのを確認して、雲部が「日吉君の降参により凪沙の勝ち!」

 と宣言した。


 「完敗だ。」

 実際は空に一緒に連れ出された時点で詰んでいた。翼を自由に扱える凪沙と空中戦にしたのがいけなかった。おまけに最後は俺が凪沙にぶら下がっている状態での急降下だ。地面に激突した際にどちらがダメージを受けるかは自明だろう。


 しかし、凪沙は真剣な目つきでこちらを見つめる。

 

 「そんなことないでしょ。実際、木刀だったからこっちが勝っただけ。私の翼を知った以上、2回目以降は警戒されちゃうし。」


 「確かに、真剣だったら凪沙の足や翼が斬り落とされていたかもしれんのう。」

 よく見ている。さすが1部隊を任せられる隊長ってところか。

 

 「悔しいけど、あんたのことは認めるわ。あんな凶悪なアウラよくも使えるわね。死ぬほど痛かったんだから。」

 まぁ痛覚をかなり引き上げたから、普通の人間だったら気絶ものだろう。


 「いや、俺も正直驚いた。同世代でここまでやる奴がいたなんてビックリだ。白銀の守り人(ホワイトナイツ)も捨てなもんじゃないな。」


 「認めてもらって何よりじゃ。お互い怪我もないようじゃし。」

 

 「日吉君、実戦でも期待してるよ。」

 雲部も俺のことを認めてくれたらしい。


 まぁ、単なる手合わせだ。俺もあちらも本気の本気と言うわけではなかっただろう。でも負けてしまったのはかなり悔しい…。

 

 「ちなみに白銀の守り人(ホワイトナイツ)では他にも実戦で強い人間はいるのか?」


 「いっぱいおるぞ。もちろん凪沙も強い方ではあるが、各隊の隊長クラスはやはり別格と言えよう。」


 「樹蔭もか?」

 隊長なら樹蔭もそうだろう。


 「ワシは大したことはない。美の色彩(カラービューティ)というアウラで色を自由に変えられるだけじゃ。」

 

 「そんなー、もみちゃんも十分強いじゃん。照れなくてもいいのに。」

 雲部は樹蔭のこと大好きなんだな…。


 「単純な強さじゃとやはり副隊長の円城寺や一番隊の和倉あたりじゃろうか。後は…、七番隊の弓波かのう…。」

 

 「和倉さんは有名だよね。3年前、和泉野宮学園を主席で卒業したエリート中のエリート。でも私、和倉さんあんまり得意じゃないんだよなぁ…。」

 雲部が苦手だなんて、和倉はそんなにヤバイ奴なのだろうか。


 「桐生や可愛の実力も気になるな。」

 俺を看病してくれていた2人も隊長である分、かなりの実力があるのだろう。


 「あの2人は、その…、イロモノだよね。」

 

 「まぁ特に可愛はイロモノじゃ。」

 いや、樹蔭も結構イロモノだと思うが…。


 そういうと樹蔭が泣いちゃいそうなのでやめておいた。


 

 本作を読んでいただき誠にありがとうございます。

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