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転生の時に会う女神様に一目惚れした俺の告白ループ

異世界転生で出て来る女神とおれ。 @短編その12


「女神様!!俺、貴方に一目惚れです!!」

「?!!」←絶句


初めての異世界転生で、俺は彼女に心を奪われた!!

そう、彼女は・・転生の女神!!そしてここは転生の空間。正式名は知らんけど。


女神は転生するにあたって、いろいろな要望とか、その世界の説明だとかしてくれるお方。

漫画や小説なんかでよくある設定だと思っていたが、俺が転生者になるとは!

そして登場したのが、金髪碧眼の超ド級の美女!!年齢は多分25くらい?

しっとり落ち着いた佇まいだったんだ・・・ちなみに俺は享年31な。



「あなたの転生先ですが」

「俺、あなたが好きです!!」

「転生「俺の彼女になってください!!」

「あの「俺、あなたのために努力します!!」

「「この通り!!お願いします!!まずは友達からでいいです!!」

「女が「人の話を聞きなさーーーいっ!!」


あ、怒った顔も綺麗・・・

本当綺麗な人だな・・・恋人には無理か。俺のスペックが・・って、俺の体、影みたいになってる!

死んだの火事だったからか?!だからか!返事をしてもらえなかったのは!!


「・・・・・・・です。わかりましたか?」

「え?はぁ」

「では、転生をします・・」

「あ!ちょっと待って!!返事を「行きなさい!!」



・・・という訳で、ちっとも聞いてなかった俺は、チャランポランな状態で転生したのだ・・・

ちょっと苦労しちゃった!暫くステータスが見れなかったよ!

最初に跳ばされたのは、元の世界のヨーロッパの中世みたいな所。

この世界には魔法が無かった。チェ。魔法使ってみたかったのに・・・


俺は王都の商家に生まれた。

父親に仕込まれ、商人として生きた。

結構な金持ちになったが、無実の八つ当たりで殺されて命を落とした。

享年31歳。おお、前世と同じ歳で死んだよ。





「・・あれ?」

「まあ!」


ここは・・・転生の空間!!そして・・女神様!!

え・・・と。おお!!今回転生した体でここに来た!!結構イケメンでしょ?

この顔、女神様好みかな?


「うわ!また会えました!!女神様!!俺の顔どうです!」

「ま、まあ・・・こんなこともあるのね・・ようこそ転生の間へ・・顔、ハイハイ」


あ。反応薄っ。


「やっぱり綺麗だな!!転生先でも、女神様以上の美人にはお目にかかれませんでしたよ!」

「あ、はい・・二度目なので説明は省きます」

「前はちゃんと聞いてなかったから最初は苦労したけど、もう手順は覚えてます!」

「そうでしょうね・・スキルで希望はないですか?」

「え!スキル選べたの?」

「あなた何度聞いても返事がなかったので、こちらで選びました」

「あはは!!女神様があんまり綺麗で、ポーーッとしちゃって!」

「・・・・どんなスキルを望みますか?」


女神様が指し示す空間に、ステータス画面が現れた。


「えーと。じゃ、魔法が使いたいです!」

「了解しました・・では「女神様!俺、転生先で頑張ってきます!待っててください!」

「・・・では転生します」

「行ってきまーーす!あなたに相応しい男になって帰ってきます!!」

もうくるなーーー・・・微かに聞こえた・・




次の転生先は、巨大な尖った柱がニョキニョキと生えた殺伐とした風景。

魔法が何をするにも必要な世界で、俺はごく普通の才能しか無い魔法使い見習い。

でも頑張った。

今まで現生でも、前の転生でもここまで頑張らなかった。

本気で頑張った。

そしてここ『魔法の石城』の魔法使いの4人衆、『赤の魔法使い』に抜擢された。

だが外国の魔法使い達と戦い、命を落とした。享年31歳・・・また!!




「ただいま帰りましたーーー!!」

「きゃあ!!」


驚かれてしまった。また来ちゃったからね。というか帰りましたって言っちゃった。

今回はちょっと根暗顔です・・アピールせんどこ。


「これはもしや、運命?(トゥンク・・)」

「やめてちょうだい!!怖いわね!!どうなっているの?」

「そりゃもう、運「やめてーーー!!」


怒られちゃった。自分に当てはめると、確かに怖いな。

でもまたあの美しいお姿を見られて俺は感激だぜ・・

商人、魔法使いと極めています、俺。次は何になろうかなーー。


「次は戦士か騎士で!強くなってきますよ!!あなたのために!!スキルは剣特化で!!」

「もう、いいから!行きなさい!!」

「行ってきまーーす!!またスキルアップしてきまーーす!!」

「だまらっしゃい!!」





剣の世界。

という事で、中世よりも数百年前の時代に来た。

銃も大砲も無い、原始的な武器ばかり。

剣はエリート中のエリート、もしくは貴族しか持てなかった。

俺は平民からのし上がって、武勲を立てて、褒美に剣を師団長より賜った。

師団長と共に戦場を駆け巡り、国を守った。

師団長はやがて将軍まで上り詰め、俺も一緒に昇進して師団長になっていた。

だが敵兵の卑怯な矢が将軍を襲う。それを庇って、俺は死んだ。享年31歳。





「お待たせしました!!ただいま帰りましたよ!」


今度は筋肉キャラ。ちょっとムキムキ。アピールやめとこその2。


「あ、うん・・お帰りなさい」

「うわ!歓迎された!お帰りって!」

「違います!もう何度目・・多分ここに戻って来ると思っていました!」

「女神殿の御姿再び見る事が出来て、私は感激であります!あ。騎士口調になってしまった」

「騎士だったせいか、キリッとしているわね」

「はい!益々自分が成長したことを実感します!・・ところで女神殿」

「なんでしょう」

「私、何故毎回毎回31歳で死亡するのでしょうか」

「そうね・・そのせいでここに戻ってきてしまうのかも知れないわ。早速調査を」

「では私、次の希望スキルは武術向上で!!」

「ハイハイ・・はぁ・・行ってらっしゃい・・」

「あなたのために!もっともっと強くなって来ます!!では御無礼!!」





今度の転生先は、遠浅の海が望める島。

ここには有名なタートルハーミットが住んでいる。彼に師事し、武術を学んでいるのだ。

10歳までここで修行し、島を出て冒険をしながら武術を極める日々。

そして世界武術大会で見事5連覇を成し遂げ、島に戻るもタートルハーミットが何者かに殺されていた!

師匠を殺した犯人を追って数年、遂に犯人を見つけて一対一の戦い、相討ちで俺は死んだ。

またも享年31歳。




女神side >>



そろそろ帰って来る頃かしら・・ああ、来たわ。


「お帰りなさい」


今回は程良い筋肉の武闘家ですね。あら。これは気に入っていないのかしら?

アピールタイム、とか言いそうだったのに。くす。


「なんと!!先に挨拶をしていただけた!!もしや俺に惚れて「もう慣れです、慣れ」


全く・・・お調子に乗りすぎ。


「あはは!それでも嬉しいですな!ただいま帰りました・・すぐ行きますが」

「そうだ。あなたがいつも享年が31歳なのを調べましたが」

「はぁ・・・それで?」

「何かあなたが悔いを残しているのではないか、と思われます」

「悔い、ですか。そうですねー・・悔い・・・ありまくりですね」

「それは?」

「恋人、奥さんが出来なかった。多分それです」

「まあ・・・転生先で、出会いはなかったのですか?」

「そりゃ・・無いことはなかったんですよ」


ちくん

胸の奥が、微かに痛みました。


「でも・・・あなた以上の方がいなくて」


とくん

痛みとは違う何かを感じました。なんだか胸があったかいです。


「私は面食いですからねー!あなたのことばかり考えていました!」


彼はニカッと笑いました。


「でもまだ私はあなたに相応しく無い。もっともっと、頑張ります!」


そしていつものゲートに歩いて行く。


「次は僧侶のスキルで!それでは行ってきます!」

「・・行ってらっしゃい」





彼が次に転生したのは、何十年も戦争を続けている戦地だった。

僧侶の見習いだったが、ちょっとでも回復呪文が使える者は、子供も駆り出された。

あちこちの戦地を転々とし、負傷した兵を治し続けた。

そしてある日、彼は開眼したのでした。

大僧侶として、更に大勢の人々を癒し続け・・・

彼は遂に祝福され・・・天に召されたのです。享年()()()

多くの人々を癒し続け、力を使い果たしてしまったのです。






「お帰りなさい」


だが彼は返事をしません。

今回はすごく綺麗な美青年だったんですね・・

眠るように横たわる彼の傍に寄り、私は彼の頭を抱きしめます。


死んでしまった。

本当に、今度こそ逝ってしまった。


今度戻ったら・・彼に・・・


「聞かずに死んでしまって・・」


ポタポタと涙が溢れる。

彼の顔にも、滴がポトポトと滴る。


彼の元気な声は、もう二度と聞けない。


「?!」


腕の中の彼が、ゆっくりと消えていく。

頭の重みも、感触も消え、存在そのものが消失してしまった。


「あ。ああ・・・あああ!!だめ!!消えないで!!消えないでぇ!!」


彼の頭を持っていた腕の格好が、彼が先程までいた証明。


「・・・逝かないで・・・」


床に座り込み、背を丸めて泣き続け・・・



「女神殿」

「!」


振り返ると彼が微笑んでいます。僧侶の姿で、すごく美青年な彼です。

背中には両翼が。まあ、これって・・もしや・・


「職業全制覇、神格を得る事が出来ました!これでお仲間です。あなたに求婚出来ます」



私は拗ねて彼の顔を見ずに明後日を向いているけれど、どうやら彼はニコニコ笑っているようで、私を慰め、謝って。

最後にはちょっと強引に抱きしめられました・・・





『転生の空間には、仲睦まじい男女の神々がいませり』



ほぼ毎日短編を1つ書いてます。随時加筆修正もします。

どの短編も割と良い感じの話に仕上げてますので、短編、色々読んでみてちょ。


pixivでも変な絵を描いたり話を書いておるのじゃ。

https://www.pixiv.net/users/476191

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― 新着の感想 ―
[良い点] すごく面白いです! 定期的に見たくなるお話です! 最後の女神からの主人公への視点がとても切なくて凄く引き込まれました。
[良い点] 好きな話です!!!(小説冒頭と同じ勢いで) 新着の短編小説からお邪魔しました。 主人公に対する女神様の好感度メーターが見えるわけでもないのに上がっていくのがわかってニヤニヤした後に、個人…
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