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魔法使いマネヒコのマネーマジック

作者: エドゴン

【1.序章】


マネヒコは両親との3人暮らしをしています。大学を卒業したマネヒコですが仕事を探そうともせず、いわゆるニート生活を3年間しています。お小遣いを両親から毎月1万円もらっていますが、少ないと感じています。父親が働いていて、世帯の収入はそれだけで少なく、マネヒコを育てるのも金銭的に大変でした。


マネヒコ「今日も暇だな」


暇な生活を続けるマネヒコ。ある日、父親に呼ばれました。父親の元に行くと、父親は何やら怒っている様子でした。


父親「マネヒコ!いつまでぐうたらしているんだ!もう大学を卒業して3年も経つんだぞ。仕事を探してこいよ。家計も楽じゃないんだ。お前も働いて家にお金を入れたらどうだ?」


マネヒコ「無理だな、今はそんな気になれない。」


バシン!!マネヒコは父親にビンタされました。


マネヒコ「いてぇな!何するんだよ。」


父親「お前は我が子ではない。出ていけ!」


マネヒコは家を飛び出しました。その様子を見ていた母親がマネヒコを追いかけます。


母親「マネヒコ!」


母親の声を聞いたマネヒコは走るのをやめました。


マネヒコ「なんだよ。あんな父さんとは生活できない。」


母親「父さんもマネヒコのことを心配して言ってくれているんだよ。とりあえず家に帰ろう。行くあてもないでしょ?」


マネヒコ「仕方ねぇな。父さんとは口をきかないからな。それと小遣い上げてくれよ。1万円じゃ生活できない。」


マネヒコは母親のおかげでなんとか踏みとどまって家に帰りました。


【2.夢の中で魔法を伝授】


父親にいつも怒られているマネヒコは、仕事をしないことはそんなに悪いことなのか?と思っています。ニートなんて世界中たくさんいるじゃないか。父さんは俺のことを全然わかっていない。


父親に反発をし、ぐうたらな生活をしているマネヒコは生活リズムも乱れ、起床時間も昼過ぎになることが多くなっています。


そんなある日、マネヒコは夢を見ました。


???「我はエドゴン!夢を与えるもの。」


マネヒコ「これは夢か?」


エドゴン「夢であり、現実である。」


マネヒコ「俺に何の用だ?」


エドゴン「マネヒコよ、お前に魔法を授ける。この魔法は夢を見れるが使い方を誤ると大変なことになる。お金とは怖いものぞ。」


マネヒコは夢から覚めました。


マネヒコ「夢だったのか?」


マネヒコは目の前に置いてある紙切れを手に取り、そして読んでみました。


手紙「魔法の名はマネーマジック。そなたにお金をもたらす。1ヶ月に1度だけ使える魔法である。使いたい時はマネーマジック!と唱えよ。」


どうやら先ほどの夢は、ただの夢ではなかったようだ。


【3.マネーマジックの虜に】


早速、マネヒコはマネーマジックを唱えて見ました。


マネヒコ「マネーマジック!」


マネヒコはなんだか恥ずかしい気分になりました。


マネヒコ「何も起きないじゃないか。やっぱりただのインチキか?」


マネヒコはマネーマジックのことは忘れ、散歩に出かけました。


マネヒコ「今日は公園でのんびりするか。」


しばらくのんびりしていると喉が渇きジュースが飲みたくなってきました。自動販売機でジュースを選び、ボタンを押し、お釣りを取ります・・・なんと手には510円!


マネヒコ「え?500円が入っていた?」


なんとマネヒコはマネーマジックのお陰で500円をゲットできたのです。


マネヒコ「これはマネーマジックのお陰?まじかよ!来月は何をもたらしてくれるのか今から楽しみだな。」


マネヒコはニート生活でしたが、楽しみを見つけられた気分でした。そして次の月、マネヒコは作戦を考えていました。


マネヒコ「マネーマジックを唱えてからパチンコに行けば大当たり確実!」


マネヒコはマネーマジックを唱えた。


マネヒコ「よし、パチンコだ!」


マネヒコはパチンコに行き、そして予想通り大当たりが出ました。5万円の勝ちです。


マネヒコ「それ見ろ!大当たりが出たぞ。5万円の儲け。マネーマジックって楽しいな。」


次の月は競馬の万馬券で10万円、次の月はFXで20万円、マネヒコはマネーマジックの虜になりました。


マネヒコ「マネーマジックすげえ。もらえる金額も増えていっているし、来月はもっとお金をもらえるぞ。これで俺は大金持ちになれる、働く必要がなくなったな。」


【4.犯罪に巻き込まれ・・・】


次の月、マネヒコはマネーマジックを唱えました。


マネヒコ「今回は何が起きるのか、どのくらいお金がもらえるのか楽しみだ。」


しばらくして、玄関のチャイムが鳴りました。


マネヒコ「どちら様ですか?」


???「警察です。」


まさかの警察。もしかしてマネーマジックで金儲けをしているのがバレて捕まるんじゃないかと一瞬ドキッとしました。


警察「マネヒコさんですか?」


マネヒコ「そうですが。」


警察「大変です。先ほど橋の上で強盗がありました。被害者は刺され救急車で運ばれました。財布にお金が入っていなかったのでどうやらお金目当ての犯行。被害者はこちらに住む2名でした。」


マネヒコは愕然としました。


マネヒコ「父さんと母さんだ。どうしてそんなことに。」


マネヒコは病院に駆けつけました。そして1時間後・・・


医師「最善を尽くしましたが、お二人とも息を引き取りました。」


【5.マネーマジックなんていらない】


今回の犯罪はマネヒコにとって大変辛い出来事でした。マネヒコは両親の葬式を行い、遺品の整理も始めました。


マネヒコ「父さん、母さん・・・いくらなんでも早すぎるだろ。」


マネヒコが父親の遺品を整理していると1通の通帳が見つかりました。名義は・・・マネヒコ。


マネヒコ「どうしてこんなところに俺の通帳が?」


通帳を開くと残高は80万円ほどでした。よく見ると父親の給料日に毎月2万円ずつ入金されていたのです。


マネヒコ「父さんごめん。俺、俺・・・。父さんに言われて仕事やってみようかと思ったこともあったけど、行動できずにごめん。いつも家にいて父さん、母さんには迷惑をかけたよね。お金もなくって生活するのが精一杯ってお母さんの口癖だったっけ?俺が働けば生活も楽になっていたのに。お金のない生活をさせてしまってごめん。でもなんでこんな80万円もお金があるんだよ。毎月2万円って。」


マネヒコの目には涙が溢れていました。


マネヒコが不思議がっていると目の前に、夢の中で見たエドゴンが出現しました。マネヒコにマネーマジックを伝授した張本人です。


エドゴン「マネーマジックはもろ刃の剣。使い方を誤ると取り返しのつかないことになる。」


マネヒコ「父さん、母さんが亡くなったのはマネーマジックのせいだったのか。両親を返してくれ。」


エドゴン「後戻りはできない。マネーマジックはもう使えなくなっただろう。」


マネヒコ「お前はアホか!お金がもらえたって家族が亡くなったら元も子もないだろ。」


マネヒコはもうマネーマジックを使えなくなっていました。でも決心したことがあります。


マネヒコ「父さん、俺、働くよ。ずっと家にいたから、ちょっと慣れないことするけど、天国で見守っていてくれよな。お金が貯まったらお墓、作ってやるよ。」


マネヒコは社会の荒波に揉まれながら生活をして、その後、幸せになったとのことです。

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