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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

悪魔の正体(招待)

作者: 火月

彼はいじめられた。彼のハッキリと意見をいう姿はかっこいいが時に鼻につく。特にハッキリと意見を言えない人(多くの日本人がそうだが)にとっては嫌悪感を抱くだろう。また、見た目は小柄で、いじめの標的にされやすい要素はたくさんある。彼はやり返さなかった。意気地がないわけでもなく、いじめた奴らをバカにしていたからではない。プライドがとても高かったからだ。彼らに挑んで負けた時、自分のプライドが壊れるのを恐れて、やり返せなかった。しかし、そんな日々を過ごしては、鬱憤は溜まるばかりだ。


彼はある夜、夢をみた。悪魔と契約させられる夢だ。その悪魔は、自分の憎む相手を殺害する能力を授けるといった。代わりに、その力で世界を滅ぼせという。私はそんな話信じなかった。そんな力あるわけがない。私はハッキリといった。

「お前の力など必要ない。消えてくれないか」

すると、悪魔はこの世のものとも思えない声をあげながら鬼の形相で迫ってきた。私の首元までくると殺されることを確信したが、そこで目が覚めた。嫌な夢だった。


私は普段通り過ごした。すると、いじめっ子のたかしが姿を現した。

「おい、主人公。昨日呼び出しかけといたのに、なんでこなかったんだ?」

こいつのくだらない呼び出しなど、聞く必要もない。

「お前なんかはなから相手にする気がない。くだらないんだよ、そういうの」

たかしは激怒して襲い掛かってきた。

「この野郎!!」

思いっきりけりを入れられた。たかしはサッカーをやっているから、たかしの蹴りは強い。

「主人公。お前なんで俺とサッカーしないんだ?負けるのが怖いからだろう。喧嘩だって俺に勝てねえしな!弱っちいの!」


私は怒りが頂点に達した。頭の中に殺意が沸いた。ふと、ある夢のことを思い出した。例の悪魔だ。自分の憎む相手を殺害する能力、今こそ欲しいと思った。すると、手にナイフが現れた。そのナイフでたかしに切りかかった。

「ぐはぁ!!」

たかしの悲鳴が聞こえた。たかしは大量に血を流して倒れている。

「主人公・・・やりやがったな。お前がそこまでするとは思わなかった・・・なんなんだ、そのナイフ・・・・・・・・・・・・・・・」

たかしは死んだ。私はたかしを殺しても何も感じなかった。仕方ない、いじめてきたたかしが悪いのだから。

 悪魔が耳元で囁いた。

「よくやった、主人公。その調子で世界中の人たちを殺せ。主人公をいじめてきた世界だ。わたしと二人で滅ぼそうではないか!」

私は、人を殺して悪い気がしなかった。なので、悪魔の誘いにのることにした。人が歩いている。目つきが気に入らなかったので殺害した。何も感じなかった。髪を染めた人がいた。髪の色が気に入らなかったので殺害した。音楽を聴いてる人がいた。気に入らなかったので殺害した。運動をしている人がいた。清々しい表情が気に入らなかったので殺害した。だんだんと楽しくなってきた。あいつは制服を着ていたから殺害した。あいつは空を見ていたから殺害した。私の進む方向に人がいたので邪魔に思い殺害した。殺害殺害殺害殺害殺害殺害殺害殺害殺害殺害殺害・・・


「よお、主人公・・・。ずいぶん、見た目変わったんだな」

こいつは・・・よくいじめてきたようすけだ。たしか・・・野球が上手いんだっけか・・・

「なんていうか・・・雰囲気が全然違う。まるで凶暴な獣みたいだ。まあいいや、ところで主人公みたいに弱いやつは仲間に入れたくねぇけど、今日はメンバーが足りない。特別だ、野球のメンバーに入れてやる」

私は野球をした。いつの間にか人を殺害したことで運動能力があがっていたようで、チームで大活躍した。するとようすけと他のメンバーが私の周りに寄ってきた。

「主人公!大活躍だ!お前見た目というか雰囲気変わってなんかよくなったぞ!良かったらうちのメンバーに入らないか!」

私が昔、何回もメンバーに入りたいってお願いしたのにようすけは入れてくれなかった。けれど、今はすごい歓迎してくれている。なるほど、強ければチヤホヤされるのか、弱ければ見捨てられるのか、弱いと、誰にも相手にしてもらえないと・・・・・・・

「ぐああああああ!!!!」

私はチームメンバーを次々とナイフで殺害した。敵のチームも含めて。野球場を血まみれにした。ようすけが震え声で泣きながら私に言ってきた。

「やめてくれ、突然なにするんだ・・・なんだ、その目は、やめてくれ・・!!ぐはぁああ!!!」

血が飛び散った。やめてくれなんで随分なことを言うな、ようすけ。強い力で負かせばお前は満足なんだろ?望み通りじゃないか。


学校で人気者のギター好きの奴がいた。名前を忘れたが、こいつも私をいじめてきたな・・・

「いや!主人公!きみh・・・ぐはぁ!!!」

殺害殺害殺害殺害殺害殺害殺害殺害・・・・・


警察が私に襲ってきた。しかし、悪魔と契約した私が人間ごときに負けるはずがなかった。警察、軍隊すべてをひねり潰してナイフ一振りで大陸を破壊した。核ミサイルを打ってきたが、私にはもう効かなかった。報復に核ミサイルの数倍威力のあるナイフをかざして国を滅ぼした。

・・・・・・・・・・・・・私はただナイフを振っていた。視界に何か入ればナイフを振っていた。振って振って振りまくった。・・・・・・・・・・・・・退屈だ。非常に退屈だ。・・・・・生き物が見当たらなくなってしまった。

「やったぞ!よくやった主人公!!お前は使える奴だ!」

・・・・・・・・・・・・・・

「よくぞ人類を滅ぼしてくれた!!これで世界を再建できるぞ!!契約終了だ!!」

・・・・・・・・・・♡

「これから、二人で世界を作ろう。だから、殺さないで・・・・・・・」

・・・・・・いたぁ、生き物♡

「ぐはぁあああああ!!!!!!!」

・・・・・・・・ふふふふふふ・・・・・・・





彼はいじめられた。彼のハッキリと意見をいう姿はかっこいいが時に鼻につく。特にハッキリと意見を言えない人(多くの日本人がそうだが)にとっては嫌悪感を抱くだろう。また、見た目は小柄で、いじめの標的にされやすい要素はたくさんある。彼はやり返さなかった。意気地がないわけでもなく、いじめた奴らをバカにしていたからではない。プライドがとても高かったからだ。彼らに挑んで負けた時、自分のプライドが壊れるのを恐れて、やり返せなかった。しかし、そんな日々を過ごしては、鬱憤は溜まるばかりだ。


彼はある夜、夢をみた。悪魔と契約させられる夢だ。その悪魔は、自分の憎む相手を殺害する能力を授けるといった。代わりに、その力で世界を滅ぼせという。私はそんな話信じなかった。そんな力あるわけがない。私はハッキリといった。

「お前の力など必要ない。消えてくれないか」

すると、悪魔はこの世のものとも思えない声をあげながら鬼の形相で迫ってきた。私の首元までくると殺されることを確信したが、そこで目が覚めた。嫌な夢だった。


私は普段通り過ごした。すると、いじめっ子のたかしが姿を現した。

「おい、主人公。昨日呼び出しかけといたのに、なんでこなかったんだ?」

こいつのくだらない呼び出しなど、聞く必要もない。

「お前なんかはなから相手にする気がない。くだらないんだよ、そういうの」

たかしは激怒して襲い掛かってきた。

「この野郎!!」

思いっきりけりを入れられた。たかしはサッカーをやっているから、たかしの蹴りは強い。

「主人公。お前なんで俺とサッカーしないんだ?負けるのが怖いからだろう。喧嘩だって俺に勝てねえしな!弱っちいの!」


私は怒りが頂点に達した。頭の中に殺意が沸いた。ふと、ある夢のことを思い出した。例の悪魔だ。自分の憎む相手を殺害する能力、今こそ欲しいと思った。・・・しかし、それと同時にもう一つ自分の中に眠る覚えのない記憶がよみがえった。それは、自分が悪魔と契約をしてみんなを殺害する記憶。なぜか、それを思い出すと悲しくなる。私は、やり返すことをしなかった。代わりに、たかしに提案した。

「たかし。喧嘩はやめてくれ。決着ならサッカーでつけよう」

「ほぉー、弱虫の主人公が自分からそんなことを言うとはな、いいだろう!!」

彼とサッカーをやったが、結果は散々だった。球拾いをさせられ、プライドの高い僕にとってはつらいことだったが、なんとか耐えた。

「やっぱりお前は弱かったよ主人公。だけどな、お前は今までやりもしないで向き合わない態度をとってたから気に入らなかったけど、今日のお前は弱いながら正々堂々と向き合ってて好感が持てたぜ!またやろう!」

・・・たかしは悪い奴じゃないかもしれない。むしろ、悪かったのは今までの自分の態度にあったのかもしれない。


今まで、人をちゃんと見てなかったが、よく見ると目つきが悪い人、髪を染めてる人、音楽を聴いてる人、運動している人、制服を着ている人、空を見ている人色々な人がいると思った。いじめられて、人のことを見ることをやめていた。


「よお、主人公!!おめぇみたいな弱いやつは仲間に入れたくねぇけど、今日はメンバーが足りない。特別だ、野球のメンバーに入れてやる」

うわ・・・ようすけだ。嫌な奴と出くわしてしまった・・・・

私は野球をした。しかし、運動神経の悪い僕は迷惑をかけてばかりだった。プライドの高い僕には苦痛だったが、なんとか耐えた。

「主人公!お前のせいで負けたぞ!!どうしてくれるんだ!!」

ようすけに怒鳴られた。いつもはくだらないといって悪態をつくが、私は素直に謝ることにした。

「すみませんでした」

「ほぉお・・・素直に謝ることができたのか、主人公。丸くなったな・・・まあ、また野球誘ってやるよ!!」

・・・ようすけも悪い奴ではないかもしれない。



 学校で人気者のギター好きの奴がいた。名前はせいじ。彼はギターが上手いことを自慢してきていつも私をいじめてくる。いつもは相手をしたくないのだが・・・

「いや!主人公!きみは芸術センスが全くない!悔しいのなら、君のギターを聴かせてくれたまえ」

いつもはくだらんと私は言うが、今日は相手をすることにした。

「いいだろう、聴いてろよ、せいじ」

「お、おおう。聴かせてくれ主人公よ」

私はギターをプレイした。全然上手に弾けなかった。プライドが・・・しかし、たけしとようすけに恥をさらしたから、今更プライドは傷つかなかった。

「ふん、主人公はギターが下手だね。まるでなってない。・・・しかし、全力でやってる君の姿は見てて気持ちがよかった。また、聴かせてくれないか」

私はギターを純粋に楽しめた。

「よろしくな、せいじ!」


たかし、ようすけ、せいじと仲良くなれた気がする。いじめられていたというのは勘違いで自分のプライドが3人を遠ざけていただけかもしれない。最近、彼らと遊んで楽しいと感じる。

「主人公、復讐はどうした?」

目の前に悪魔が現れた。

「悪魔よ、お前の力は必要ない。目の前から消えてくれ」

「主人公よ、たかし、ようすけにいじめられたことを忘れたのか?せいじにバカにされたことを忘れたのか?」

「悪魔よ、私は忘れてはない。しかし、それは私が悪かったのだ。私が彼らにちゃんと向き合わなかった私が悪い。今は楽しくて、楽しくて満たされる」

「主人公・・・彼はいずれ主人公を裏切る。いずれ傷つける。人格を否定され続けるぞ。いいのか?」

「悪魔よ、私もずっとそう思っていた。人格を否定され続けてると。でも違っていた。それはプライドの高い私が作っていた勘違い、ただの思い込みだ。」

「黙れ主人公!!やらぬというのなら、容赦しないぞ!!」

「悪魔よ、かかってこい!!お前には屈しないぞ!!」

悪魔は、私の首を絞めてきた。私は必死に抵抗するが、悪魔には全然効かなかった。意識がなくなりそうになったそのときだった。


「主人公を離せ!!!!」

たかしがサッカーボールを悪魔にぶつけた。

「主人公から離れろ!!!」

ようすけが野球のバットで悪魔に殴り掛かった。

「主人公から離れなさい」

せいじはいうだけで何もしなかった。

悪魔が私から離れて、私は解放された。たかしとようすけとせいじが私を悪魔から庇うように前に並んだ。3人が駆けつけてくれた。その様子を見た悪魔の様子がおかしくなった。

「なんなんだ、お前ら・・・・・どうやったらこんな風に仲良くできるんだ・・・・?」

そういうと、悪魔は地面に跪いた。そのときに、悪魔の仮面がとれた。

たかし「この顔は・・・主人公?」

ようすけ「この顔は・・・主人公?」

せいじ「この顔は・・・主人公?」

主人公「この顔は・・・わたし?」

悪魔の顔は主人公だった。しかし、目つきがまるで凶暴な獣だ。雰囲気が全然私とは違う。

悪魔「少し、私の話を聞いてくれるか」

私含め、たかし、ようすけ、せいじは悪魔の話を聞くことにした。

悪魔「私は、別の世界でいじめにあって人と仲良くすることを諦めていた。そんな時に悪魔と契約した。人を殺害する能力を得る代わりに、世界を滅ぼせという内容だった。私は世界の生き物を全滅させた後、契約した悪魔も殺した。そのあとで、世界を滅ぼすたけでなく、世界そのものを破壊した。完全に病んでいて、破壊衝動だけで生きてきた。壊れた世界で時空を漂いながら私は、もしかしたらもう少しまともなやり方ができたのではないか?と思った。プライドの高い私はそんなはずはないと思いつつ、過去に戻った。主人公よ、過去の私に会いにいったのだよ」

主人公「・・・そんなこと考えてたのか・・・」

悪魔「私は、またお前が狂って、お前に殺されることを内心望んだ。こんな結果になって嬉しい反面、私は残念だよ」

主人公「・・・私も一歩間違えれば悪魔のようになっていたかもしれない」

悪魔「しかし、お前は気づくことができた。お前の過ちと人を愛する喜びをな。愛は力に勝つ。」

主人公「悪魔よ、これからどうするつもりだ?」

悪魔「私はここで、消えるつもりだ。元々、この世のものじゃないからな」

悪魔はそういうと、空に消えていった。


大事なのは力よりも、愛や思いやり。プライドを持つのはいいけれど、和を壊してまでプライドを出すのは良くないことかもしれませんよ?


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