とぐろ
掲載日:2019/11/27
約束されたように点滅する光を探して。
見知らぬ闇でさえ躍動する獣たちに変えて。
限界を知らない鍔迫り合いを制して、この指定席へ。
なにもかも無差別の殺気に取りつかれているから、人知れず処刑台を築き上げる。
逃れられない裸体の辱しめを喰らうなら、傍観者が握る命綱を切り裂いて最後の誕生日を祝って。
帰宅を促す交響曲も祝福してくれているのだろう。
嫌に能天気に夕暮れを揺らす。
嘴と翼を覗き穴にぶつける小鳥たち。
腐敗した幸せを届けて役割を終える。
無差別を標榜する蛇が、点滅する光に浮かび上がる。
お返しに崩れた脱出口に口を突っ込み、できたてのプロローグを話してやろう。
振り向けば、着陸地点を教えてくれる光が煌々と点いている。
無限に切り分けられた楽園。
目指せ、ひとりぼっちの王に憧れて!
眠気と疲れが麻痺した目で、掌にも満たない世界を見届けて。
赤い仕草で空腹を訴える世界に、慈悲の口づけの代わりに途切れる運命の生命線を書き加える。
いつにも増して高い海のうねりを前にして、最後に残された命綱。
切るも棄てるも、望みのままに。
誰のものか分からない誕生日を前にして、行き場のない生命線はこの部屋でとぐろを巻いている。




