私記 白音Ⅰ
今更になってしまいましたが評価300pt記念に1話上げます。
時系列的にはリベラルでの事件後、飛空艇に搭乗する前日あたりを想定しています。
==Side Shirone==
== 〇月×日 晴 リベラル==
うむうむ、ようやく童の出番が来たか。
よく聞くがよい、童は幾百のあやかしを統べる偉大な妖狐で名を白音という。
今日はアリスに請われてこの『日記』に童が一筆書こうと思う。長い刻を生きている童にとってはこの行いに意味があるのかはわからなんだが、童だけ仲間外れと言うのも嫌じゃ! ――とりあえず皆とのこれまでを少しばかり童の手で綴らせてもらうかのぅ。
まずは大野結弦という青年……ぬしさまじゃな、に出会って早くも数ヵ月、あなぐらで寝ていた千年に比べて実に快活な日々を送っておる。
これというのも、どうやらぬしさまはトラブルに愛されているようで、ニ・三日に一回は何かしらの騒ぎに巻き込まれておる。まぁ、その半分は童とレンのせいだと言うのが少々痛いところのなのじゃが、なんだかんだとぬしさまは童たちの面倒を見てくれるので童としては愛を感じれる良き機会とも言えるかのぅ。
まぁそんな楽しい日々を送っている童じゃが、最近は重労働ばかりを任せられており、非常に……ひじょぉ~に! 雑な扱いを受けている気もするのじゃ!
いつぞやの聖堂再建然り、 部屋作り然り、仲間内での童の立ち位置が少しずつ危ぶまれている気がするのじゃ。――まぁ? どれも一般の民草に強いるには少し酷な話かも知れぬが、それでも童はれっきとした女子、乙女なのじゃからもう少しぬしさまにはそこら辺をもう少し考えて欲しいものじゃ。
どうもぬしさまからは甘味一つで釣れるちょろい女と思われている気がしてならない。確かにこの時代の甘味は実に至福で優美な物であることは否定しない。特に水飴と氷菓子は童をダメにしてしまう魔法のアイテムなのじゃ♪ ――考えてたら食べたくなってきた。じゅるるぅ~
っといけないいけない、甘味のことを考えてたら本題を見失いかけておった。と・に・か・く! 童の女としてのプライドにかけてぬしさまを惹く一策を講じる必要がある。
ただ相手はあの朴念仁じゃからのぅ……一朝一夕でどうにかなるとは思えんし、今の童じゃどう策を練ろうともぬしさまを振り向かせられる未来が想像できない。――うぅむ、結局気長に隙を伺いつつ、攻める時を見失わないことくらいしかできなそうじゃ……
それに童とて今の空気は嫌いでない。ぬしさまは元より、実直さと胆力を備えたアリスに食欲へひたむきな情熱を注ぐレン、昔は不俱戴天の敵であったスー、みな童の短くない人生の中でも群を抜いた変わり者たちだが、童の心意に平穏をもたらせてくれる。――今しばらくはこの関係でも良いと思えるし、失ってはいけないものなのじゃろう。
なんだか随分と話がそれてしもうたな。――要するに、拾ってくれたぬしさまには愛着はあれど不満もある。でも童としてはそれも含めたすべてに感謝しておるのじゃ。
これからの旅路、童は最期まで付き添えないかもしれないが、共にいれる間は皆を守り道化のごとくぬしさまに弄ばれようではないか。
――きっとそれがあの時童を生かしてくれたフィリアねえさまへの恩返しになるのじゃから。
白音
次に400ptを超える時はエステルのお話かアリス(朱雀神セット)を書こうかと考えています。
中々更新が出来ない中で申し訳ありませんが、引き続きのご支援よろしくお願い致します。
なお、このお話は本編次話の投稿と同時に2章の登場人物紹介の前に移動します。




