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3.13 投獄

すみません

1週間の予定が2週間かかってしまいました。

久々過ぎてお話が頭のなかで再現出来ず、時間がかかりました。(ちょっとリハビリが必要そうです)

 第二の人生が始まってから数ヵ月。常に変局する事象に対応してきたが、今回も面倒なことになりそうだ。


 牢屋に備えられた藁のベットで横になっていた結弦は、一人物思いに耽っていた。



 時は結弦たちが禁書庫を退室し、クライストと名乗る宰相と遭遇した時に遡る。


「国家反逆罪? それは一体どういう……?」


 突如現れたクライストによって告げられた言葉に、エステルは困惑の声をあげる。


「先刻、国王陛下のお飲み物に毒物が盛られました。幸い、一命をとりとめましたが、余談を許さない状況です」

「!?」


 エステルの疑問符に対して放ったクライストの言葉は、未だ状況についていけていない結弦たちに衝撃を与えた。


「おいおいマジかよ……」


 結弦たちが禁書庫へ入っていたのは移動時間を含めてせいぜい五時間程度。

 そしてその少し前にシャルルから閲覧許可を貰っている為、時系列的には容疑者として浮上してしまうのは致し方ないのかもしれない。


 ――というよりあのじいさん、平和ボケしてそうな成りの割にはしっかりと狙われてるんだな。まぁ逝かなくてなによりだけど。


 結弦がシャルロットの生存能力に関心する。


 一方、事態の推移を見守っていたアリスたちはクライストに気取られぬよう今後の対応について会議を開いていた。


「どうしましょう? 私たち、いつの間にかおたずね者になっちゃったみたいですが……」

「うむぅ……人間に敵意を向けられるのは慣れっこじゃが、謂れのないことというのは少々釈然とせぬのぅ」

「白音の嬢ちゃんはすぐ癇癪を起こすからいつも通りかも知れぬが、神の眷属たる我も罪人扱いとは……少しお灸を据えてやる必要があるか」

「レンもみんなと戦うのー!」


 アリスを除く二人と一羽は、クライストたちの横暴に気分を害し、闘志を(みなぎ)らせていた。


「みんなちょっと落ち着いて! ――ご主人様もなんとか言ってくださ……ご主人様?」


 一触即発の雰囲気をなんとかしようとアリスは結弦に助けを求める。

 しかし、シャルロットのことで上の空だった結弦はアリスの声に反応が一歩遅れた。


「――あぁすまん、少し考え事をしてた。もう一度いいか?」

「いえ、私たちはこの場をどう対処すればよろしいでしょうか?」


 アリスの問いに結弦は改めて現状を分析する。


 幸い、禁書庫を出る前にかけておいたリファクションが今も正常に機能しているので、エステル以外に結弦たちの存在を知覚できるものはいない。その為、結弦たちに限って言えば戦うにしても逃げるにしても、かなり自由に立ち回る事が可能である。


 まぁ、そんなの無くても衛兵程度にこいつらが後れを取るとも思えないが……

 後、逃げるという選択肢はエステルを見捨てることと同義なので、当然除外する。


「アリスには悪いが、ここは攻勢に出よう。白音、レン、いけるな?」

「誰に物を言っとるのじゃ?」

「やっつけるのー!」


 既に臨戦態勢に入っている白音とレンは意気揚々に結弦へ返事する。


「良い返事だ。――じゃあ合図をしたら白音は右、レンは左を片付けてくれ。スーはアリスと一緒に何かあったときの為に待機してくれ。俺はクライストを押さえる」

「うぬ」

「わかったのー」

「承知」


 手早く役割を分担し、各自持ち場につく。リファクションによって敵からはこちらを認知することが出来ない為、白音とレンは容易に兵士たちの後ろに回ることができた。


 そして、結弦たちのことを考えて時間稼ぎに徹していたエステルは、周囲の空気から皆の準備が整ったのを感じ取り、戦いの幕を上げる。


「お話にならないわね。クライスト候は教皇である私に嫌疑を掛けることの意味を理解していないようで……そうでしょう? ユヅル様?」

「あぁ、まったくだ。――白音! レン! 一分で制圧しろ!」

「いくのじゃ!(なの~)」

「なに!?」


 結弦はエステルの声かけに合わせてリファクションを切り、姿を現す。

 当然、クライストと兵士たちは、突如エステルの隣に現れた結弦の存在に驚愕し、目を疑った。


「ぐはっ!」


 そして結弦に気を取られている隙に白音とレンが敵の背後から的確に意識を刈り取る。


「まったく……この程度で童たちを捕らえようなど笑止千万なのじゃ!」

「おやすみなさいなの~」


 難なく兵士達を組伏せていく白音とレン。

 元より格が違う二人に兵士たちは為す術もなく、結弦の命令通り、一分と経たずに制圧された。


「相変わらずお強いですね」

「熟練の王国兵たちでも今回ばかりは相手が悪かったと言うことだろう」


 結弦はクライストの首筋にフラガラッハの剣先を突き付けながらエステルと話す。


「ま、待ってくれ! この私に手を出すとお前らが連れてきた黒耀竜の身は保証出来ないぞ!」


 クライストは向けられた剣先に怯え、顔を青ざめさせながらも、この場にいないクロの身柄を交渉材料に持ち出すことで結弦たちと渡り合おうとした。


「品性の欠片もありませんね。ユヅル様、その者の首落としてしまっても良いですよ?」

「いやダメだろ……そんなことしたら本当に罪人になっちまう。――しょうがない。とりあえずここは言うことを聞いておくか」


 ――いざとなればこっちには神札があるし、いつでも逃げれるだろう。


 結弦は自身にそういい聞かせ、フラガラッハを道具欄に戻す。

 すると、自身を脅かす要因が無くなったからか、クライストは瞬く間に調子を取り戻していった。


「わかればよいのです。――さぁ、従者を探す必要も無くなりましたし、今度こそ大人しくご同行をしてもらいますよ!」

「はぁ……わかったわ。くれぐれも手荒な真似はしないと約束しなさい」

「心得ています」


 そうして結弦たちは晴れて獄中の身となるのであった。



 そして現在に至る。 

 現在、結弦たちは一人ずつに分けられ王城の地下、図書室と同じフロアにある牢屋に収監されていた。

 広さは五畳程度で、あるのは藁溜りと簡易的なトイレだけと結弦にとっては今までで最も酷い環境だった。


「思った以上に何もない。まぁ長居するつもりも無いし、さっさとここを出るか。――だが、その前にあいつらの場所と安否を掴んでおかないとな」


 結弦は散り散りになってしまった仲間の情報を集めることにする。

 そして彼は看守に怪しまれないように寝たふりをしつつ、己が内側へと意識を向ける。


 ――フィリア、現状の説明と皆の場所を教えてくれ。


『相変わらず神使いが荒いことで……貴方、もしかしなくても私のこと便利な女だと思っているでしょ?』


 結弦の呼びかけにフィリアは不機嫌そうな声音で返事する。


 ――そんなことない……とは言いきれないけど、今回はフィリアのお使いもやってやったんだし、サービスしてくれ。


『神に対価を求めるなんて不遜も良いところだけど、いまさら言っても無意味よね。――えーと、まずは現状の説明だったかしら……』


 フィリアは大きなため息を吐きながらも、結弦に今置かれている状況の説明を始めた。

一応次こそは1週間後に上げたいとは思ってますが遅れてしまったらすみません。

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Twitter:ぽんさん(@PonSanMk2)

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