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1.11 冒険者ギルド

「んん? 重たい?」


 フィリアと夢の中で別れ、目が覚めた俺はなんとアリスの抱き枕にされていた。


 身体の色々な部分が結弦をぷにぷにと攻め立てる。


「辛い……理性を保つのがくっそ辛い。手は出さないと心に誓った以上、今後は俺の精神を鍛え上げる必要がありそうだ。――っといけない、今日も予定がみっちり詰まっているから早く起こさないと」


 結弦はアリスを引き剥がそうとする。――が、華奢な身体にしてはしがみつく力が強く、想像以上に強敵だった。――どうやら朝は苦手みたいだ。


 そして数分の格闘の末、やっとのことで目を覚ました彼女の意識がハッキリしてきた辺りで本日の予定について話を切り出す。


「今日は昨日の夜に話していた冒険者ギルドに行って冒険者登録と、可能であれば簡単な依頼に挑戦してみる」

「かしこまりました。私自身、仕事をするのは初めてなので足を引っ張らないよう気を付けます。後、ギルドへ行く途中で朝ご飯を食べて行きましょう。なにかご希望はありますか?」

「ん~今日は身体を動かす事になるだろうから、栄養のあるものにしようか」

「わかりました。それでは身支度が整い次第出ましょうか」



 武器やアイテムのチェックを終えた結弦たちは早朝の街に繰り出す。


「まだ朝早いのであまり人通りがありませんね」

「そうだな、こういう街並みを眺めるのも新鮮で嫌いじゃない」

「そうですね。――ご主人様、よろしければあそこの食堂などはどうでしょうか?」

「わかった。――行こう」


 アリスと一緒に定食屋の暖簾(のれん)を潜る。


 二人は適当な席についてメニュー表を見る。


「アリスはこの店に来たことはあるのか?」

「いえ、私の家では外食は滅多にしませんでしたので」

「そうか……おすすめでも聞こうと思ったけど、しょうがない。――よし、俺は朝定食Bでいいかな」

「では、私も同じものにしますね」


 店員を呼びつけ、注文を頼む。


 しばらくするとから揚げや焼き肉っぽい料理がたくさん運ばれてくる。――肉ばっかりだな。


 他の客も似たような料理を頼んでおり、この店では普通のようだ。


「確かに栄養は付きそうだが、これは胃もたれしそうだな」

「そうですね。――とは言え、残すのは勿体無いですし頑張って食べましょう!」


 思わぬ強敵に二人は気を引き締め、大量の炭水化物と格闘を始めた。


 途中から胃が悲鳴をあげていたが、結弦は押し寄せてくる肉たちを無理やり水で流し込んだ。


 ――うぅ、つらい。


 三十分後、なんとか完食した二人は若干重たくなった身体を引きずって本日の目的地である冒険者ギルドへ向かう。



「ここが冒険者ギルドです。中には粗暴な方もいると思うので騒ぎを起こさないように出来るだけ気をつけましょう」

「あぁ」


 冒険者ギルドに入ると、朝早いというのに物凄い騒音が二人を出迎える。――やはり、冒険者というものはどの世界においても騒ぎたい種族なのだろう。


 まぁ、今日はギルドへの登録とちょっとした依頼をこなしたいだけなので、他の冒険者のことは放っておく。


 結弦たちは冒険者登録をしてもらうために受付らしき所へ行く。


「新規登録ですね。――ではこちらの書類に必要事項を記載していただき、インテリジェンスカードと一緒に提出をお願い致します」


 受付嬢から申し込み用紙を受け取る。

 そして用紙に名前や年齢、メイン武器などを記載して受付嬢に渡す。


「はい、確かに受け取りました。――では、簡単に当ギルドの説明を行います」

「お願いします」

「まずこちらが冒険者カードです。――様々な依頼をこなすことによってポイントが加算されていき、一定の値を超えたら次のランクへ昇格できます」


 受付嬢の説明を要約すると、冒険者のランクは全部で五段階あるみたいで『アイアン』から『ブロンズ』、『シルバー』、『ゴールド』、『ダイヤモンド』の順で昇格していくみたいだ。


 この他にも冒険者カードには貢献ポイントという欄があった。これはランクポイントと一緒で、依頼をこなしていく毎に少しずつ蓄積されるらしく、ギルドが確保している珍しいアイテムの購入時に必要とのことだ。――まぁ一番低位のアイアンランクの人間には関係ないか。


「わかりました。――それと、早速依頼を受けてみたいのですが可能ですか?」

「構いません。――それでは依頼の説明もしちゃいますね。当ギルドで受注できる依頼は大まかに三種類に大別されており『民間』、『ギルド』そして『国』からの依頼となっております。これらはランクごとに細分類されて、受付横にあるクエストボードに張り出してあります。ユヅルさんはこの中から自分に合った依頼書を選んでこちらに持ってきていただければ受注となります。」

「ありがとうございます。――それでは俺たちでも受けれそうなものを探して戻ってきます」


 受付嬢の説明に従い、クエストボードの元へ向かう。


 クエストボードにはかなりの数の依頼が貼りだされていた。基本的に民間>ギルド>国の順で数が多く、内容もお使い程度のものから魔物の討伐や捕獲、中にはフィリアがほのめかしてた魔将討伐軍の募集なんかもあった。


 とりあえず最初はフィリアの助言に従って、レベルが上がりそうな依頼にしておこうか……おっ、これなんか良さそうだ。


 《依頼書》

 _____________________

 依頼名:『ローラッドの討伐』

 内容:ローラッド(レベル4±2)5体討伐

 依頼者:商工ギルド

 ランク:指定なし

 報酬:カヌレ金貨1枚、銀貨3枚

 備考:我がギルドの商団が使う行商路が最近、

    ローラッドの群れによって荒らされて

    しまい辺り一面穴だらけになってしま

    った。とても馬が通れる状況では無く

    なっているので早急にこれを駆除して

    欲しい。

 _____________________


 依頼書によると、ローラッドと呼ばれる下級の魔物を五体討伐することが達成条件らしい。

 ちなみに、カヌレ金貨というのは銀貨五枚に相当するので、実質銀貨八枚の仕事になる。


 ローラッドとやらがどういった魔物かは知らないが、レベルも低いし俺がサポートすれば今のアリスでもなんとかできるだろう。


「アリス、この依頼を受けてみようと思うが、いけるか?」

「はい、大丈夫です」


 アリスに聞いても特に問題はないようなので、依頼書を剥がして受付に持っていく。


「受け付けました。――こちらはローラッドが生息している街道の大まかな生息図になります。お持ちください」

「ありがとうございます」


 受付嬢から魔物の生息地が記載してある地図を受け取り、結弦たちは目的の行商路へ向かった。

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Twitter:ぽんさん(@PonSanMk2)

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