第7話「心も母の愛さえも彼には遠い……。」
デレ=ヘリアス
ライフ12
スキル 攻撃増加(3/3):防御増加(3/3)
MP1/7 手札2枚 墓地4枚
場 妖精の森×2
7/3サラマンダー
3/2レプラコーン
時坂 秀人
ライフ19
スキル 攻撃増加(3/3):回復強化(5/5)
MP6/6 手札5枚 墓地2枚
場 4/3ドワーフ
2/3ドワーフ
1/7ウィルオウィスプ
手札
2/1/3「メリアス」
効果 召喚時、敵のライフに1ダメ与える。
3/2/4「ドライアド」
効果 このカードの受けるダメージを-1する。
4/1/4「ゴブリン」
効果 攻撃する度に+1/+0する。
木 6/0/7 R/X「アルラウネ」×2
効果 召喚時、自分のライフ+3する。攻撃時、+4/+0する。
おいおい、まじかよ。
7/3だとウィルオウィスプじゃあ止められない。
次のターンドワーフを使ってリセットするならここは止めた方が良いのか?
デレのライフは12だし、ライフ差的にも7ならまだ耐えれる範囲内。止めておくべきではあるが、防戦に持ち込みに行った方が有利だと俺は思う。
「ライフで受ける!」
サラマンダーの口から灼熱の吐息が俺の体を覆う。もう、熱いという次元じゃない。体中が痛みに蝕まれる。
「ぐぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっ…………!………!!」
時坂 ライフ12
7ダメージ分を直撃し、体中から痛みが引いた後は脳が熱いと認識してたからか風が先程より冷たく感じられた。てか、むしろ寒い。
それにしても、7ダメージでこれか。これより上のダメージはなるべく食らいたく無いな……。
食らったらきっと発狂死するぞ。
「ターンエンド。」
妖精の森は今度は両方をプラス1とした。
8/3サラマンダー
4/2レプラコーン
時坂のターン
ライフ12
スキル 攻撃増加(3/3):回復強化(5/5)
MP7/7 手札5枚 墓地2枚
場 4/3ドワーフ
2/3ドワーフ
1/7ウィルオウィスプ
おや?デレのテンションが少し下がってるな。
何か今ので心境の変化が生じるような場面あったっけ?
まぁいい。こっちはあのサラマンダーどうするのか死活問題だしな。ここでさっさとケット・シー引いて終わらすぞ。
ケット・シー!来い!
心の持ちようの問題で力強くカードを引いていく。
2「妖精の森」
効果 ターン終了時・自分のリサイデント1体を+1/+0。
うん。………まぁ、来ないよね。
引く時に前回のように光ることもなかったし、ピンチではなく勝ちたいという意味での引きだったからかなぁ?
まぁ、ケット・シーの力を借りなくても勝てると受け取るとしよう。
2「妖精の森」
効果 ターン終了時・自分のリサイデント1体を+1/+0。
2/1/3「メリアス」
効果 召喚時、敵のライフに1ダメ与える。
3/2/4「ドライアド」
効果 このカードの受けるダメージを-1する。
4/1/4「ゴブリン」
効果 攻撃する度に+1/+0する。
6/0/7「アルラウネ」×2
効果 召喚時、自分のライフ+3する。攻撃時、+4/+0する。
ここは、盤面広げても良いけれどどの組み合わせにしようとも最大4までしか与えられない。ならば、付属効果で比べるとしよう。そうした時、メリアスの1点か妖精の森かアルラウネのスキルプラスした4回復のどれかになる。
デレが防御増加を残してるとこを見るに3ダメ分は無効されることを前提として考えるなら合計で15打点与えなければならない。
このターンは6打点。次のターンは10打点。
守護がいないとすればこちらのリサイデントを破壊しに来るのは間違いない。サラマンダーはウィルオウィスプに攻撃。レプラコーンはドワーフ(強化後)に攻撃するとすれば、6打点分残る。
どちらにしろ2ターンで倒すのはケット・シーが居ない限りは不可能である。
2体破壊された次のターンケット・シーが来なかった場合、デレの場には9/2が残ることになるが、疾走が来てもアルラウネが居るので問題ない。
トドメがさせないことがわかりその疾走で盤面を処理することを考えるならば、盤面を広げる方が良いと見た。
それにアルラウネの召喚時効果にスキルを盛り込むなら次と更に次の2回にしたほうが限界まで使えるからね。
「妖精の森を展開し、メリアス!ドライアドを召喚する!」
俺の場にも木々が太陽を遮るかのように無尽蔵に生える。お互いと場を囲むように生えたその木は息苦しさを与えてくるが、幻覚だと割りきった。
植物と木の体をした二人の美女も現れる。
「あら、可愛らしい子ね。抱いてあげましょうか?」
抱いてあげましょうかと言った瞬間に体から無数の棘が生えてきた。つまりは、死ねと仰るのですね。
「ほら、こっちに来て。貴方の欲しいものあげるわ。」
こちらも誘惑してるようだ。
まぁ、誘惑してる女性の大半が信用出来無いと書かれた小説を読んだことがあるな。実際はどっちが多いのかわからないが、少なくともこの二人は間違いなく信用出来無い方だろう。
しかし、可愛いな。
「ありがと。」
「ありがとね。」
メリアスはこちらをちらりと見て微笑み、ドライアドは片目でウインクした。どちらもセクシーで大人の魅力とやらが滲み出てる。
そんな魅力に見惚れながらだらしない受け応え方をしてしまった。
「お、おう。」
あれ?流石に今のは気のせいでは終われないぞ。
間違いなく返事した!なるほど、カード一枚一枚に魂が篭ってるのはもう確定だな。
だとすると、フィールドカードやサポートカードはどうなるのだろう?
メリアスの召喚時効果でデレに1ダメージが与えられる。茨の鞭がデレの硬そうな鱗をすり抜ける。
すり抜けたように見えるだけで本人は確かな痛みを感じてるはずだが、唸るだけで痛そうには見えない。
デレ ライフ11
「ドワーフとウィルオウィスプで攻撃!」
「防御増加発動!」
デレ MP0/7
防御増加 2/3
防御増加のスキルにより1ダメージ分受けられる防壁が張られるが、ドワーフの斧の勢いが減少しただけで打点いれられた。
ドワーフの斧の一撃が2回とウィルオウィスプの水触手で合計5ダメージ与えることに成功した。
デレ ライフ6
「ターンエンドだ。」
ターンエンド時に妖精の森の効果が発動する。
3/3 ドワーフ
デレのターン
ライフ7
スキル 攻撃増加(3/3):防御増加(2/3)
MP8/8 手札2枚 墓地4枚
場 妖精の森×2
8/3サラマンダー
4/2レプラコーン
「ドロー!!!」
デレの声がより大きくなった。
この絶望的状況は辛いようだ。手札に打開策が無かったのだろうか?
デレは全然動かない為、全く心理が読めない。あくまで声しか出してないので、寝っ転がりながらデュエルしてるようにも見える。
「レプラコーンとケット・シー召喚!」
MP+1
1/9
やはり来てしまったか。
まぁ、ライフアドバンテージはこちらの方が上だ。
手札のアルラウネもあるし、まだ問題無いはず。
「サラマンダー、レプラコーン、ケット・シーで攻撃!」
サラマンダーはウィルオウィスプに攻撃してきた。守護がいる場合、守護で守らないという選択肢は存在するが、相手がリサイデントを攻撃する場合は守護を優先的に攻撃しなければならないのだ。
相手は基本的に守護に攻撃するが、その守護を放棄すれば自身に攻撃されるということ。
しかし、ここで放棄する訳がない為、ウィルオウィスプで守護した。その圧倒的なブレスは水を簡単に蒸発させた。苦し紛れの一撃もサラマンダーには大して効いていないようだ。
デ 8/2サラマンダー
時 ウィルオウィスプ→墓地
6/1/7「ウィルオウィスプ」
効果 守護。破壊時、手札にフェアリーとゴブリンを加える。
1/1/2「フェアリー」
4/1/4「ゴブリン」
効果 攻撃する度に+1/+0する。
ウィルオウィスプの核から現れた2つの光がカードとなって手札に加わる。
レプラコーンはドワーフに攻撃した。
レプラコーンの水魔法で窒息死をさせようというところでドワーフが斧で致命の一撃を入れると共に力尽き、お互いに倒れた。
デ レプラコーン→墓地
時 4/3ドワーフ→墓地
ケット・シーは肌の硬さが美貌の秘訣のドライアドに攻撃しに行った。ドライアドはダメージをマイナス1にするので、5ダメージ与えられなければ倒せないという点で危険視したのだろう。
そもそもライフ的にもピンチなので、ドワーフの3点にケット・シーが加われば負け確定だ。盤面処理をせざるを得ない状況であるということだ。
打点の高いドワーフを優先的に倒したとしても結局のところケット・シーが来なければ盤面処理をせざるを得ない状況を返すことが出来るので、敢えて倒しづらいドライアドを選択したのだ。
デ 5/3ケット・シー
時 ドライアド→墓地
「ターンエンド!」
妖精の森が発動し、サラマンダーが更に強化される。
10/2
戦場は大きく動かれて、一手に生死が掛けられた。
そうだ。こういう時のドローだ。
こういう緊迫感のある時に俺もルーラもカードに光が灯って、ケット・シーやアルラウネを引いた。
今なら引けそうな気がする。
ケット・シーよ!来い!
手札に来たのは………………
3「武装錬金」
効果 自分のリサイデント1体を+2/+2する。
あれぇ、おかしいな。
武装錬金と書いてるように見えるんだけど?
ケット・シーじゃないじゃん!
てことは、盤面処理を優先するしか無いってことか。ケット・シーは自分の出番では無いって言ってるのかな?それとも俺の意志が弱かったのか。
時坂のターン
ライフ12
スキル 攻撃増加(3/3):回復強化(5/5)
MP8/8 手札5枚 墓地5枚
場 3/3ドワーフ
1/3メリアス
妖精の森
1/1/2「フェアリー」
3「武装錬金」
効果 自分のリサイデント1体を+2/+2する。
4/1/4「ゴブリン」
効果 攻撃する度に+1/+0する。
6/0/7「アルラウネ」×2
効果 召喚時、自分のライフ+3する。攻撃時、+4/+0する。
まぁ、ここはアルラウネ以外あり得ないな。
「アルラウネ召喚!そのタイミングで回復強化2回発動する!」
MP0/8
回復強化3/5
1ターンに使用できるスキルは1つまで。仮に1ターンに何度でも使用出来るスキルならば1種類までなので、ここでMPを残す理由が無いため、使い切ったのだ。
地面から蕾が生え、その蕾が咲き誇り中から現れるのは上半身裸の緑の女の人。ルーラはまたもや燥いでる。
「さっきはよくもルーラを攻撃しましたね?」
そのアルラウネはあろうことか召喚者である筈の俺を激しく睨んでる。しかし、俺に懐いてるルーラを見て回復するときは少し穏やかな表情でしてくれた。
ライフ+5
時坂 ライフ17
なるほど、これが回復か。
その光を浴びてる間は母の愛とやらに触れていられた気がした。温かく心は安らぎ体が軽くなったような感覚に陥っていた。
もしも、母から愛されていたならば、きっとこんな感覚なんだな……。
そんな俺を見て、アルラウネは憐憫の眼差しを向けた。俺はそれに気付かず攻撃命令を出した。
「ドワーフとメリアスで攻撃!」
ドワーフは果敢にも攻撃力10というサラマンダーに向かった。サラマンダーの灼熱をまともに受けながらもサラマンダーを倒した。
2/3/1「サラマンダー」
効果 バトル時、リサイデントを破壊すると+0/+1する。
しかし、サラマンダーは死して尚、倒した相手の命を少し貰い。生まれ直す。
そこには10/2の化物はおらず、生まれ変わった3/1のサラマンダーが居た。
メリアスは茨の鞭でデレに攻撃した。
そのタイミングでデレは防御増加を発動し、ノーダメージとなった。
防御増加 1/3
「ターンエンド。」
ターンエンド時に妖精の森が発動する。
アルラウネの攻撃力が増加される。
1/7アルラウネ
デレのターン
ライフ7
スキル 攻撃増加(3/3):防御増加(1/3)
MP10/10 手札1枚 墓地4枚
場 妖精の森×2
3/1サラマンダー
3/2レプラコーン
5/3ケット・シー
こういう状況前も見た気がするが、本当にケット・シーゲーだな。まぁ、ケット・シーゲームなのはスタンダードパック引く前の話だから、ケット・シー入れてるのは本当に序盤だけの話だ。
だからといって、全く役に立たないわけでもなくフェイスやアグロデッキなら寧ろ入る。なんせ、攻撃時効果が地味に使えるからな。
本当に地味だから強くはないがな。
「ドロー!!」
デレの手札は2枚。
そのどちらかにケット・シーがある確率は少ないはずだ。頼むから来るなよ。
「レプラコーンとフェニックスを召喚する!」
レプラコーンが召喚され、MPが更に増える。
どんだけ増やす気なんだよ。
MP+1
2/11
そして、大きな魔法陣から出てくるのは全身炎で出来た不死鳥。サラマンダーのように身に纒ってるのではなく、炎そのものだ。
その名は不死の鳥。フェニックスだ。
はい、急ぎで書いたので文字数少ないと思ったら申し訳ない。けれど、良い所で一応終わらせてみました!フェニックス、どんな効果なんでしょうねー。
まだ、初期カードの範囲なので馬鹿でかい強さは無けれど、なかなか面白いカードかなとは思います。
次回、昔買ってた鳥が主人に会うために蘇った!?
突然始まる感動の竜×鳥×人の純愛三角関係物語。
だよだよ。
次回もお楽しみにー!