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あの時のボクタチハ  作者: ケンケン4
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あれ?この後どうしたっけ?

あれ?この後どうしたっけ?


「おい…!佳!佳!」


ふと遠くを見て考えていたらいつの間にかに現実に戻されていた。大学へと行く道、歩いているのは何かと気が合う京介だった。京介は中々に身長も高く、顔立ちも整った同級生だった。コミショーを自分で称しており、いつも他の人との会話でもいじられ役がほとんどだ。

だけどそんな彼の1番やっかいで凄いと思うのは…。


「なあ、お前今なんか過去を振り返ってだろう?」


…これだ。これが京介の凄いところだ。自分はコミショーと言っておきながら相手の考えているがだいたい分かってしまう。それを知ったのは大学で知り合ってすぐだった。

佳は内心舌打ちしつつ、大袈裟に手振りも付けて歩きながら驚く。


「おお‼︎さっすが!驚いたよ‼︎」

「驚いたのはいいけど大丈夫か?佳、お前寝てないだろう?だからそんな風にぼーと過去の事思い出すんじゃないのか?」


佳はそれを聞いてさらに心の中の舌打ちをする。


だからなんでそんなに分かるんだよ…。


そう、最近、佳は中々寝ていない。寝ると過去の部活の夢が出てくるのだ。それもさっき回想していたところで絶対に目がさめる。

それを隠すために佳はお得意の笑顔を作る。


「いやはや?再試が多いからね〜。僕的に結構参っておられるのです。」

「…確かに佳の再試の量は多いからな。」


そう言って佳はニコニコしながら京介と話し続ける。自分の心の中をまるで隠す様に。


「そう言えばそろそろあの時期じゃないか?」

「ん?」


京介はそう言って人差し指を上に立ててまるで先生の様に語り始める。道には他の大学生が雑多に歩いている。そのなかでも京介は中々に目立っていた。

…それでじみに様になってるのは悔しいのだが…。


「スポーツ大会だよ。学科対抗の。」

「あー。そんなのありましたね。」


スポーツ大会。それは梅雨の前あたりにある大会の一つ。各学科から様々なスポーツの代表選手を選び、トーナメントを開くという物。

ちなみに代表選手と言っても全員参加なのでちゃんと沢山の人数が参加できるドッチボールや綱引きなどがあるのだが。


「お前どうするの?そう言えばソフトテニスもあるみたいだぞ?」

「…。」


佳はそれを聞いて少し立ち止まった。すると京介は少し驚いて佳を見た。


「佳?どうした?」

「…。いや、なんでもない。スポーツか!野球したいな!」

「それは無理だろう。大抵のスポーツは経験者らしいし。」

「根性やで!京介!」

「はいはい。根性論で上手くなったら経験者なんていらねえよ。

お、みんなもう来てるな。」


そう言っているうちに、坂を登り、大学の門をくぐり、一限の授業がある教室に着いた。

するといつもつるんでいるメンバーが早く来ていたので僕はその近くに座り、適当な雑談をする。


今のこの空間はあの時と違い僕中心に廻ってない。それでも楽しいは楽しい。けど。


「なあ、佳!お前どうするの?スポーツ大会?面倒だからサボろうぜ?」

「ん…。それは…。」


今、僕達のグループはどうサボるかの話題に没頭している。

笑う事に慣れたから流される。流される。

僕はその空気に乗っ取り。


「うーん…。僕もさぼろうかな…?」

「だろ!だったらこの日ラウワン行こうぜ!」

「うん。」


ぎこちない笑顔と共に僕は肯定する。

きっと昔より笑顔が下手になった。それを実感しつつ笑顔を続ける。




バックのファイルに入った代表選手申請を忘れようとしながら。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


ふと授業中に僕は記憶。についての話題にペンを止めた。

どうやら記憶という物は忘れる事はあまりないようでそれを思い出す鍵、を入れられないから思い出す事ができないらしい。


「…ふーん。」


それ以外は興味ないので寝る事にした。僕は机に突っ伏すと講師の素晴らしい催眠効果のある語り部に眠りの世界へと引きづり込まれて言った。
















































































「はあ、はあ…。」


佳は関口先生の課題を済ますと自転車でひたすら走り続けていた。今日の部活は下川君にも言ったのだ。


僕がなんとかするって。


そう約束したんだ。だから急がないといけない。

いつもの様に森を何箇所も抜けてコートに辿り着くとみんなが練習をしていた。僕はそれを見ていつもの笑いを誘う様に。


「待たせたな!キングの登場だ!」


…いつもなら何かしらの反応があるはずだ。それなのにみんなからの反応は。


「…。」


無言。だった。


「あれ?滑ったかな…?」


僕はそうやってオドオドしていると小杉がキツイ表情で僕を睨むと威圧的な喋り方で。


「今日の部活…任せた。」

「は?」


そう言って小杉は自転車にまたがるとさっさと帰ってしまった。

僕はそれを見てポカーンとなりつつも。ふとコートを見るとりんが泣きそうになっていた。そして下川君の面倒な事になったという顔。そして他の部員の困惑具合。


「何があったのか…。聞かせてくれるよね?」


僕はそう言って優しくみんなに笑いかけた。

なお、この京介君にはモデルがいます。

イケメンギリィ…。

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