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戮力のデサイド  作者: 夜桜 優奈
第一話 欺瞞の土地神
1/1

前半 最後の友愛

 "神"、それは超自然的または宗教信仰として尊崇そんすんの象徴とされている空想的存在である。

 一方、民衆に好感をもたれず知名無き空想的存在も多くいるのも事実。

 その場合は尊崇そんすんの真逆である、畏怖いふの元凶と考えられている。

 そんな空想的存在が、大衆の大方認知されないだけで、本当は実存しており。 裏でこの世の中に影響を与えている...。

 

——秋田県秋田市:秋田県立上川高校。

——教室棟、2年B組。

 「んで、後ろに女が!」

 「……古典的だな、」

 「古典的ですね、」

 「・・・なんだよ、せっかくいいネタ持ってきたのに」

 「その記事、インターネットからとってきたやつだろ、」

 「……コウ、大丈夫かおめー。身体少し震えてるぞ」

 「も、問題ないよ、、、」

 「…………悪いごいねがぁぁ!!」 

 「ぎゃぁーー!!!!」

 「喜口、それやめて。…本当に今日のレポートでやる探索大丈夫ですか?コウくん」

 「う、うん。だ、だぶぶぅう、、」

 「…横手市にある神社。そこは戊辰戦争の戦いで焼けた一部の材料を使い立てた。しかもそこには生々しい銃弾の跡もある、お盆に落武者の格好をした幽霊や神霊が出るらしいからね」

 「う、、、。やっぱ無理かも、、、」

 「大丈夫だ、コウ。お化けなんてただの非科学的な現象だ。たとえ出てきても私が線香で成仏させてやる!」

 「…はい、玉依さん」

 「・・・先生もな、なんでこんなレポートを各班に出したんでしょうね...」

 「……なぁ話それるんだけどよ、少し気になることあるんだ。なんでお盆の季節じゃないのにそこに行くんだ?」

 「お盆だとレポート間に合わないでしょ、…それにこの期間(6月)だと丑三の時間帯に強い霊が出ないらしいし。早く終わらせたいならちょうどいいでしょう」

 「おう、そうなのか。サンキューな山田」

 

 教室のドアが突然勢いよく開く。

 「玉依、山田、喜口はいるか?」

 「はい、なんですか先生」

 「3人とも来週の大学のセミナーに参加するだろ。その打ち合わせの日程説明、今会議室でやるからきて」

 「えー!今ですか?!」

 「しゃーなし、行こうぜ!。んじゃ、後でなコウ」

 「コウくん、後でもう一回連絡すると思うけど。今日の午後8時に西口改札付近で集合だよ。では、またあとでね」

 「うん、またあとで………」

 

 

 * * *

 

 

 夕日がだんだんと沈む中、僕は俯きながら一人で帰宅する。

 「…ただいま、」

 「おかえりなさい、お風呂沸いてるから先に入っちゃって」

 「はい」

 言われたとうりシャワーで軽く身体を洗い流し、全身を湯船へと浸かる...。

 「hospitality、graduation、reign…………」

 

 50分後...。

 風呂から上がり家族全員で夕食を食べた後、自室に行き何気なくスマホを少しだけいじり、ホーム画面を確認する。

 時間の流れは早く、もう約束時刻まで20分しかなかった。

 (「そろそろ行かないとな、」)

 懐中電灯とバックを手に取り、暗くなった外をまた一人で駅へと向かった。

 

——JR秋田駅、西口。

 改札口、階段。駅構内に限らず屋外のバス停でも帰宅して来た人達により満たされていた。

 「おっ、コウじゃん!」

 構内の端でつたっていた僕を、偶然見かけた私服姿の玉依さんが後ろから声をかけてくれた。

 「山田と喜口のやつ、少し遅れて出たらしいから。そこで座って待ってようぜ」

 

 「・・・」

 「・・・」

 一緒に座ったのはいいもの、話すネタが無く。しばらく、お互いに目を合わせられないほど気まずい雰囲気を作り出していた。

 「なぁ、コウ。なんか最近悩んでいるのか、今日だって解散する時。元気なかったじゃん…」

 「え、たぶん気のせいじゃないかな...」

 「……それは嘘ついている時の反応だな…。お互い幼稚園からの付き合いだ、あの時みたいにキッパリ教えてくれ」

 ……隠していたつもりだけど、やっぱり。読みが深い玉依さんには気づかれてしまった...。

 僕は下を見つめながら玉依さんに悩みを打ち明ける。

 「最近、自分が何をしたいのかが分からなくなっちゃって。それがめっちゃ辛い。

 先日言われた大学進学か就職か、最初の人生を決める大切な分岐点。

 なのに、今の僕はそれを簡単に扱いそうで怖いんです。その未来を怖がっている、そんな自分が嫌いなんです。

 今まで、誰かの指示ばかり鵜呑みにして考えもせず動いてきた自分は本当にゴミみたいな人間で自業自得の罪です…」

 「…はぁー。ちげーよ、こっち向け」

 彼女の方に顔を向ける。すると、手に持っていたハンカチで涙により濡れていた顔を拭き取りながらこう言ってきた。

 「自分自身をそんな否定的に考えるな。

 確かに、"今の雪乃 洸"はビビりで涙脆くて、人の指示しか聞けない人間だ。 

 だけど、"私が知っている雪乃 洸"は頑張り屋さんで、人助けで、人を笑顔にさせるそんな男のはずだ。 それにまだ1年と半年もある、その間にきっとやりたいことは見つけられるはずだ。

 ただし、私達みたいに大学へ進学したいなら今の成績を落とさないことだな!」

 

 「・・・・・」

 「玉依さんにコウくん!」

 聞き覚えのある声の方に首を振り向く...。

 そこには山田さんと喜口さんが小さく手を振り、走りながらこちらへと向かってくる姿が見えたのだ。

 「やっときたか。それちゃんと洗ってから返してくれよな。………ボーっとしてないで早く行くぞ!」

 「は、はい!」

 

 「ごめんなさい遅れました。電車はあと3分したらホームにくると思うんで早くHASUMOで通りましょ……。あれ、コウくん少し目が涙ぐんでません?、、、もしかして、玉依さんが!」

 「はあー!。私がやるわけねえだろ!」

 「え?マジ、玉依がやったのか!」

 「だから、違うつってんだろぉ!!」

後半も見てくだされば嬉しいです。

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