表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

8/10

作戦

 抜群にかわいいアネは…抜群におバカです。 

 でも、そんなドジっ子ねーちゃんがオレにはドキュンなのです。

 

 もうさ、オレの心を鷲掴みですよ。

 

 なのにオレは…オレという人間は、アネをいつもディスってばかり…。

 

 

 一番バカなのは、やっぱりオレなのかもしれない。

 

 …

 

 ここは、一度本気でアネにぶつかってみようか?

 

 

 …

 

 でも、恥ずかしいな。

 

 …

 

 うん…恥ずかしい…

 

 でもでも‼︎

 このままじゃいけない‼︎

 

 完全にそう思う。

 

 だって…この前偶然くるみの好みのタイプを聞いてしまったのだ。

 

 

 さかのぼること数時間前、くるみは自分の部屋でだれかと電話していたのだ。

 

 おそらくお友達。

 

 そして…

 

 やっぱり優しくて心のイケメンが一番だよね〜と言っていたからだ。

 

 

 オレは…いつもくるみをバカにする発言しかしていない。

 

 だから、いつかくるみがどこぞの人間に心を奪われてしまう前に、オレがくるみの心を鷲掴みしたいのだ。

 

 

 そして絶対に大切にするのだ。

 

 

 というわけで…

 

 

 …

 

 

 とりあえずどうすりゃいいん⁇

 

 

 …

 

 わからない。

 

 まったくと言っていいほどにわからないんですけど⁇

 

 

 リビングのソファで困っていると、部屋からくるみが出てきた。

 

 

 チャンスタイムだ‼︎

 

「おう、くるみ。アイス食べるか?」

 

 …

 

 くるみは、一瞬目を輝かせたけど…でもすぐにスンとした顔をして、

「いい。」

 と断ってきた。

 

「かわいくねー」

 

 オレはまたこんなことを言ってしまっていた。

 

 オレのかわいくねーという言葉を聞いてくるみは、すかさず

「だって僚…いっつもあげるーっていうものは基本辛いか、めっちゃにがいかじゃん」

 というのだ。

 

 …

 

 それはごもっともです。

 正解‼︎

 

 …

 

 でも、今日はほんとになんにもしてなかったんだけどな。

 

 

 

 日頃の行いって…とても大事なんだなと気づきました。

 いまさらですがね…。

 

 

 作戦失敗しましたので、次の作戦を考えましょう。

 

 

 …

 

 次は…

 

 えっとー…

 

 何⁇

 

 わからない…

 

 

 するとそこに兄貴がやってきて、

「あ、くるみかわいい髪型してるじゃん」

 と褒めだした。

 

 

 そしたら、くるみのやつ表情がパァッと明るくなって、

「わかる〜、ありがとう〜」

 と笑顔になった。

 

 

 …

 

 

 なんなんだよ‼︎兄貴…

 

 一瞬にしてくるみを笑顔にしやがって…

 

 

 くるみの髪型がかわいいだと?

 

 髪型どころの騒ぎじゃないだろうに⁇

 

 もうさ、くるみはいつでもどんな髪型でもどんな格好でもかわいいじゃないか‼︎

 

 

 特に寝癖がついてる朝とか、抜群にかわいい‼︎

 

 もう、ギュ〜したいくらいかわいいのだ‼︎

 

 でもやっぱりオレは…兄貴みたいにあっさりとかわいいなんて言えません…。

 

 

 クッ…

 

 このままじゃダメなのに…

 

 

 どうすればいいって言うんだ‼︎

 

 

 …

 

「かわいいー‼︎めっちゃかわいいー‼︎」

 とにかくオレもかわいいがどうしても言いたかったので、猫の動画を見ながらかわいいを連呼したのでありました。

 

 

 …

 

 これじゃ本人に伝わるわけないんだけどね…。

 

 

 食べ物作戦も、かわいい作戦も失敗に終わった。

 

 次は…どんな作戦でいこうか…な。

 

 

 

 

 続く。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ