量子力学って、何?
「ねえ」
「ん?」
「量子力学って、何?」
「うーん……。俺に聞くなよ」
「どこで切るの? 量子、力学?」
「知らねーよ。りょう、しり、きがく、じゃね? たぶん」
「たぶんって何よ。正確に言って?」
「知らねーけど、まぁ、『しり』で切るところだけは間違いねーだろ」
「何よ! いい加減な男ね!」
「怒んなよ。だって考えてもみろ。知らねー言葉で小説書けるか? 俺にはできんな」
「それでも言い切りなさい! 主張のある文章を書く時は断定口調が基本よ」
「主張、ねーだろ!? 俺、なんにも主張してねーだろ!?」
「知ったかぶりぐらいできないの……?」
「いやしちゃいけねーだろ、それ!? 知らないことは知らないって言うほうが男らしくだろ!? あっ! クスッて笑うな!」
「子供みたい」
「男は子供なんだよ! 大人になっても子供! 子供の時も子供!」
「でも意中の女性に見つめられてるとオトナなふるまいするよね?」
「そう! 好きな女の子の前では姿を変える! そういうものなの!」
「なんか量子力学って何なのか、わかった気がする」
「いきなりどうした!?」
「美人さんの前では君、シャキーンとするでしょ?」
「うん。シャキーン」
「わたしの前では子供になるでしょ?」
「うん。ぼく5歳」
「ごめんやっぱりよくわからない!」
「そうだよわからないものをわかったように語っちゃいけないんだよ!」
「バカには難しすぎるお題でしたm(_ _)m」
「バカって言っちゃいけないんだぞ! ラジオでバカって言っちゃいけないんだぞ〜! 知らんけど」