2 本編開始
「おお勇者よ!我らに力を貸したまえ!」
『レベルが300に上がりました!』
「我らは今、卑劣なる魔族によって滅びる寸前にいるのです!」
『レベルが1100に上がりました!』
「もはや、我ら人類に残された領土はこの王都を囲む壁から内側のみ、残された人類は2000万人を下回っています!』
『レベルが3000に上がりました!』
いや、アナウンスがうるさすぎて内容が全く入ってこない。
え、何、人類が3000万人を下回ったって?
まぁ、全人類の人数が東京の人数並みになったとしたらマジでヤバいよね。
なんでそんな状況で呼んだんよ。
使えなかったら無理心中やんけ。
今この場にいるクラスメートは30人。
戦闘に慣れてない日本人とかいう雑魚に何ができるのか。
あの包帯男からチートを貰ったと言っても、やっぱり不安だ。
「至急、『ステータスオープン』と唱えてください!」
『レベルが1800にあがりました!』
マジでうるさいな。
「「「「ステータスオープン」」」」
一同が一斉にステータスを開く。
◇◆◇
『ダイチ・オオゾラ 17歳 男
レベル1900
HP:35000
筋力:4200
魔力:3200
敏捷:5000
忍耐:3200
知力:4000
幸運:3000
パッシブスキル【魔法全適性】
アクティブスキル
固有スキル【常時レベルアップ】
SP1900』
◇◆◇
なんかすげーことになってる。
基準がわからんけど、レベル4桁は普通じゃないだろ。
「では、一人一人のステータスを確認いたします。」
『レベルが2000になりました!固有スキル【オーバーブースト】を獲得!』
近くの兵士が、一人一人のステータスを見て、それを紙に書いている。
どうやら、クラスメート全員のステータスがすごいみたいで、兵士の人たちから驚きの声が聞こえる。
「もしや全員に【魔法全適性】が?」
「それだけでもすごいが、皆ニ〜三個程度の固有スキルを持っているぞ!?」
「ステータスも二桁の猛者ばかりではないか。しかもこれでレベル1、素晴らしい。」
あーね。
ほぼほぼ理解したわ。
これ、俺のステが完全におかしい。
他の奴らも、固有スキルで強いのかもしれないけど、レベル方面だと多分俺が一番だ。
俺のステータスを覗いた兵士がぶっ倒れたけど。
「れ、レベル35000!?」
「は!?」
驚いて、ステータスを再度見る。
◇◆◇
『ダイチ・オオゾラ 17歳 男
レベル35300
HP:17万
筋力:3万
魔力:2万3000
敏捷:4万
忍耐:1万
知力:8000
幸運:9000
パッシブスキル【魔法全適性】【魔法威力増大】【物理攻撃強化】
アクティブスキル
固有スキル【常時レベルアップ】【オーバーブースト】【メテオ砲】
SP35300』
◇◆◇
なんか、凄い上がってる。
アナウンスが100刻みだったのって、100刻みのファンファーレじゃなくて。100ずつ、レベルが上がっていたからなのか。
しかもこの感じ、毎秒レベルが上がってるな。
毎秒100レベルアップ?
イカれてるやろこれ。
「さ、さんまん!?間違い無いか!?」
「は、はい!しかも固有スキルが3個あります!」
「「「3!!?」」」
今度は、周囲のクラスメートたちからも声が上がる。
「大空くん!?それってホント!?」
「ダイチ!お前すげぇな!」
【属性全適性】はみんな持ってるんだろ?なら二つくらいは持ってそうだけど。一つの差がそんな凄いのか?
「あなたこそがこの勇者様たちのリーダーなのですね!!」
「あ、それは違います。そういうのは原岡にしてください。」
「ちょ、は!?」
いきなり話題を振られたイケメン男子原岡は、俺に驚愕の視線を向ける。
「お前もチート貰ってんだろ、はよ。」
「……俺は【魔神砲】ってかめ○め波が撃てるだけだよ。魔力を消費せずに自由に撃てる以外は特徴が無い。」
「は?おま、なんで?」
「男なら誰だって一回はかめ○め波撃ちたいだろ!!?」
このイケメン残念すぎる。
しょうがない、別のやつだ。
俺は、クラス1凛々しく、男子より女子に人気の高い宝塚系イケメン女子の姫野さんに目をやる。
「姫野さん!?君ならいけるよね!?」
「え、そんな、心の準備が」
「えっ、心の準備?」
「私は【魔法少女化】って固有スキル。1時間だけ魔法少女に変身できて、変身中はステータスアップと魔力無限になるの。」
「え、メルヘン全開やん、ギャップ強すぎん。」
「あ、憧れてたんだよ!可愛い女の子になりたかったんだ!」
頬を赤らめる姫野さんは、女子達をキュン死させた。
だめだこりゃ。
みんな欲望に忠実すぎるし、その欲望を再現率100パーを誇る神もすげー。
でも、俺だけなんでそんな適当なんだよ。
みんなと違ってスキルの情報もよく分からんし。
「と、とりま国王さんの命令をメインに据えて今後の行動について考えようや。」