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第22話 「ストーカー 後編」


なんで……なんでなんだ?


俺の脳は正常な思考が出来なくなるほどに混乱していた。


いや、混乱して当然だ。


だって、目の前にいるのがあの生徒会長、工藤沙耶香だぞ?


しかも俺をストーキングしていたんだ。


これでどうしたら冷静でいられんだよ。


彼女は俺の待ち伏せに驚いてその場に尻もちを着いた。


「ど、どうして……あなたが……」


「あ、あはは……」


バツの悪そうな顔で苦笑を浮かべる生徒会長。


こっちはこの訳の分からない状況で全然笑えないってのに。


と、そんなことより。


「だ、大丈夫ですか、生徒会長」


俺は腰を落とす彼女に手を差し出した。


「あ、ごめんなさい。どうも」


工藤は俺の手を取り、俺は手を引っ張って彼女を立たせた。


見たところ、怪我はなさそうだ。よかった。


……て、いや違う。そうじゃない。


「て、なんで生徒会長が俺をつけてきたんですか!?」


「そ、それは、その……だから」


なんかモジモジしながらぶつぶつと口篭る。


「え?なんですか?」


俺がそう聞き返すと、彼女は顔を赤くしながら声をあげた。


「……君のことがす、好きだから!だからつけていたんだ!!」


……………………。


俺は沈黙した。


ん?ん!?ん!?!?


あれ?今なんて言った?


俺の聞き間違いか?


「あ、えーっと……今、なんて?」


「だ、だから、ね。私が君のことを好きだって、言ったんだ……」


……聞き間違いではなかった。


「………はい?」


いやいや、何度聞いても意味がわからない。


え、あの生徒会長が俺のことを……え!?


……最近の俺の日常は、本当におかしい。


小学校の時に無意識に助けていた雅と再会。


中学校の時に無責任な言葉でなんか知らんところで助けていた彩乃の告白。


そして今、俺をストーカーしていた生徒会長からの告白。


なんだよこれ。


俺、いつの間にラノベ主人公に!?


おっと、この流れからすると、まさか……っ!?!?


俺はとりあえず告白を無視して彼女に確認をとった。


「あ、えっと……もしかして俺、生徒会長にどこかで会いましたか?」


もしかしたらまた、俺が忘れているだけで、どこかで彼女に好かれるような行動を無意識にしていたのかもしれない。


また忘れていたとかなら、俺相当な最低男だし。いや、もうだいぶ最低だけど……。


「ああいや、こうして顔を合わせたのはこれが初めてだ」


「それは、高校に入ってからは……とかじゃないですよね」


彩乃の時もそうだったからな。ちゃんと確認しとかないと。


「ん、これが正真正銘の初めてのはずだけど?」


「やっぱり!すみません俺忘れてて……って、あれ、初めてですか」


「ええ、そのはずよ」


じゃあなんで、どうしたら俺に告白するなんてことになるんだ!?


俺なにもしてないんだよね!?


「な、ならなんで……」


「初めて君を見た時から、君のことがずっと気になって仕方がなかったの」


ん、初めて見た時────いつだ?


「3週間ぐらい前だったかな、学校の手前にある交差点で君を見かけたの」



交差点……交差点……あの時は確か。


俺は彼女の言う3週間前のことを思い出す。


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