0話 ある女の子のおはなし
5歳にも満たないような女の子が 真っ暗な中で一人、ポツンと立っていた。
目をゆっくり開けてはみるが閉じてるときと変わらず辺りは真っ暗だ。
目蓋が閉じているのか、それとも見開いているのだろうか。
光のない世界では判別がつきようがない。
ぼーっとした顔のまま、真っ直ぐ・・・恐らく真っ直ぐに見つめている黒く広がる世界で1つ、変化が起きる。
光と思わしき輝きが色を変えて黒の世界を照らし始めたのだ。
最初は晴れた日の太陽のように明るい白
次は燃え盛る炎のような赤
最後は木々萌ゆる優しい青
そして・・・
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色鮮やかに広がる中で目が覚めた。
既視感を感じる・・・ここはどこか。
辺りを見渡すと広い場所をジグザグに重ねた線のようなもので囲んでいる。
ぼーっと、ぼーっと・・・ただただ立ちすくむ。
どうしてここにいるのだろうか。
とりあえず、止まっていても退屈だ。
歩いてみよう。
そのまま走ってみる。
走る。走る。
ちょっと楽しい。
ぐるぐる横に回転してみた。
楽しい。
蹴りやすそうなあちこちに落ちていた小さくて硬いものを蹴ってみる。
そのまま走ってみると、とっても楽しい。
何をしていたんだっけ。
ここはどこだろう。
上に広がる色はなんだろう。
自分は・・・誰だっけ。
楽しいから、まあいいか。
このお話はフィクションです
頑張って未来を描いていきます





