表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/2

常在戦場はお断り

 玄関の前、半長靴を履きながら父は言った。

「歩夢、お父さんはこれからサバゲーに行ってくる」

「しゃばげー?」

あどけない瞳をした少女は、首を傾げなら答えた。

「そう、サバゲーだ。無事に帰って来られるかは分からん。夕飯はステーキが良いなと母さんに伝えてくれ。」

お世辞にも広いとは言えない我が家の玄関。彼は、壁に立てかけてある、少女の身長より少し高い黒のバッグ。そして、少女の身体がすっぽり入りそうな大きいバッグの2つのバッグを手に取り、そう言うのだった・・・。


・・・・・・

・・・・・

・・・

・・


「って!ステーキは食い損ねてこそのセリフでしょ!」


突っ込みを入れた矢先、眼前に広がるのは自分の部屋。

「ああ、もう、朝からスッキリしない朝だわー。ふぁー。」

大きな欠伸をしながら、夢で見たよりも背丈の大きい少女は,カーテンを開けに窓辺に来た。


シャーっと子気味良い音をカーテンレールは奏で、少女は朝の陽ざしに包まれる。

「んーっ。今日は快晴!本日は快晴なり!晴朗なれど波高しってね。」

伸びをしながら、気分を整える。

「今日は大学の入学式。遅刻しないようにしなきゃね。時刻は・・・っと。」

時計が映す時刻は『9:25』


「あ・・・。入学式は10時からだったわね。」

「おわったああああああ!!!」

少女は叫んだ。叫んでも時刻は変わらないのに。


「何?敵襲か!?」

夢で見たよりも少し老けたおっさんがドアを蹴破り入ってきた。

「うわーん!遅刻の原因が突入してきた!本当に終わりだよ!」

少女は叫んだ。寝坊した自分が一番の原因なのに。

「まてまて、落ち着け。マイスウィートドーター。こういう時はラマーズ法をだな・・・」


「朝から煩いわよアンタ達!!!」

バズン!カシャ!バズン!

「「うぎゃー!ヒット!」」

正確無比な射撃で部屋は第2の侵入者に瞬く間に制圧されてしまった。


「それで、何の騒ぎなの?」

部屋に入ってきた女性(母)は、ポケットからシェルを取り出し、リロードしながら2人を一瞥する。

「うぅ・・・。ゴーグルも着けてないのに撃ってくるなんて・・・。」

「脚が・・・。脚が痛いよう・・・。」

カシャン

「な・ん・の騒ぎなの?」

正座した2人を前に、母はM870をコッキングしながら問いかける。

「お父さんのせいで、だ・・・大学の入学式に遅刻しちゃうから」

「えぇ・・・。僕が何をしたって言うんだい?」

「うーん、ステーキとパインサラダを間違えた?」


「「「・・・」」」


「と、兎に角このままじゃ入学式に間に合わないの!あー、もう35分!バスで一本だって言っても、20分掛かるんだから無理じゃない!なんで起こしてくれないの!?」

ため息をつきながら母は答えた。

「大学生なら自分で起きれる。子ども扱いしないでって、言ったのはどこの子かしら?」

「そうそう。僕が起床ラッパしてあげるって言ったのに、断ったじゃないか。」

続く父。

「でもでも!限界ラインってあるじゃないの!」

母はこちらを見ながら、ゆっくり近づき、私の唇に銃口を当てた。

「はいはい。困ったちゃんはお静かに。大学の入学式は正式には10:30スタート。10時は開門よ。今から着替えて、朝食を摂りなさい。その後、パパが車で一緒に送ってくれるから。」

「は、はぃ。」


私は急いで支度するのだった。


続きはまったり更新予定。

みんなでサバゲーやろうぜ!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ