第7話 初めてのレベルアップ
《森賢熊を討伐しました。》
《称号【ヴェルダンの縄張り主】を獲得しました。》
《称号【格上殺し】を獲得しました。》
《称号【森賢熊討伐者】を獲得しました。》
《称号【エリアボスソロ討伐者】を獲得しました。》
《レベルアップしました。》
《レベルアップスキルポイント35SPを獲得しました。》
《レベルアップステータスポイント70JPを獲得しました。》
《PM専用報酬:森賢熊の剥製、森賢熊の絨毯、リアル森賢熊の着ぐるみ、キョテント1つ、生存ポイント1000P,スキルポイント10SP,ステータスポイント10JP》
ファンファーレとともにログが流れていく。
そこには会得した称号と報酬があった。PMの報酬はどうやら家具がメインのようだ。
糸だるまの熊さんはそのままなのだが、これもお持ち帰りが出来るからだろうか?
まずはステータスの確認をして、それぞれのポイントを振り分けることにした。もちろん、配下の子蜘蛛のポイントも振り分ける。
《八雲ステータス》
名前:八雲
種族:小蜘蛛
性別:男
称号:【ヴェルダンの縄張り主】【格上殺し】【森賢熊討伐者】【エリアボスソロ討伐者】
配下:小蜘蛛4匹
Lv:8(+7)
HP:60/60 MP:80/80
筋力: 8魔力:11
耐久: 7魔抗: 8
速度:14気力:13
器用:20幸運: 5
生存ポイント所持:1000(+1000)P貯蓄:805(+2)P
ステータスポイント:80(+80)JP
スキルポイント:65(+45-10)SP
固有スキル
【糸生成Lv16(+2)】【糸術Lv18(+2)】【糸渡りLv14(+1)】【糸細工Lv4(+2)】
スキル
【繁殖Lv2(+1)】【夜目Lv9(+1)】【隠蔽Lv8(+2)】【気配感知Lv6(+1)】【魔力操作Lv16(+2)】【識別Lv4(+1)】【風魔法Lv2】【魔力感知Lv5(+1)】【思考回路Lv1】【投擲Lv1】new
【投擲】
物を投げた際の命中率と飛距離をあげる。
糸を使うにせよ魔法を使うにせよ、MPは多ければ多いほど楽になるので、多く振り分けることにした。
どんな食べ物でも食べられる気力と、糸の操作と移動力はいるので、器用と速度は必須だ。
スキルについてはまだいるものがわからないので保留だ。
《八雲ステータス》
名前:八雲
種族:小蜘蛛
性別:男
称号:【ヴェルダンの縄張り主】【格上殺し】【森賢熊討伐者】【エリアボスソロ討伐者】
配下:小蜘蛛4匹
Lv:8(+7)
HP:100/100(+4×10) MP:200/200(+12×10)
筋力:13(+5)魔力:25(+14)
耐久:10(+3)魔抗:18(+10)
速度:25(+11)気力:20(+7)
器用:30(+10)幸運:9(+4)
生存ポイント所持:1000P貯蓄:805P
ステータスポイント:0(-80)JP
スキルポイント:65SP
固有スキル
【糸生成Lv16(+2)】【糸術Lv18(+2)】【糸渡りLv14(+1)】【糸細工Lv4(+2)】
スキル
【繁殖Lv2(+1)】【夜目Lv9(+1)】【隠蔽Lv8(+2)】【気配感知Lv6(+1)】【魔力操作Lv16(+2)】【識別Lv4(+1)】【風魔法Lv2】【魔力感知Lv5(+1)】【思考回路Lv1】【投擲Lv1】
とりあえず自分はこんな感じにしておいた。次は子蜘蛛達なのだが、最初の4匹だから属性に合わせた名前をつけて、ステータスを割り振ることにした。
《配下の子蜘蛛のステータス》
名前:風魔、水魔、炎魔、土魔
種族:小蜘蛛
主君:八雲
Lv:7(+6)
HP:110/110(+5×10) MP:210/210(+10×10)
筋力:11(+5)魔力:20(+8)
耐久:12(+5)魔抗:17(+7)
速度:15(+5)気力:18(+5)
器用:25(+5)幸運:10(+5)
ステータスポイント:0JP(-60)
スキルポイント:30SP(+30)
固有スキル
【糸生成Lv4(+3)】【糸術Lv3(+2)】【糸渡りLv3(+2)】【糸細工Lv1】
スキル
【繁殖Lv1】【採取Lv1】【夜目Lv1】【隠蔽Lv1】【気配感知Lv1】【魔力操作Lv3(+2)】【魔力感知Lv1】【思考回路Lv1】
【風,水,火,土魔法Lv1】【裁縫,調合,鍛冶,細工Lv1】
ステータスについての振り分けが終わったので、魔糸の木杭を回収して糸だるまを解放する。糸だるまの糸も回収できたので木杭に巻き付けて綿菓子みたいなものを作っていく。
フウマたちも手伝ってくれる。小さなお手手でくるくるしてるので、糸が手まで覆い尽くしてしまい、大慌て。とってあげるとこちらにお辞儀してきた。
可愛いのでついつい頭を撫でてしまった。すると、静かになった。
よくわからないので、次の子の救助に向かった。
集めた糸は食べることはできなさそうだが、裁縫には使えそうだ。血染めの糸だから少し不気味にも見えたが、エリアボスの血だ。なにかしら効果を持っているかもしれない。
糸だるまになっていた森賢熊は、木杭によって穴だらけになっているが、それ以外に損傷が見つからなかった。
森賢熊は木杭によって穴だらけになったことで、ついでに血抜きもされたので鮮度はバッチリだ。
綿菓子になった魔糸は抜かれた血を吸ったことで、森賢熊の血糸という名前に変わっていた。
これはフウマにあげた。裁縫でなにか作ってくれるかもしれない。
配下の持ち物は俺が持つのではなく、配下専用のインベントリがあるようで、失くさないように渡すことができた。
色々見ていくと、配下についてわかってきたことがある。それは配下も敵を倒すと生存ポイントを得ることができ、死んだらその生存ポイントを使用して拠点で復活することができるということだ。
つまり、プレイヤーとさほどの違いはないことになる。そんなわけでもしかしたら拠点がいつの間にかリフォームされてるなんてことがあるかもしれない。
今のところ特に問題はない。なぜなら拠点には机と椅子と小さな畑しかないのだから、いじられてもなんとも思わない。むしろなにかやってほしいと思うくらいだ。
問題なのはこの熊さんをどうやって持って帰るかなのだが、木の枝と同じくインベントリに入れようとしても入らない。なら、どうすればいいのか。関連したスキルがあるのか探すしかない。
探してみると案外簡単に見つかるものだ。それは【解体】スキルだ。10SPを消費して覚える。識別で調べてみる。
【解体】
魔物や動物の死体を解体して素材を得ることができるスキル。スキルレベルに応じて品質とドロップ数が増加する。Lv1の時は品質F×5個。10レベル毎に1個増加し、5レベル毎に品質が一段落アップ。
この説明を見た瞬間、かなりショックを受けた。今まで魔物がいなくてスキルレベルを楽に上げることが出来ていたが、その弊害かエリアボスのドロップ素材がゴミと化してしまった。
このことをそわそわしている配下に伝えると、わかりやすく絶望していた。初めての食肉が最低品質とか、なにが嬉しいのやら、特に苦労もなく倒した魔物ということで落ち着くことにした。
解体には通常、解体ナイフと言われる短剣を使うのだが、PMにそんなものを買うことはできないのだから、自らの脚を使うしかない。補正?そんなものはありませんよ。
結果としては《森賢熊の肉》《森賢熊の毛皮》《森賢熊の手》《森賢熊の牙》《森賢熊の爪》が3つずつ貰えた。どうやらこれは配下の分も入っているようで少し得することができた。肉以外は拠点のアイテムボックスに収納することにした。
空腹が少しあったので、枝を集めたときの木の実を食べることにした。甘酸っぱく木苺のような味がしていたので、わりと美味しくいただくことが出来た。
子蜘蛛達を引き連れて第一エリアへと行ってみることにした。
通るのは地面ではなく、木の上だ。わざわざプレイヤーに見つかる必要性を感じないので、そうすることにした。
予定としてはエリアボスと始まりの街?の中間辺りに拠点を作りたいものだ。第一エリアの印象としては第二エリアよりも木の高さが半分ほどしかなく、木の上から眺めると遠くに街の壁が見える。
大体3マス分歩いてると当然のように夜になったが、夜目を持っているので、問題なく進むことが出来た。途中、木の枝に鳥がとまっていたので、識別すると、なんとあの夜梟だった。
「今は起きてる時間かな?ちょっと空腹を感じてるし、狩ってみようか」
すぐさま夜梟の周りを糸で囲んでいく。異変に気がついた夜梟は羽を広げて逃げようとするが、既に遅い。羽に糸が絡み付いて地面に落下していく。
糸を飛ばして地面へと落ちる前に夜梟を絡み取った。
糸を手繰り寄せて夜梟を睨み付けるとブルブルと震えていたので、配下と共に脚を刺したり牙で噛んだりして倒した。慈悲はない。弱肉強食な世界で手加減はしない。
解体すると、《夜梟の羽根》《夜梟の鉤爪》《夜梟の手羽先》×2《夜梟の胸肉》を手にいれることができた。
夜梟を生肉のまま食べてみたのだが、ちょっと臭みの強い鶏肉だったが、食べられないほどのものではなかった。
夜梟を絡み取った魔糸が当たり前のように血を吸いとって、夜梟の血糸になっていた。これもフウマにあげる。
3マス分歩き終えたのでキョテントを張る場所を模索する。木が生い茂っているから、特に隠れることはしなくてもいいが、少し先に明かりがあるので、もしかしたら近くに村でもあるのかもしれない。
少し遠いところに岩場があったので、そこに向けて移動することにした。あそこに丁度いい峡谷があればそこに住み着くのだが、岩場ということもあって採掘で人が来るかもしれない。
それよりまずはキョテントが優先だ。
木の上が安全すぎるのか、それともこの辺りの魔物は地面を移動するものしかいないのかわからないが、特に遭遇することなく岩場に移動することが出来た。
岩場には断崖絶壁もあれば、渓谷もあった。第一エリアのわりに危険なエリアもあった。
岩場にはいくつか横穴があり、人にはどう頑張っても登れそうもないところがあったので、そこにキョテントをつくることにした。
人には登れなくとも糸を張ればどこでも登ることができる蜘蛛は優秀だった。地面から崖に向けて糸を飛ばして張り巡らせていく。それを配下とやり続けること1時間、絶壁の横穴に到着した。
横穴の中を進んでいくと先住民であるコウモリが無数に存在していた。入り口からひたすら中に向けて糸を張り巡らせていくと、簡単に糸で捕まえることができた。
コウモリ達は逃げるように奥へ奥へと進んでいき、俺たちも追いかけるように奥へと進んだ。すると巨大な空洞に出た。そこには先程の数倍のコウモリがいて、こちらを睨み付けてきた。
「うん、撤退しよう」
魔糸を巨大空洞の入り口に張り巡らせて閉じる。横穴には入り口から巨大空洞への道と行き止まりへ続く道があった。行き止まりの方にキョテントを設置した。
拠点に入るとルカさんがにこにこしながら野菜スティックをかじっていた。
「おかえりなさいませ」
ルカさん、またよだれ出てますよ。また寝てたんですか?気にするのは負けな気がしてきたのでスルーを決め込むことにした。
「ただいま」
「ヴェルダンの縄張り主の討伐おめでとうございます」
「お土産の森賢熊の絨毯と剥製です」
「立派な森賢熊ですね。この絨毯もいい手触りです」
絨毯はルカさんがいつも横になっているところに敷いて、剥製は中央に設置した。思ってたより剥製の迫力がすごかったせいかドーマが後ずさりをしていた。
「では、報酬の方は振り込んでおきますので、お確かめください」
「ついでにエリアボスを倒した報酬を預けてきますね」
生存ポイントは生存箱へ、素材は収納箱に納める。それにはフウマ達も付き添ってくれた。フウマも渡されたとはいえ、失くしてはいけないと、収納箱に糸をしまっていた。
夢中になる俺達を、遠くにいたルカさんはにこにこしながら見つめていた。
《八雲ステータス》
名前:八雲
種族:小蜘蛛
性別:男
称号:【ヴェルダンの縄張り主】【格上殺し】【森賢熊討伐者】【エリアボスソロ討伐者】
配下:小蜘蛛4匹
Lv:8
HP:100/100MP:200/200
筋力:13魔力:25
耐久:10魔抗:18
速度:25気力:20
器用:30幸運:9
生存ポイント所持:0P(-1000)貯蓄:2805P(+2000)
ステータスポイント:0JP
スキルポイント:55SP(-10)
固有スキル
【糸生成Lv18(+2)】【糸術Lv20(+2)】【糸渡りLv16(+2)】【糸細工Lv4】
スキル
【繁殖Lv2】【夜目Lv10(+1)】【隠蔽Lv10(+2)】【気配感知Lv8(+2)】【魔力操作Lv17(+1)】【識別Lv6(+2)】【風魔法Lv2】【魔力感知Lv6(+1)】【思考回路Lv1】【投擲Lv1】【解体Lv2】new