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第39話 成長する子蜘蛛たち

すごい、ブクマが減ってる。

よし、もう1話投稿してやろ。


明日もう1話投稿できるかと、一応2000字は書いたからいけるはず。


魔糸槍→魔糸の木杭に修正しました。

 巨木は攻勢する姿勢を崩さず、こちらに根っこを使った攻撃を繰り出した。それも引き抜いた木を掴んでだ。持っている木が不規則に枝を伸ばしているせいか、動きが読みづらい。それを助長するように根っこも分岐して持った木から根っこが突き出ていたりする。


 つまり、先端ほど動きが読みづらく、避けることが難しくなっている。それなら、根っこの真ん中辺りならどうかといえば、鞭のようにしなる根っこのため、ここも危険だ。


 動き回る根っこなら、どう対処すればいい。答えは簡単だ。動きを止めればいい。やることが決まり、指示を受けたフウマたちは先程の体たらくが嘘のように根っこを逆に翻弄しはじめた。


 「そうだ。俺達は俺達のやり方をすればいいんだ」


 子蜘蛛たちは糸を飛ばし、少しずつだが確実に巨木の動きを止めていった。巨木なら火を使えばいいだろうと思うが、試してみると効かなかった。弱点を見事に克服した木であるため、こうするしかなかった。


 身動きを止めることができたが、簡単に終われないのがエリアボスだ。真っ白になった巨木に魔法や爪で攻撃していると、あの枝を飛ばす攻撃をする。それは糸に防がれるが、少しずつだが糸が巨木から離れていっている。


 枝が飛び出てくる。これを何とかしないと、と考えていると、なにを思ったかコクマが突き出てきた枝をへし折って渡してきた。首をかしげていると、コクマはキラキラとした目で糸でくるんだ。


 「それってもしかして、魔糸の木杭か?」


 コクマはコクンコクンと頷き、皆に見せびらかすように掲げた。どうやら自慢したいらしい。コクマが作った魔糸の木杭はそこらへんの枝で造ったよりも丈夫で、先が元々尖っていることから、いつものよりも格段に性能が良さそうだ。


 「これは使えるな…コクマ、もっと集めてつくろう」


 コクマたちは突き出た枝を集めては俺に渡した。そのおかげで離れた糸が戻り、巨木の動きは次第に止まっていった。枝を出すのにもMPを使うのだろう。枝は出てるもの、地面に刺さっているものは回収した。


 再び真っ白になった巨木だが、糸の隙間から黒い煙のようなものが立ち上ってきた。それは糸を黒く染めていったかと思うと染まった糸は粘着力を失い、巨木から剥がれ落ちていった。


 「くるぞ!」


 おそらく第二形態に入ったのだろう。くまさんも急に暴れだしていたので、これも同じようなものだろう。それもこちらが不利になり得る変化だが。剥がれた糸を鞭のような根っこが振り払うと、今度は飛ばしていた枝が、幹から離れずそのままとなった。


 変化を注意深く眺めていると、地面が揺れたかと思えば、根っこが生えた。避けられず空中に投げ出されると、待ってましたと言わんばかりに根っこがしなりながら迫ってきた。


 「…っ」


 これは痛いダメージだ、と手をクロスしながら防御体勢をとる。覚悟を決めた俺だったが、攻撃を受けることはなかった。いつの間にか身体に巻き付けられた糸によって、根っこの軌道から逸らされたのだ。


 「さすが、フウマだ。ありがとう。今度は地面にも警戒しよう。揺れたら根っこが襲ってくるぞ」


 糸を溶かす黒いもやだったが、俺達は別に糸しか攻撃手段がないわけじゃない。枯れた木に水を与えるのは回復しそうだったので、水以外の属性魔法だ。


 「『土槍(アースランス)』『土礫(アースバレット)』『風槍(ウィンドランス)』」


 止まると根っこが生えてくるので、移動しながらの魔法攻撃だ。的は大きいので外すことはない。魔法の弾幕に対する攻撃は根っこによって叩き落とすことだったが、根っこも巨木のものであり、ダメージを与えることができる。つまり、今のところ巨木に防ぐ手立てはない。


 魔法の弾幕にはMPの回復手段があれば、こちらで消耗することはない。ポイントは今のところ増加していくだけで、減っていくことはない。そのため、回復には躊躇することはない。


 回避に努めるなかでフウマたちの動きがよくなっていった。どうやって避ければいいのか、どうしたら攻撃をうまく当てられるのか、フウマたちは自分たちで考えて動いている。フウマたちの成長を微笑ましくも思いながらも、自分に何ができるかを考える。


 フウマたちを大事にするばかりではなく、成長するため、強くなるためにはどうするのかを考えていかなければならない。だからこそ、もっとフウマたちと触れ合ってお互いの良さを知り尽くさなければ。


 考え事をしていると巨木は更なる変化を始めた。黒いもやがさらに溢れだし、それが巨木を守ることから、自壊を始めた。動きが緩やかになったかと思えば、動きを完全に止め、巨木はひび割れていき、そして真っ黒な塊が出てきた。


 「クキュルルルルルッ」


 塊は黒いもやを全身から発していたが、咆哮とともにそれは液体に変わり、その全貌が姿を現した。小さい羽を四対生やし、見た目は小人の妖精だ。それは精霊樹で見かけた精霊と似ているが、異質な存在だった。


 邪精霊とでも呼べるそれは、両手を合わせ、液体と化した黒いもやを操りだした。魔法で攻撃するも、黒いもやが防御した。


 「こいつ、強いぞ」


 弾幕を自動防御する黒いもやは散弾し、襲いかかってくる。それを糸で防ごうとしたが、溶かして透過した。糸が無意味なことが証明されてしまった。なら、魔法でとなるが、これも防がれた。


 「他になにかないか?コクマ?そうか、魔糸の木杭か!」


 視線を巡らせ、対抗手段はないか模索していると、コクマがまだ持っていた枝に糸を、それも闇の魔糸でだ。時間で効力を失うが、投擲された魔糸の木杭は黒いもやで防がれたが、枝だけは溶かされることなく邪精霊に突き刺さった。


 「クキュルッ!?」


 俺は枝を四方に投げてフウマたちに渡す。それを拾い上げたフウマたちは自身の得意とする属性の魔糸の木杭を作り、邪精霊に投擲する。黒いもやで防げないなら回避行動をとるしかない。


 邪精霊が今度は逃げ惑う番だ。魔糸の木杭はアイテムであり、壊れない限りは使い続けられる。当たらなかったら糸でひっつけて回収する。一発でも当たれば邪精霊は悲鳴をあげながら動きを止めた。それを狙い、一斉攻撃を繰り出す。


 すでに邪精霊の脅威は薄い、一方的(ワンサイドゲーム)状態だ。


 「クキュックキュルルルーーーッ!」


 魔糸の木杭がハリネズミのように刺さり続けた邪精霊は悲鳴をあげて、どさりと地面に倒れた。すると、黒いもやは空気に溶け込むように消えていった。


狂った邪精霊樹クレイジーイビルエレメントを討伐しました。》

《称号【狂った邪精霊樹クレイジーイビルエレメント討伐者】を獲得しました。》

《PM専用報酬:狂った邪精霊樹クレイジーイビルエレメントの槍、狂った邪精霊樹クレイジーイビルエレメントのアトラクション、狂った邪精霊樹クレイジーイビルエレメントの種、キョテント1つ、生存ポイント1000P,スキルポイント10SP,ステータスポイント10JP》


 どうやらあの巨木は精霊樹だったらしい。俺が知っているものよりも大分小さいが、なぜ邪精霊樹になったかはいずれわかるだろう。それより解体をして次の周回をしよう。


 すでに攻略方法は見つかっている。


 第一形態で糸による拘束、第二形態は魔法による弾幕、第三形態は魔糸の木杭による投擲だ。これらについてはフウマたちに伝えてもらう。今回の戦いでは苦戦を強いられたので、ステータスの整理と新たなスキルの取得と魔法の獲得に入る。


《主人公のステータス》

名前:八雲(ヤクモ)

種族:女帝蜘蛛(エンプレススパイダー)《幼体》

性別:男

称号:【ヴェルダンの縄張り主】【格上殺し(ジャイアントキリング)】【森賢熊(フォレストベア)討伐者】【エリアボスソロ討伐者】【女王蜘蛛(クイーンスパイダー)】【精霊(エレメント)守護者(ガーディアン)】【精霊樹の加護】【小悪鬼長(ゴブリンリーダー)討伐者】【岩蜥蜴(ロックリザード)討伐者】【砂塵地虫(ダストワーム)討伐者】【青牙蛇(ブルーサーペイント)討伐者】【エリアボス懐柔者】【骸骨暗黒騎士ダークナイトスケルトン討伐者】【エリアボス略奪者】【狂った邪精霊樹クレイジーイビルエレメント討伐者】

二つ名:【悪夢】【首狩り】【妖怪順番抜かし】

配下:子蜘蛛たくさん100匹+α

→Lv40(8)Lv39(30)Lv38(10)Lv37(25)Lv36(3)Lv35(34)+α

配下:

《クナト》骸骨暗黒騎士ダークナイトスケルトンLv??

《くましゃん》骸骨暗黒魔法士ダークマジシャンスケルトンLv??

《くましゃん二号》骸骨黒魔法士ダークマジシャンスケルトンLv??

《ユーク》屍異鬼ユニークコープスLv??

Lv:40

HP:830/830(+10×23) MP:1100/1100(+10×11)

筋力:70(+10)  魔力:90(+10)

耐久:80(+10)  魔抗:90(+10)

速度:90(+10)  気力:70(+13)

器用:90(+10)  幸運:50(+10)

生存ポイント 

所持:5万1000P 貯蓄:1850万3659P

ステータスポイント:0JP(+10-117)

スキルポイント:272SP(+10-30-30)

固有スキル

【魔糸生成Lv12→13】【魔糸術Lv7→8】【魔糸渡りLv7→8】【糸細工Lv12→14】【毒術Lv13】【糸傀儡Lv1】


特殊スキル

【精霊視Lv3→4】【暗殺術Lv2】【暗器作成Lv1】【罠術Lv3】【罠作成Lv2】【遠距離投擲Lv3→4】【軌道予測Lv2→3】【命中率上昇Lv2→4】【王権Lv1】【天網Lv1】


専門スキル

【言語学Lv4】【武器学Lv5】【防具学Lv5】


スキル

【繁殖Lv4】【夜目Lv29→MAX→闇夜眼Lv1】【隠蔽Lv28→29】【気配感知Lv24→25】【魔力掌握Lv5】【識別Lv15】【風魔法Lv12→13】【魔力感知Lv23→24】【思考回路Lv2】【投擲Lv18→20】【解体Lv24→25】【魔力上昇Lv11→12】【爪術Lv17→18】【水魔法Lv9】【土魔法Lv4→5】【闇魔法Lv1new】【光魔法Lv1new】【火魔法Lv1new】


 ステータスを大幅に更新して、さらに新しく魔法を覚えた。これは思考回路がLv2になったことで必要に迫られたものだ。手数は多い方がいいに越したことはない。そして夜目がレベルMAXになったことで、闇夜眼を手にいれた。これで自然による闇以外でも視界良好になる。


 覚えた魔法は次の通りだ。


【思考回路Lv2】

 保存したい知識をイメージとして保存する。保存できるイメージはスキルレベル×10個である。(20/20)火魔法と光魔法、闇魔法を取得。

闇霧(ブラインド)》暗闇の霧を発生させ薄暗くする。

闇鍋(ダークパーティー)》闇で包み込み、含んだ魔法を混ぜる。

火矢(ファイアアロー)》火の矢。

火花(ファイアフラワー)》ランダムに火を放つ。

火線(ファイアライン)》真っ直ぐに火を伸ばす。

闇雲(ダーククラウド)》闇の雲。

(ライト)》ただ光る。

光線(ライトライン)》真っ直ぐに光を伸ばす。

闇蜘蛛(ダークスパイダー)》闇で蜘蛛を形どる。

火槍(ファイアランス)》火を槍の形に圧縮したもの。


 使い方はそれぞれ考えているので使うのは楽しみだ。そろそろフウマたちのレクチャーが終わったので、次の周回グループを集める。コクマが作った魔糸の木杭をみんながきらきらした目で見ていたので、士気は良好だ。


 「みんな、魔糸の木杭の準備はいいかな?じゃあ、いこうか」


 楽しそうに魔糸の木杭を掲げる子蜘蛛たちはまるで遠足にいくような気分だ。これから激しい戦闘にいくとは思えない雰囲気だった。それでも俺はこの雰囲気が好きなのでなにも言わない。戦闘に入れば、うちの子は切り替えることができるからだ。


 十一周するのに二日を要したのだった。なぜなら今日は青牙蛇(ブルーサーペント)骸骨闇騎士ダークナイトスケルトン狂った邪精霊樹クレイジーイビルエレメントの周回をしたからである。これでイベントまであとゲーム内時間で四日だ。


蜘蛛が可愛く見えてきたかな?


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― 新着の感想 ―
[気になる点] 《狂った邪精霊樹クレイジーイビルエレメント》 《称号【狂った邪精霊樹クレイジーイビルエレメント討伐者】を獲得しました。》 上の《》内、○○を討伐しました。では? あと、誤字報告機能…
2020/02/26 17:37 退会済み
管理
[一言] 顔をデフォルトすれば
[一言] 更新ありがとうございます! 子蜘蛛可愛いですよ!
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