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第33話 進化後からのイベント告知

 俺達は進化した後、さっそく力を試しに行きたかったが、俺がおねむの時間だったのでログアウトした。今日でサービス開始から4日目が終わった。


 翌朝、やることをやって再びログインすると、こちらに気がついたフウマ達が整列し出した。最前列には女王蜘蛛達、その後ろに色・属性の蜘蛛達、精霊蜘蛛達と続いて並んでいた。


 「どうしたの?」


 「八雲女帝陛下に敬礼!」


 「「「「「(*`・ω・)ゞ」」」」」


 子蜘蛛は俺に向かって敬礼すると、俺はフウマ達に呼ばれて広場に向かうとそこにはなんと、円卓の机と椅子があった。なぜかそこに座るように誘導された。


 「え?これはなに?」


 フウマに聞いてみると待つように言われたので、黙っていると違う魔法陣からホブゴブリンとスケルトンがそれぞれ2列で入ってきた。困惑してるところに御輿に乗ったカルトとカレーが現れた。


 スケルトン達とホブゴブリン達は子蜘蛛達の後ろに並び、カルトとカレーは俺の左右の豪華な椅子に腰掛けた。


 さらに味噌汁ご飯、ジュリアーナ、ミント、ヒデ、たかしくんと続いて座っていき、いくつか知らない人?まで入ってきた。円卓の席が埋まるとカルトが立ち上がった。


 「これから《魔物襲来公式イベント》の会議を始めるッ!」


 「「「「「うおおおおおおーッ!」」」」」


 え?なにこれ?


 会議はイベントの日程と全員の予定を聞いて、「楽しみましょう!」とか言って解散した。これは果たして大々的に集まってまでやる行事だったのか謎だが。一番謎なのは知らない人の言葉まで理解できるということだ。フレンドになった記憶はないのだが、何故なんだろう。


 ちなみにイベントはリアル時間で2日後、ゲーム内時間で一週間後だ。イベントはリアル1日、ゲーム内4日。祝日なので人が多いのは確実だ。


 円卓に残ったのは最初に入ってきたカルトとカレーだけだ。結局知らない人の言葉がわかる理由についてはわからないままなので、あとでルカさんに聞こう。


 「八雲はイベントに配下何匹で参加するの?」


 「今のところは俺を含めて101匹だけど、それがどうかしたの?」


 「PHとの人数差を考えると少しでも多い方がいいんだよね。だから配下を持つPMには数を増やすことを進めてるんだ」


 「なるほど、増やそうと思えば増やせるけど…」


 「じゃあまかせた」


 任せたって。いやいや、増やせるけど子育てわりと大変なんだが、毎日100個増えてく卵の使い道には困ってたけどさ。


 「カルトとカレーはどれくらい配下いるの?」


 「僕?僕は300くらいはいるかな。精鋭は50ぐらいだけどね」


 「俺は500匹はいるぞ。村の周りはゴブリンが生息してるからな。自然と増えてった結果だな」


 300に500って配下に上限はないのかな。500匹規模は村ではなく町ではないのかというツッコミは置いといて、今日やることについて考える。戦力の増強を行うなら、子育て班とレベル上げ班に別れよう。


 「八雲、防具作りたいからまた糸を分けてくれねぇか?」


 「いいけど、種族バラバラだから糸も変わるんじゃないか?」


 「そうか、なら数種族分頼む」


 「りょーかい」


 後ろに控えていた子蜘蛛達をいくつかホブゴブリンの背中に張り付いてどこかにいった。


 「あ、じゃあ僕の配下達の防具もつくってくれないか?」


 「いいぞ、なら糸も倍欲しいところだな」


 「はぁ、わかったよ」


 前回エリアボスの周回に行った子のうち半数がカレーに着いていった。残りの子蜘蛛達は無制限の子育てだ。卵はすでに数百個もある。正直誰がどれを生んだかなんてわからない。


 話し合いしている間に周回に行く場所を決めた。まずは砂塵地虫を狩りにいく。ちらちらとクロニアが見てくるが、それ以上籠手を増やしてどうするんだ。


 蜘蛛じゃなくて触手の生えた何かにしか見えないぞ。ということでクロニアも着いてくることになった。半分といっても50匹はいるので時間がかかるのはご愛敬。


 端的に言えば地虫くんは簀巻きになってボコボコになった。進化してもステータスの数値には変化はないので、戦闘時間は変わらない。変わったことと言えば戦闘効率だ。


 女王系統の進化によって加わった【王権】とは統率力と威圧感を上げる。いわゆる戦闘中の士気を上げるためのスキルともいえる。これもただし蜘蛛のみとなる。


 指示をしなくても考えただけで子蜘蛛達が理解してくれるので、連携がサクサクできる。


 ちなみにクロニアの籠手は8個になり、手が伸びる能力者になったかのように飛び回っていた。そんなクロニアは現在全ての籠手でまわりの木を掴んでトランポリンになっていた。楽しそうに飛んでいるのはクロニアの子蜘蛛達、親を踏み台にするとは、やるな。


 レベルはあんまり上がらなかった。進化することによってレベルの経験値の上限が上がったのかもしれない。次に行ったのは岩蜥蜴(ロックリザード)だ。今回はPHに遭遇しなかった。イベントのためにもっと先のエリアに進んでる可能性がある。


 第二エリアさえあまり行かず、第一エリアのボス周回ばかりしてる俺たちは少し不利かもしれない。それでも全部回ってからいった方が楽しいとは思う。あと称号集めも重要な気がする。


 他の人のことは気にせずに岩蜥蜴との戦いに集中しよう。といってもあとはダメージを与えていけば倒れるけどな。周回をしまくると大抵効率な倒し方を見つけてしまうので、和気あいあいと戦闘ができる。


 今はその状況が続いている。続いて青牙蛇(ブルーサーペント)だ。こいつは糸を水で溶かす厄介な相手だ。前回は魔法という物量で倒したが、これからイベントに参加するに当たって簡単にいくことは少ないと考えている。


 そこで今回は魔法なしの蜘蛛の特性とスキルをいかした戦いをしなくてはならない。ここにはPHはおらず、余裕でことに当たれるが、油断は禁物だと気づかされたので、周囲を糸で囲い、警戒体勢を敷いた。


 一度こういうことがあれば必ず二度目、三度目と続く。用意をしておいて悪いことはない。


青牙蛇のいるボスエリアに侵入するとまず行ったのは警戒網の設置だ。これでどこにいるかをすぐに察知できる。進化して糸が丈夫になったことですぐには糸が溶けることはないだろう。


 そう決断をしてしばらくすると糸を伝って振動が伝わってきた。「きた!」と思いながら子蜘蛛たちに警戒に当たらせるも、振動は強くなる一方で姿が見えない。


 「どこだ?」そう子蜘蛛たちの焦りも感じるも未だに現れない青牙蛇によって緊張が高まる。右、左、前、後ろ、上。どこを見ても現れない。ならば、下か。答えにたどり着いたと同時に振動が衝撃に変わった。


 打ち上げられる子蜘蛛たちと俺。姿を現した青牙蛇。糸が多少絡まってもすぐに溶け出していく。それを眺めながら属性を纏った糸を放出していく。火、水、風、土、光、闇。それぞれの糸が無作為に絡まり、青牙蛇はもがく。


 糸自体が水に弱いだけあって、属性で強化されても溶け出すことには変わらない。だが、明らかに溶けきれていないと感じる。糸で青牙蛇を縛る。それは火を紙で包むことほど無謀な挑戦だ。だが水で濡らせばなかなか燃えない。その理論でいけば青牙蛇に触れて溶け出す糸も属性を纏えばなかなか溶けない。


 なら、現状も溶けているように見えて、それほど溶け出してはいないのでは。そう考えて子蜘蛛たちに指示を出す。


 「奴は動けない。このまま畳み掛けるぞ!」


 その言葉に応えるように次々と飛びかかる。牙や爪による打撃や斬撃に耐えられることもなく、青牙蛇の抵抗は虚しく倒れた。子蜘蛛たちは手をかかげて誇らしくしたり、牙をかちかち合わせて歌った。


 勝利の報酬のファンファーレが鳴り響き、いつものようにウィンドウが開いた。


青牙蛇(ブルーサーペント)を討伐しました。》

《PM専用報酬:青牙蛇(ブルーサーペント)のストロー、青牙蛇(ブルーサーペント)の掃除機、青牙蛇(ブルーサーペント)のタオル、キョテント1つ、生存ポイント500P,スキルポイント5SP,ステータスポイント5JP》


 色々突っ込みたいが、まずストローってなに?取り出して確認してみると確かにストローだった。尻尾の方をコップにつけて口の方を口につける。つまり青牙蛇とキスをすることになるのだ。誰だ、こんなえげつないもの考えたやつは。


 これでいつでも青牙蛇と熱いキスができるねっ!って誰が喜ぶんだよ。次は掃除機か。掃除機?どこで使うの?また取り出してみると掃除機は口の部分が吸い込む方で尻尾が持つ方だ。スイッチを入れてみると、「グギャアアアア」と鳴り出した。


 驚いた子蜘蛛がビクッとしてひっくり返ったほどだ。なんて使いづらい掃除機だ。と思いながら地面にあるものを吸っていくと、素材をどんどん回収していっている。音はあれだけど、便利だなぁ、と思った。


 最後はタオルだ。これも取り出してみると普通にタオルだった。見た目はデフォルメした青牙蛇柄であること。それと冷たくて気持ちいいことくらいだ。夏には便利だね。と思うだけだった。


 色々あったが、次の子蜘蛛たちにチェンジして青牙蛇周回を開始した。


 そのあと、次のエリアボスの周回にいくのだが、今回はカルトの拠点にある転移門を利用してエリアボスのもとへ向かう。カルト拠点ということはホラー映画も引くほど、骨とゾンビがうろうろしてるのだ。


 拠点に入ると趣味の悪そうな骨の椅子にカルトらしき真っ黒な骨の骸骨がいた。


 「このときを待っていたよ、八雲」


 「待つと言われてもエリアボス周回だから、待たなくても行ってたよ」


 「そういうことを言ってるんじゃないよ。雰囲気って大事だよ。見てよ、このラスボス感!(たぎ)るだろ?」


 「滾るっちゃ滾るけど、エリアボスとの差がひどそうだけど、確かにラスボス感は出てるよ。特に後ろにいる骨の竜とか両隣に佇んでる骸骨の騎士とか」


 「そうだろう。この子は巨大骸蜥蜴ビックスケルトンリザードといって、これでも元々の大きさは僕の掌ほどだったんだ。骨自体を強化していったらこれだけ巨大になってね」


 「強そうだな」


 「うん、これからどう進化していくか楽しみなんだ」

 

 カルトは嬉しそうに頬をかいた。皮膚のない頬をかいたせいか恐怖を煽る。俺はそれを脳内再生で()()制服を着たカルトに置き換えた。ふっと骸骨に入れ替わったときは一瞬ビクリとしたが、なんとか立て直した。


 「ここに(とど)めるのはあれだし、あそこを通っていくといいよ」


 「あぁ、ありがとな」


 「気にしなくていいよ。いつもいい素材を分けてもらってるからね。そうだ、もし素材で骨が出たら僕にくれないか?」


 「いいぞ。というか俺の拠点に腐るほどあるから、あとで持っていくわ」


 「助かるよ」


 カルトに()()()見送られて進むと、カルトの拠点でお仕事中の子蜘蛛に遭遇した。俺に気がつくと、嬉しそうに手を上げて体を横にふりふりして踊ると、仕事に戻っていった。


 可愛すぎるぞ、我が子よ。と悶え死にそうになりながらもなんとか転移門を潜った。




《主人公のステータス》

名前:八雲(ヤクモ)

種族:中蜘蛛(ミドルスパイダー)女帝蜘蛛(エンプレススパイダー)《幼体》

性別:男

称号:【ヴェルダンの縄張り主】【格上殺し(ジャイアントキリング)】【森賢熊(フォレストベア)討伐者】【エリアボスソロ討伐者】【女王蜘蛛(クイーンスパイダー)】【精霊(エレメント)守護者(ガーディアン)】【精霊樹の加護】【小悪鬼長(ゴブリンリーダー)討伐者】【岩蜥蜴(ロックリザード)討伐者】【砂塵地虫(ダストワーム)討伐者】【青牙蛇(ブルーサーペント)討伐者】

二つ名:【悪夢】【首狩り】【妖怪順番抜かし】

配下:子蜘蛛たくさん100匹+α

→Lv40(2)Lv39(6)Lv38(26)Lv37(17)Lv35(49)+α

Lv:39

HP:600/600 MP:990/990

筋力:60  魔力:80

耐久:70  魔抗:80

速度:80  気力:57

器用:80  幸運:40

生存ポイント 

所持:8977P 貯蓄:1836万5027P

ステータスポイント:77JP(+5)

スキルポイント:297SP(+5)

固有スキル

【魔糸生成Lv10】【魔糸術Lv6】【魔糸渡りLv6】【糸細工Lv12】【毒術Lv13】【糸傀儡Lv1】


特殊スキル

【精霊視Lv3】【暗殺術Lv2】【暗器作成Lv1】【罠術Lv3】【罠作成Lv2】【遠距離投擲Lv2】【軌道予測Lv2】【命中率上昇Lv2】【王権Lv1】【天網Lv1】


専門スキル

【言語学Lv4】【武器学Lv5】【防具学Lv5】


スキル

【繁殖Lv3】【夜目Lv28】【隠蔽Lv27】【気配感知Lv24】【魔力掌握Lv5】【識別Lv15】【風魔法Lv11】【魔力感知Lv23】【思考回路Lv2】【投擲Lv17】【解体Lv24】【魔力上昇Lv11】【爪術Lv16】【水魔法Lv9】【土魔法Lv4】

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