4話、最弱の異能
『勇者のなり底ない』
俺の職業欄には、そう書いてあった。
何だこれ?
幾ら何でも、ステータスが低すぎる!
女子のステータスにでも、一番下の子が500いってるんだぞ!?
吉岡に至っては、ほとんど10000いっていた。
しかも、職業が『真の勇者』だってよ。
俺なんて、“なり底ない“だぜ?
ははは。何か、目から変な汁が.....。
「ステータスの確認は済みましたか?」
女神が口を開いた。
「それでは、ステータスを見せていただきますので、こちらにお並びください。」
みんなそれぞれ、ステータスを女神に見せることになった。
俺としては、何か見られたくないな。
ステータス確認が、次々進んで行く。
「ほぉ、誠一様は『真の勇者』でしたか。真の勇者と言うのは、唯一魔王を滅ぼせることが出来る、『聖剣』を使う事が出来ます。」
それはまた、たいそうな事で。
「誠一様には、勇者の中でリーダーなるものになって頂きます。」
まぁ、適任だろうな。
次は、山下さんの番になった。
「桃花様は、聖女でいらっしゃいますね。まさか、一度の召喚でここまで揃うとは.....。」
女神の口の端が、僅かに緩む。
「しかも、異能を複数持っているだなんて中々いません」
異能を複数持っているのか!?
やっぱ凄すぎだろ!
そして、俺の番になった。
「..........。」
女神の沈黙が続く。
「《影》ですか.....。」
俺の異能を意味深そうに呟いた。
そして、
「まさか、まだこの異能があったなんて.....。」
俺の異能って、そんなに凄いのか?
ステータスがあれだが、異能最強って感じか?
しかし、そんな微かな希望は女神の言葉によって、脆く崩れた。
「こんな最弱の異能がまだ残ってたのね.....。」
ん?
主人公、驚きすぎです。
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