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4 神からスキルが狙われた

迷宮に放置された俺は今後どうしたいのかを舞那に打ち明けた。


「なぁ、舞那」

「……え…あっ、はい。なんですか?」


舞那は自分の左右と後方を見てから俺に答えた。日本でいじめられていた時の癖が残っているのだろう。


「俺さ、これからこの世界を旅するよ。面白そうだからさ!舞那はどうするの?」

「…私は………分かりません。もう本当の両親もいませんし、今の両親は……私が邪魔らしいので。学校ではいじめられていましたから、帰りたいと、戻りたいと……思えません」


そう、舞那は告げた。その言葉には、少し悲しみが混じっていた。日本での生活は相当なものだったのだろう。そんなことを思っていると、舞那が再び話し出した。


「あの……ですよ?も、もし…よかったら、ですけど……、朔真、君について行っても……いい、ですか?」

「うん、もちろん‼︎一緒に行こう‼︎」


即答した。最初から舞那が良かったら一緒に行くつもりだったし、「一緒に旅、しないか?」と舞那に言うつもりだったから、ちょうど良かった。肝心の舞那は、少し恥ずかしそうに、けれども嬉しそうに頬を染めている。


「じゃあ、まず旅に出る前にこの場所から出なきゃね!まぁここがどこか知らんけど…。」


こんな場面で使えるのって……鑑定系スキルだな。確か貰ったスキルの中に鑑定のスキルがあったな……。使ってみるか‼


「《詳細鑑定》迷宮‼」


《詳細鑑定》を発動させると、迷宮の情報がステータスの時のように目の前に現れた。ええと、

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大樹の迷宮


その昔、とある神の策略によって封印された森精種(エルフ)の守神が封印される間際に自分の力を受け継ぐ者を選定するために造り上げた。

全100層だが現在の最高到達層は49層。

10層目ごとにボス部屋がある。


-------------------------------------


この迷宮はエルフの守神が造ったのかー。...というか、エルフっていたのか。地球では完全な空想の産物だと思ってたが…。まぁ、名前が分かったことだし、ここから出るか。


「んじゃぁ、まぁここから出ますか!」

「分かりました!……ですが、どうやって?」

「そこなんだよなぁ、迷宮に放置されて体感だいたい4〜5時間ぐらいだから、まだ兵士達が外を彷徨いていそうなんだよな〜」

「なら、一回外の様子を見て見ませんか?見るだけなら出来ると思いますが……」

「じゃあ、見て見るか」


迷宮の扉へ歩いて行こうとすると、突然扉が開いた。外の光に目が眩む。だんだんと目が光に慣れてくると、白い服に身を包んだ人がこちらに来た。


「そちらにいらっしゃるのは、先程召喚されたお二方で宜しいでしょうか?」

「あ、はいそうですが。あなたは?」

「申し遅れました。私は聖ヴィナ教七聖人が一人、極闇の使い手(ダーク・マスター)のシャスパ・ギランです。我が主ヴィナ様の命によりこれを貴方様に届けに参りました」


そう言って自称七聖人は、片手に収まるぐらいの鉛筆のような金色の物体を俺に差し出した。例のヤバい神様からのプレゼントらしいが…。悪意や害意はないと信じたいな。

 少し警戒しつつそれを手に取ると、いきなり眩い光が見えていた風景を白に染め上げる。目がッ...目がアァァァッ。


「...何を考えているのか知りませんがこの美しい女神である私を差し置いて考え事とは良い度胸ですね」


そう言ったのは千人に一人はいそうなレベルの女性だった。舞那よりも綺麗ではないな女神の顔面偏差値ってそんな高くないんだな。


「...ほぉ、この私が一番美しくないというのですか。そうですか。まぁ私は、こ・こ・ろが広いですから、聞こえなかったことにしておきましょう...。」


 女神は顔を引き攣らせながら恩着せがましくそう言った。心を強調して言っている時点でかなり怒っているんだろう。顔もそれほど、性格は怒りっぽくて恩着せがましいとか女神(笑)だろ。というか早く帰りたい。女神(笑)と対話とか俺にメリットなさそうじゃね?あっ、これ女神(笑)に伝わるんだっけ?ワオ、女神(笑)般若の形相だ。


「おいてめぇなにほざいてn...コホン。では用件を話すとしましょう」

「すみませーん。面倒そうなので巻きでお願いしまーす。女神(笑)様」

「...よ、用件はですね、私のことをあなたに信仰して欲しいのです。あなたの持つその《創造》スキル。それは人の身で使うには少々神の領域に踏み込みすぎていると思いませんか?強大すぎる力は使う者の身を滅ぼしかねません。幸いにもあなたは[転移勇者]の称号を持てる条件をクリアしています。私の信徒となりそのスキルを私に捧げるのならば、称号と私からの固有スキル、魔法適正を差し上げましょう。そして、他の国と戦い我が信徒の国聖ヴィナヴィルト王国が世界を統一し、世界が人間族のみになった暁には、あなたを私の眷属にしてあげましょう。さぁどうしますか?考えている間は心を読まずにいましょう」


 途中で素が出たような気がしたが今は無視。それよりも女神さんはなんて言った?《創造》スキルを捧げろ、私の信徒になれ...だと。女神さんの信徒なら今の条件はのどから手が出て死んでも欲しいものだろうさ。しかし、生憎俺は女神さんに対し敬愛だとか信仰だとかいう心や思想は持ち合わせちゃいない。最初からよく思っていなかった。しかし、今の話で女神への評価が一気に地に落ちた。そんな女神に与える言葉は最初から決まっている。...どうせ敵対するんだったらこれを利用してちょっとからかっておこう。


「おお麗しの女神様」

「はい、答えは決まりましたか?」


敬虔な信徒の物真似をすると女神はとても驚き、そして自信に満ち溢れた笑みを浮かばせた。その顔には「さっきまでは不愉快極まりない奴だったけどやっと私の魅力に気が付いたのね」と書いてあるようだ。更に女神を持ち上げる。


「この話を受けるだけで女神様の下僕となれるのですよね!しかも、勇者の称号まで頂くことができる、素晴らしい話ではないですか!!」

「そうでしょう。で、この話受けてくれますね?」


顔には「もう、どっちにするかなんて決まっているわね」と書いてある。しかも自信にあふれた顔をしてるから俺がこの話を受けると思っているだろう。でもね、俺の答えは…


「だが、断る‼︎‼︎」


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