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『ジルア・ロヘス』〜謎多き英雄の物語〜  作者: T-aiyo
第1章 幼きジルア
22/25

マイカの宿屋

 団長室から無言で出てきたジルアを迎えたのはさっきなぜか部屋を出て行ったシアンだった。勝手に出て行った後、気になってまた戻って来ていたのである。


「どうだった?バレルさん」


 シアンはジルアにバレルについて尋ねた。バレルのことについて聞かれると、ジルアは少し考えた後、こう返した。


「なんか、とっても不思議な人だった」


 不思議な人。自分の知らないものを知っていて、何故か自分や自分の親のことを知っている。ジルアにとって、そのことは『不思議』と表すのが一番近かったのだ。


 ジルアの感想を聞くと、シアンは優しい笑みを浮かべ、小さく頷いた。その頷きは納得からくるものだ。というのも、この部隊の本拠地に勤めているシアンですらバレルについては知らないことや謎が多いのだ。シアンにはジルアの気持ちがよく分かる。


「確かにあの人は、ね。さあ、ジルア君、行くよ?」


「どこにいくの?」


「マイカさんのところへね」


 それだけ言うと、シアンはジルアの手を引いてトコトコと歩き始めた。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「さあ!着いたよ!」


 シアンが元気よく叫んだ。ジルアとシアンがやってきたのは拠点から少し離れたところにある宿屋だった。豪華に飾られた拠点とは対照的にこの宿屋はどこにでもあるような家の造りをしていた。


「この中にマイカさんがいるはずだから、行ってらっしゃい!ここに来た理由ははいれば分かるはず!」


 それだけ言うとシアンはジルアの背中をポンと押した。ジルアは驚いて転びそうになったが、なんとかこらえて踏みとどまった。


 踏みとどまったあと、ジルアは宿屋を見上げてみた。やはり普通の宿屋だ。探せばこんな造りの建物が自分の前にいた町にもまだ残っているかもしれない。そんなことを考えていると、ジルアはなんだか自分の住んでいた町が懐かしくなってきた。


 お父さんやお母さんと一緒に住んでいたあの町。近所付き合いも盛んで、隣に住んでいたおばちゃんはよくトマトをくれた。道の向こうに住んでいたおじちゃんはとても優しかった。


 だが、もうその故郷の町は残っていないのだ。ガリア教団の勝手な行動によって壊され、焼き払われた。多くの人がガリア教団に殺されたのだ。その殺された人の中に自分のお父さんやお母さんもいる。その事実は変わることはない。


 ジルアはとても憎かった。平穏な日常を破壊した侵略者がとても憎かった。だが、今自分にできることは何もないのだ。ジルアはそれが悔しくもあり、虚しくもあった。


「どうかしたの?」


 あまりにも長い間突っ立っていたジルアを見てシアンは心配になり、思わず声をかけた。声をかけられ、ジルアは想像の中から現実へと引き戻された。


「いや、その…」


「何もないなら早く入ってらっしゃい」


 シアンに急かされ、ジルアはむっとした。何も分かっていないくせに、と心の中で叫んだ。だが、口には出さず、宿屋の扉を黙って開け、中に入った。


「失礼します」


 宿屋の中に入ると、優しそうな高齢の女性がジルアを出迎えた。さらに、なぜか彼女の隣にはレオンが立っていた。


「やあ、久しぶりだな。ジルア君」


 最初に声を発したのはレオンだった。次に、その隣の女性が話し始めた。


「よく来たね。わたしはマイカというものでね。この宿屋を営んでいるのさ。とにかく話は聞いているから中にお入り」


 見た目通りの優しい声でマイカはジルアに話しかけ、ジルアを中に迎え入れた。


「さ、行こうか」


 レオンもそれに続いて中に入っていったので、ジルアも続いて中へ向かった。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


 ジルアたちは宿の奥へとどんどん進んでいき、やがて一番奥の部屋に着いた。その部屋の前には小さく『主人の部屋』と書かれていて、隣に「ノックをすること」と書いてある紙が貼られていた。


「さあ、入るよ。わたしが主人だからノックはいらないからね」


 マイカは木の戸をゆっくりと開けた。キィという木の擦れた音を立てながら戸は開いた。木の戸が完全に開ききったことを確認すると、マイカは何かを呟きながら中へと入った。レオンとジルアもそれに続く形で入室した。


 主人の部屋、つまりマイカの部屋だ。マイカの部屋は綺麗に片されていた。また、造りもかなり単純で、中央にソファと机が置かれていて、周りに本棚が建てられているだけの簡単な造りだった。


「さ、腰掛けて!ジルア君!あ、レオンちゃんもね」


「レオンちゃんって呼ぶのそろそろ勘弁してくれよ」


 レオンは呼ばれ方に文句をつけながらもソファに座った。マイカもゆっくりと腰を下ろし、それを見てジルアも座った。


「まず、わたしマイカから言いたいことがいくつかあるんだが言ってよろしいかね?」


 マイカは何かジルアに聞きたいことがあるらしい。ジルアははい、と返事した。


「ジルア君、あなたかなり無口だねぇ」

 ここまで読んでいただいてありがとね〜〜


ーーマイカ・ルーデル


 終わり方が適当。


ーーフィレア・ルーデル


 毒を吐くのやめてやれよw作者さん可哀想だろw作者さん食中毒で倒れてるのにさ!


ーーレオン・ルーデル


 てか血族多くないですか?


ーーシアン・サナスート


 ちなみにここの欄、作者が全部考えているわけではないです。大部分は他の人に頼んでます。


ーーF-iren

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