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『ジルア・ロヘス』〜謎多き英雄の物語〜  作者: T-aiyo
第1章 幼きジルア
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二人の戦い、決着

「うぉぉぉぉぉ!このやろぉぉ!」


 血まみれのレオンは最後の力でローンに切りかかった。怒りを短剣に込め、会心の一撃を繰り出した。短剣の刃もローンを喰らおうとし、使い手と剣、この両者の想いが合致して限界を超える威力を生み出した。


「シスコンレオンの野郎!」


 レオンの怒りによって剣撃の威力が増したことに気付いたローンは手に持っている太刀に力を込め、その一撃を受け止めた。放たれた剣の威力が高ければそれだけ受け止める側にも負担がかかる。ローンはそのことを理解していた。だから太刀に力を込めて全力で受け止めたのである。だが、ローンはレオンの渾身の一撃を受け止めたにも関わらず、ほとんど衝撃が伝わらなかった。その事実にローンは困惑した。ろーんにとってレオンのさっきの剣は今までの8年間の中で恐らく最高の威力だった。しかし、その剣撃を受け止めたのにも関わらず、ローンにはその剣撃を受け止めた実感がなかったのだ。困惑するローンを見てレオンが次の一撃を撃ち込んだ。


「なめるなよ!ローン!」


 レオンがさっき放った一撃は会心の一撃ではなかった。それは会心の一撃と見せかけた軽い剣撃だったのだ。もとより一発で倒すつもりのない軽い剣撃ならば連発することができる。レオンはその特徴を最大限に活かしてローンを追い詰めていった。


「連続攻撃、耐えられるか?」


「こ、このぉ!」


 ローンも相当な手練れである。それゆえ太刀でレオンの連続攻撃をなんとか受け止めることができていた。しかし、太刀より短剣の方が短く、扱いやすい。ローンが「甘い」と言った短剣によってローンはどんどん追い詰められていった。


「甘い?いや、俺の短剣は戦略だな!」


 自分の短剣は戦略として選んだものだ、レオンが得意げに言った。実のところは戦略というより殺さないための短剣だったのだが。


 レオンは短剣でさらなる追撃を加えた。ローンの首を狙い、鋭い一撃を放つ。ローンは後ろに一歩退がることによって間一髪で首を守ったが、レオンの追撃は止まらない。ローンが後ろに退がった隙を逃さない。レオンは今度こそ渾身の刺突でローンを仕留めにかかった。


「かわ…せない!」


 後ろに退が流ということは、相手に剣舞の主導権を譲り渡すということを意味する。そのため、ローンはかなりの劣勢に陥ってしまった。その苦しい時にダメ押しの刺突。ローンは避けることも太刀で受け止めることもできず、短剣の鋭い刺突はそのまま直撃した。


「俺の…勝ち、だ」


 ローンの腹を突き、決定打を決めたレオンが勝利宣言をした。しかし、勝負には勝ったものの、レオンは左上から右下にバッサリと斬られており、大量の血を失っていた。勝った、と言うよりはどちらかと言うと相打ちに近い。


「つ…疲れたぁ」


 レオンは深く息を吸い、吸った息をゆっくりと吐きながら地べたに吸い込まれるように勢いよく倒れ込んだ。


「レオンさん!」


 倒れ込んだレオンがあまりにも死んでいるように見えたのでジルアが心配してレオンに駆け寄ったのだ。レオンのペットであるムアもジルアに続いた。


「あ?俺は…大丈夫だ。フィレアはどうなった?」


 自分の容態よりも妹優先、完全にシスコンだ。しかし、レオンはフィレアを本気で心配していた。


「た、多分大丈夫です」


 ジルアがとりあえずレオンを安心させるために答えた。そして、フィレアを上に乗せたシュアもレオンを心配してやってきた。


「ん…確かに大丈夫そうだな…」


 妹の安全を確認したレオンはゆっくりと立ち上がり、ムアにゆっくりとよじ登った。そして、呻きながらムアとシュアに指示を出した。


「ムア!シュア!今から拠点に帰るぞ!悪いが俺とフィレアとジルア君を乗せて行ってくれ。ムアが俺とジルア君でシュアがフィレアだ。多分爺さんは大丈夫だろうから」


 レオンの言葉に反応するように二匹の狼は低い声で小さく唸った。そして、二匹の狼はレオンの拠点ーーサクスに向かって走り出した。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


 ムアとシュアは10分くらい走り続けた。そして、ようやくレオンの拠点、サクスに到着した。


 サクスはクランフ皇国領の中でも最大の自治都市だ。自治都市といっても、一応クランフ皇国領カルリア王国に編入されている。しかし、実態は有力な商人や冒険者、傭兵などによって政治が行われていて、カルリア王国の中では恐らく一番クランフ皇国の支配を受けていない場所でもある。また、この街は多くの傭兵組織や商会の本拠地が構えられており、レオンの所属する組織もこのサクス内に本拠地が構えられているのだ。


「やっと帰ってきたぜ!」


 レオンは驚異的な回復力を見せ、体力がもう回復していて元気になっていた。


「ムア!シュア!拠点まであとちょっとよろしくな!」


 ムアとシュアは何も言わずに拠点に向かった。ただ、街の中に入ったので移動の仕方を走るのをやめ、歩きに切り替えた。


 もうすぐ拠点に着く。ジルアはシュアの上でめまぐるしく変わる自分の状況に恐れを抱きながらもワクワクしていた。だが、親を殺したガリア教団への憎しみも同時に持ち合わせていた。まもなく、彼に転機が訪れる。

 最近作者さん更新遅くね?あとタイトルのセンス…文体が雑になってない?


ーーレオン・ルーデル


 誠に申し訳ありません!い、忙しく中でもさ、精一杯やらせていただきます!お許しください!受験終わったら加筆大会実施します!


ーーF-iren


 まあ、無理せずにゆっくりと歩み続けよ


ーーバレル・ルーデル


 もうすぐ僕の活躍が多くなるよ!


ーージルア・ロヘス


 みんな言ってることバラバラじゃん…と、とにかく読者のみなさまここまで読んでいただきありがとうございました&もうすぐ新章突入です!


ーーフィレア・ルーデル

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