ロリコン勇者
「お前がこの世界を救うのじゃ」
「いやだ」
「…そこをなんとか」
「いやだ」
「…仕方ない。ほれ、さっき言った言葉を勇者に言ってやるのじゃ」
「まだ勇者じゃない」
「頑張ってねっ! 勇者様!」
「ぶひぃぃいいいいいいい!! 勇者っ! 魔王退治に行ってきますぅうううう!! すぐに帰ってくるから待ってねぇえええ!!!」
こうして勇者の冒険は始まった。
この勇者、ロリコンである。
勇者の育った村は、小さな村ではあったが、大人は皆魔王退治に行ったきり帰ってこず、ジジイババアとと幼い子どもがいるだけだった。
そんな環境で暮らしているうちに、『幼女を愛でる』という楽しみを知ってしまったこの勇者は、成人になるころには立派なロリコンとして育っていた。
そして今に至る。
「ついにやってきた魔王城」
仲間はいない。幼女にしか興味がないため、他に仲間を作るぐらいならば自分ひとりの方がいいという考えの下だった。
そして順調に登ること数分。
魔王城の前に『会場はこちら』と書かれた看板が立っていたのだが、そちらのほうには行かない方がいいと判断し、直接堂々と正面玄関から入った。
しかし敵がいない。
ここに来るまでに必死にレベル上げをしてきた自分がバカバカしくなるほどの静けさだった。
そして『魔王の部屋』と書かれた部屋の前にやってきた。
少し前に壁が大きな音共に壊れた音が聞こえた。もしかすると誰かが戦っているのかと思い、それなりに慎重に来た。
しかし勇者からしてみれば、幼女の元に帰れるのならば、自分の幼女まみれの生活を邪魔した魔王はもちろん、この冒険の行く手を阻む者は全員敵であるという考えで動いているため、全て斬って進むつもりでいた。だから魔王を弱らせてくれるならそれでいい。邪魔になりそうなら斬るだけだった。
そして部屋の前で一呼吸。
作戦はもちろん奇襲だ。
何やら整理だなんだと言い合いをしているようだった。
「今が…チャンス!」
そう言って扉をぶち破って中に侵入する。
「キェエエエエエエエエエイイイッ!!」
大声で威嚇すると同時に侵入し、一番近くにいた奴に切りかかる。
中にいたのは全部で7人。今1人斬ったからあと6人。
そのままの勢いで、向かってきた3人を一気に斬り伏せる。
そして一番強そうなムキムキした奴に向かって突っ込む。
その勢いに圧倒されたのか、慌てて素手で立ち向かってきたところを、その素手ごと縦に大きく剣を振って斬った。
「ぶはっ!」
隣で吹き出すのが聞こえた。
見ると、顔と腹を押さえてプルプルと前かがみで震えている奴がいたので、なんとなくケツから剣を差してやった。
残るは女ただ一人。
「なんでもするからぁ!」
しかし勇者はロリコンである。
子ども以外はババアである。
「黙れババア」
こうして勇者の冒険は幕を閉じた。
そこで拾ったかっちょいい剣を持って、幼女たちが待っているであろう村へと帰ってきた。
この間、実に2年。
幼女に『この剣かっちょいいだろー』と自慢する妄想を何度も繰り返してはニヤニヤとしながら帰ってきた。
「ただいまー! 俺の可愛い娘たちよー!」
「わー! 勇者様のご帰還だー!」
「わー」
「わー」
わらわらと群れを成してやってくる聞き覚えのある懐かしく可愛い声。
幼女成分が足りなくなっていた勇者にとっては、何よりも嬉しい出迎えだった。
しかし…
「…お前らは誰だ?」
「えっ?」
「何言ってるの?」
勇者を待っていたのは幼女ではなく、ただの女子だった。
そして勇者は気づいた。
「あぁ。ここは違う村か」
そう言って勇者は生まれ育った村から去っていった。
そして勇者は自分が生まれ育った村を探すための旅に出るのであった。
成長期とは恐ろしいものである。
おしまい。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
感想とかお待ちしております。
おふざけに努力値をぶっぱしてみました。




