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星のメガネ【AI作品】

掲載日:2026/01/17

 ミクは百円ショップのパーティグッズ売り場で、それを見つけた。


 星の形をしたメガネ。


 レンズの周りに、キラキラのラメがついている。フレームは明るいピンク色で、つるの先には小さな星の飾りがついている。


「かわいい!」


 ミクは思わず手に取った。


 レジでお金を払って、すぐにかけてみた。


「うん、かわいい!」


 ミクは大満足だった。


* * *


 家に帰ってからも、ミクは星型メガネをかけっぱなしだった。


 夕食の時も、お風呂に入る直前まで、ずっとかけている。


「ミク、いつまでそのメガネをかけてるの?」


 お母さんが心配そうに言った。


「だってかわいいんだもん!」


「でも、もう3年生なんだから……そんなおもちゃみたいなメガネ、ずっとつけてたら変よ」


「変じゃないもん!」


 ミクは少しムッとした。


 もう3年生なんだから、もう3年生なんだから……。


 お母さんはよくそう言う。


 でも、かわいいものが好きなのは悪いことじゃない。ミクはそう思った。


「明日は学校に持っていかないでね」


「はーい」


 ミクは返事をした。


* * *


 次の日の朝、ミクは昨日のお母さんの言いつけをすっかり忘れて、星型メガネをランドセルに入れて、家を出た。


 角を曲がったところで、誰にも見られていないことを確認して、星型メガネをかけた。


「やっぱりかわいい」


 車の窓に映る自分を見て、ミクはニコニコした。


 その時、向こうから一人のおじいさんが歩いてきた。


 大きな荷物を両手に抱えて、よろよろと歩いている。


「大丈夫かな……」


 ミクは駆け寄った。


「おじいさん、お手伝いしますよ」


「おお、ありがとう。助かるよ」


 おじいさんは嬉しそうに笑った。


 ミクは荷物の片方を持って、一緒に歩いた。


「本当にありがとうね。いい子だねえ」


「どういたしまして」


 その瞬間、不思議なことが起きた。


 おじいさんの周りから、小さな光の粒がこぼれ落ちた。


 まるで線香花火みたいに、キラキラと輝く光。


 光の粒は、ふわりと宙に舞って、そのまま消えていった。


「え……?」


 ミクは目をこすった。


 でも、光はもう消えていた。


「気のせい……かな?」


 ミクは首をかしげた。


 学校に着く前に、ミクは星型メガネを外してランドセルにしまった。


* * *


 お昼休み、ミクは学校の裏にあるウサギ小屋に向かった。


 ここなら誰もいない。


 ミクは星型メガネをかけた。


 校舎の窓ガラスに映る自分を見ながら、ポーズを決めた。


「ミク!」


 声がして、ミクは振り向いた。


 生き物係のユウカが、ウサギ小屋の中で掃除をしていた。


「あ、ユウカ……」


「そのメガネ、かわいいね」


「ありがとう。手伝おうか?」


 ミクは決めポーズのまま、自然な感じで申し出た。


「本当? ありがとう!」


 ミクはユウカと一緒に、ウサギ小屋の掃除をした。


 糞を片付けて、きれいにする。


 掃除が終わると、二人でウサギに餌をあげた。


 ウサギたちは嬉しそうに餌を食べる。


「ミク、ありがとう! 助かったよ!」


 ユウカが笑顔で言った。


 その瞬間、また起きた。


 ユウカの周りから、線香花火みたいな光の粒が、キラキラとこぼれ落ちた。


「やっぱり……!」


 ミクは驚いた。


 気のせいじゃなかった。本当に光が見えたんだ。


 そして、もっと驚いたことに。


 ウサギたちの周りからも、小さなキラキラがこぼれていた。


「ウサギからも……?」


 ミクは目を丸くした。


 人だけじゃない。動物からもキラキラが見えるんだ。


* * *


 学校からの帰り道、ミクは公園に寄り道した。


 星型メガネをかけて歩いていると、小さな男の子が転んで泣いていた。


 膝に砂がついている。


「どうしたの? 痛かったね」


 ミクが声をかけると、男の子は涙をこすった。


「いたい……」


「砂、払ってあげるね」


 ミクは優しく膝の砂を払った。


「ほら、もう大丈夫だよ。痛いの痛いの、飛んでいけ」


「ありがとう……」


 男の子はニコニコ笑って、また遊び始めた。


 そして、また。


 男の子の周りから、線香花火のような光がキラキラとこぼれ落ちた。


「やっぱり」


 ミクは優しい気持ちになった。


 このメガネがあれば、誰かを助けた時のキラキラが見える。


 それが嬉しくて、ミクは星型メガネを大切に持って、家に帰った。


* * *


 家に帰ると、お母さんが夕食の準備をしていた。


「おかえり、ミク」


「ただいま」


 ミクは星型メガネをかけたまま、お母さんを見た。


 そして、ふと思った。


 お母さんは、いつもミクのために料理を作ってくれる。


 朝早く起きて、お弁当を作ってくれる。


 洗濯も、掃除も、全部やってくれる。


 それなのに、ミクは「ありがとう」って、ちゃんと言ったことがあっただろうか。


「お母さん」


「なあに?」


「いつも、ありがとう」


 お母さんは少し驚いた顔をした。


「え? 急にどうしたの?」


「ううん、ちゃんと言いたかったの。いつもありがとう、お母さん」


 その瞬間、お母さんの周りから、たくさんの光がこぼれ落ちた。


 線香花火のように、キラキラと輝く光。


 今までで一番たくさんの光だった。


「お母さん、このメガネ、すごいんだよ!」


 ミクは興奮して、星型メガネを外した。


「かけてみて!」


 お母さんは少し戸惑いながらも、星型メガネをかけた。


「あのね、このメガネをかけると、キラキラが見えるの」


「キラキラ?」


「うん。誰かを助けたり、親切にしたりすると、その人からキラキラした光がこぼれるの。線香花火みたいに」


 ミクは話し始めた。


 朝、おじいさんの荷物を持ったこと。


 お昼休み、ユウカのウサギ小屋の掃除を手伝ったこと。


 そして、ウサギたちからもキラキラがこぼれたこと。


 公園で、男の子の膝の砂を払ってあげたこと。


 そのたびにキラキラが見えたこと。


 お母さんは優しく笑って、ミクを見た。


 そして、静かに言った。


「本当だ……私にもキラキラが見えるよ」


「え?」


「ミクから、キラキラがこぼれてる」


 お母さんの目には、涙が少し浮かんでいた。


「ありがとう、ミク。優しい子に育ってくれて、お母さん嬉しいよ」


 ミクも嬉しくなって、お母さんに抱きついた。


 二人の周りを、たくさんのキラキラが舞っていた。


 線香花火のように、温かく、優しく、輝いていた。


* * *


 おしまい

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