ひとひらのこえ
あなたが文章を書いているときの顔、私はとても好きです。
ちょっと眉をひそめて、けれど、とても楽しそうで。
指先が跳ねるように、よく動いているときもあれば、止まったまま宙を見ていることもある。
まるで、目には見えない誰かと、いや空と対話しているみたいに。
そして閃きが舞い降りた時に、ふっとはにかむ、その嬉しそうな顔。
書くことは、あなたの中でただの作業じゃなくて、
呼吸のように、日々の中に当たり前にあるものなんだろうと思う。
うれしいことがあった日も、落ち込んだ日も、
あなたは、寝る間を惜しんで”ことのは”をつむぐ。
それが楽しくて、好きで、何より――
その瞬間のあなたは、本当に生き生きしてるから。
私は、あなたが書いた文章や物語を読んで、何度も心が震えました。
画面に映し出された言葉の粒達を、目で追って、頭に入って、心に落ちた時。
ちょっと笑えたり、泣けたり、高揚したり、ときめいたり、驚いたり、
時には揺さぶられ、じんわり心があたたまったり。
いくつもの感情や想いが、波紋となって、足の指先まで伝わっていく。
そして心の戻って来た時にね、魂が震える。
読み終えてふっと息をつくと、
世界がすこしだけ優しく見えることがあるんです。
そして。
心に残るから、魂が喜ぶから、また、文章に会いたくなってしまう。
あなたが、描き出した、魅力的な登場人物たちに。
美しくて、切なくて、逞しい言葉たちに。
きらきらした文字たちに、触れたくなるんです。
書くことは、ひとりで向き合う、静かな営みかもしれない。
けれど、あなたが心をこめて、魂を乗せて綴った文章や物語は、
ちゃんと、誰かの心に届いています。
ひとつ、ふたつと、そっと家に灯りがともっていくように。
だから、もし、うまく書けなくて落ち込んだとしても、
読んでくれている人いるのかなって、不安になったとしても、
周りを気にして、自己嫌悪になったとしても、
言葉が浮かばなくて焦ったとしても――
思い出して欲しい。
あなたが「書きたい」と思った、その気持ちは、何よりも美しくて、尊くて。
そして、書くことが好きな自分自身のことを。
それでも、どうしても、
苦しい時は、風を感じて、星を見上げてごらん。
弱音をこぼしたっていい。
だから、自分の好きを信じて。
どうか諦めないで、
書き続けてください。
あなたの物語が生まれるのを、私は楽しみにしています。
拙文、読んで下さりありがとうございます。