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ドラゴンの人生探求  作者: 元毛玉
序章:異世界コミュニケーション
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異世界インストール中

前回のあらすじ

ドラゴンは異世界スイーツにハマり、無知なのも相まって残念感がよりマシマシになりました。

無知なドラゴンは尊厳を守れるのでしょうか?

 それから、世界の地理に関して、お互いに情報交換を行った。いつものように「アバウト過ぎる……」とちょいちょいディスられて、ちょっと傷ついている。

 僕、涙目……


「じゃあさー、この辺りの国は【ザグエリ】(      )って言うんだねー?」

『合ってるはず。多分。前にここに来た人が【ザグエリ】(      )王国からの使者って言ってた』


 イメージ共有してもらった建築物に近いのは、ここから東の森を抜けて川を渡った所にあったから、あれが王都だと思う。

 ……多分。

 でも、不安げに言うとツッコミが厳しいから、自信たっぷりに言う事にしている。

 自信なさげに伝えると、すぐマウントを取ってくるから、最近は知ったか&ドヤ顔で押し切るのが、ケタの攻略法だと学習した。


「東の川を渡った先にある、王都には是非いってみたいなー。お城あるんだよねー?」

『千葉の夢の国のお城みたいなのがあった』


 まぁ、だいたい合っているだろう……王宮の色は全然違ったけどさ。

 更に王宮までの道程を質問されたよ。


「おーwで、川はどのぐらいの規模なの?」

『かなり浅いから、歩いて渡れる小さな川だよ』

「あー、じゃあ橋はかかってない感じー?」

『そだね』


 あの川は足ぐらいしか埋まらないから、かなり浅い川だったんだよな。幅はこの洞窟の奥行きと同じぐらいだし、異世界基準で2kmぐらいだから小さな川だよね。僕の水浴びには不向きだし完璧な回答のはず。

 ……大丈夫かな?


(おっと、自信たっぷりを忘れないように)


「なんかさー、ドヤ顔がイラっとするんだけどー」

『ふふん。地理では汚名挽回するよ!』

「汚名を挽回しちゃうのかよー諦めんなよー」

『だって最初から名誉なんて無いし?』


 異世界の国の情報も聞いたけど、そんなに国がいっぱいあるなんて受験生は大変だなって思う。それに、ケタはテンションがあがると、様々なゲームの中の地理も語り出すから、情報過多すぎて覚えるのを早々に放棄したよ。


「この世界は国が4つしか無いのー?」

『そう。北と、南と遠い東にそれぞれある』


 ケタの世界と国の数が違い過ぎるので、どうも説得力にかけるっぽいな。更に追加の質問がきた。


「合衆国とか連立王国とかかな?」

『わからない。小さな事きにしすぎ』


 僕に人の国の形態を、聞かれても正直困る。


「あー……でさー、この国以外の名前は分からないってことー?」

『ごめんよ。だって、テストに出なかったし』


 またジト目で見られてしまった。だけど国の名前なんて本当に知らないよ。今まで必要なかったし、興味も無かったし。


(とりあえずドヤ顔だけキープしとこ)


 国の数も2000年ぐらい前の知識だけど、「いつの情報」か聞かれなかったからセーフセーフ。

 あと旗の色で何となく4色ぐらいに大雑把に分けれるなと思っただけ。これも言わなければセーフ。どうせ転生すれば忘れるんでしょ?

 大事なのはこれ以上ゴミを見るような目を回避する事。これが今、一番大事。

 嘘はついて無い!(キリッ)


 異世界文化は凄く面白い。聞いていて飽きない。でも、だいたいドラゴンが狩られる側なのが、ちょっと悔しい。異世界のドラゴンはそんなに弱いのかとちょっと悲しくなる。


「はぁ……ゲームBGMのブームがやっと終わったと思ったら、今度は平成ライダーかー」

『CGカッコイイ。あれ、魔法じゃないの?』


 CGで魔法陣みたいなのが出ているけど?

 これ実現できているのでは?


「違うよー。……まぁその辺りの技術を持ってない人からすれば、魔法みたいなものかー?」

『昭和はジャンプするとなぜ採掘場へ移動するの?』


 CG技術は特殊な技能らしい。

 だけど昭和は、ワープ技術が発達しているのでは無いかと思い質問する。


「あー、それは触れちゃダメなやつだからー」

『え?なんで?』


 どうやら、昭和のワープには触れてはダメらしい。どうにも特撮のお作法が分からないな。


 特撮を見せて貰っている限りでは、既に魔法として確立できているように思うけど、ケタ的には違うんだと。贅沢な悩みだな、異世界は。

 それは【フィクション】(        )だからって言い訳をしているけど……君の存在が僕に取っては既にフィクションなのだよ。


(ケタ君。わかってる?)


 美少女戦士を見せて貰った時に、月の話題になったよ。僕が月って何だろうと質問したのがキッカケだ。


「えー!?月が無いって本当なのー?」

『うん。この世界には無いね。月関連のネタは封印するしかないよ』

「異世界だったら普通はさ、月が複数あるとかが定番でしょー?」

『そんな事言われても無くて当たり前だし?』


 月が無い事に凄く驚いていたな。常識なのに……

 まぁケタから聞いた、月見酒や月見団子も無いと思うので、それはそれで寂しい。

 それから、コミケのイメージ共有もして貰った。


『お、この人の恰好は、この間みせてもらったゲームのキャラじゃない?』

「これはコスプレっていうんだよー」


 色んなゲーム・アニメの服装を着ていて、とても楽しそうだ。


『ケタのその恰好は温泉のコスプレなの?』

「これは全裸というのだよ。転生体が見つかるまで全裸待機してるのさー(ヤケクソ)」


 意識体には衣装が無いらしい。温度も感じないけど雪を見ると、気持ち寒く感じるってさ。

 ドラゴンサイズのコスプレ衣装はあるだろうか?ちょっと僕もコスプレしてみたいな。

 今のところは、神に関する質問が一番まともに回答できている。


「確認するけど、神様は四柱なのー?」

『大神はそう。眷属神はいっぱいいる。多いので覚えてない』


 ケタは神に興味があるのか、この手の質問が一番楽しそうだ。

 僕がまともに回答できているのもあるかな?


「輪廻の女神は大神?」

『うん。万物、虚無、法則、輪廻で四柱になっている。ちなみに僕も正確には眷属神だよ』

「え?えーーーーーーー!?」


(あれ?光の一柱って伝えたはずなのになぁ)


 【万物の男神】(       )の眷属だけど、他の神の力も混ざっている。顕現している眷属神の中では結構上位だったはず。

 顕現している時点で神というよりは、準ずる存在の扱いになる。異世界的には神獣扱いかな?亜神なので格が下がっているけど。


(言わなければバレまい、ふふふw)


「はぁー、眷属神が残念な拗らせオタクにー」

『ん?異世界の知識を持つ博識な眷属神の間違いだよね?そもそもおまいう』

「神様だって知ってたら、自分の趣味を全開で語らなかったよー。ほんと黒歴史ー」

『ワドの黒歴史レベルが1上がった』

「くっそー!全く尊敬できない神様だねー!」


 おかしい。全然、尊敬してくれない。

 うーん、まぁ友達だし、遠慮が無いだけって事だろう。うんうん。


『だから輪廻の女神とは面識あるよ。僕にも一部の力があるし』

「どういった力なのー?」


 僕は生命の活力を、促進させる力がある事を説明した。治癒効果のあるブレスも含めて。

 生命は万物、代謝は法則、循環は輪廻の管轄だ。そして寿命は虚無の管轄だ。それぞれの御力を受けている。

 ケタから「凄い!大怪我とかも治せるの?」と聞かれたから「当然」とドヤっておいたよ。

 ま、実際には自然治癒する範囲の怪我を治せるだけなんだけど「しょぼ」って言われたくないから見栄をはっておく。それに治癒すると、寿命も縮むのだけれどそれも黙っておこう。また「残念ドラゴン」と言われたくないし。


(生命の活力を、促進させるだけだからなぁ……)


「凄いよー!友達が凄いドラゴンで驚いたー!」

『そ、そう?まぁね!(ドヤァ)』


 キラキラの眼差しだ。

 ……う、直視できないよ。もう訂正できないかな?

 でも大丈夫、大丈夫。転生した後は記憶が無いのだから、これは当然ノーカンだぁ!


 ケタから異世界の人の世界の知識を教えてもらい、僕からはこの世界の太古の知識や神の知識を教えあったんだ。まぁ僕がこの世界の人の常識・知識を知らなくて呆れられたからってのもあるけど。

 僕が教えた事は、忘れちゃう筈だけど「等価交換」と言ってケタが譲らないんだよね。

 ケタのテンションと、僕の尊厳の為に教えている。



 そうして、お互いの知識を交換する日々に、唐突に終わりが来た。

ドラゴンは知ったか&ドヤ顔を学習しましたw

これで、当面は無知な事をごまかせます。


この時点でのオタク知識習熟度:★★★★☆

スイーツドラゴン(笑)☞ オタクドラゴン


次回は「旅立ち」です。

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