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ドラゴンの人生探求  作者: 元毛玉
ドラゴン外交
159/389

遊園地完成&ご近所引っ越し

前回のあらすじ

急遽、カイナ諸島行きを強行し、リッツとの約束をすっぽかしたワド。

帰ってからも、帰還予定を無視して収穫祭を堪能した事について吊し上げを受けます。

「ずるいにゃん!ずるいにゃん!」


 あーもう、うるさいよガトーが。

 僕がラザの事を質問しようにも、ガトーからのずるい攻撃がずっと続いている。


「ずるいずるいずるい!ずるっこにゃん!」

「分かったから!ルクルに専用ご褒美させるから!」

「おいーワドー?何勝手な事いってるんー?」


 ルクルから非難の声が上がっているけど無視無視。

 どうせ、エリーゼからのお願いには逆らえないんだからさ。そしてエリーゼは僕のお願いを全力で叶えてくれるのさ!(ドヤァ)


「あのね、ダメよワド。めっ!なの」


 リゼからやんわりと窘められた。エリーゼを使おうとした事がバレたみたい。でも大丈夫。


「うん。エリーゼにお願いするのはやめておくね」

「ん、それがいいの」

「でね、リゼにお願いなんだけど、ルクルに協力して貰えるよう頼めるかな?僕、リゼが助けてくれると嬉しいな!」

「ず、ずるいの」


 なんだかんだでリゼは請け負ってくれたよ。

 計画通り!(ニヤリ)


「で、ラザはどうなったの?」

「ん?言ってなかったか?もう連れてきたぞにゃん」


(全く聞いてませんけど?)


 って出発の時にガトーからの【伝心】をブロックにしたままだったね。イケナイイケナイ☆(てへぺろ)

 ラザはどうにか3分間のマナ抑制は出来るようになったらしい。でもマナ力場を発生させるのと、マナ抑制がまだうまく出来ないらしくて、少し離れた所に住居を用意したんだとさ。


「ルクルのアドバイスで何とかなったぞにゃん」

「ラザの所に向かいながら詳しく聞かせてよ」


 ブォォォーーーー……!


 僕はガトーに服を乾かして貰って、二人でラザの所に向かう事にする。友達が良いドライヤー代わりで助かるよ。アチチ、ちょっと熱いかな?

 部屋を出る時に「今日のノルマ」を手渡される。

 ギルドマスターは碌な事しないから嫌な予感しかしない。僕は精神衛生上、一旦忘れておく事にした。


 ラザはザグエリ王国に近い山の方に住居を用意したんだと。そこ以外は地殻変動で被害が出そうだからだってさ。

 ガトー専用ホバーバイクに二人乗りで向かう。


(悔しいけど、このホバーバイク……カッコイイ)


 ボンとヘーゼルとホールンの渾身の合作だそうだ。

 ガトーのオーダーを叶えている。なんと驚愕の変形機能付きなんだよ!7形状あるんだって凄いね。


『ワドよ。お前の心の解説だと軽すぎだにゃん』


 ちょ!?僕のモノローグにまさかのダメ出し!?

 ガトーが性能解説させろとウルサイから任せたよ。


ーーーガトーの性能解説VTRーーー

 説明しよう。ガトー専用ホバーバイクとは、他の数多のホバーバイクと一線を画す次世代バイクである。

 全ての最高品質マナ鉱石を使った最高傑作だ。


 その性能を一つ一つ解説していこう。


─────────────────────

・正式名称:Invisible-(インビジブル)Star.(スター)

・変形種類:7種類

・最高速度:979.2km/h

・本体重量:962.0kg

・本体価格:3,500,000,000カロリ

─────────────────────


 黒の最高品質を取り込む事で更なる進化を果たす。

 その機体は7種類に変幻。その全貌を今明かす!


Mode-Wind(ウインドモード).

 通常モード。普通のホバーバイク形状。


Mode-Draft(ドラフトモード).

 来客モード。ミニバイク+サイドカー形状。


Mode-Gust(ガストモード).

 短距離型高速移動モード。特大フライボード形状。


Mode-Gale(ゲイルモード).

 前進強化モード。ニンジャバイク形状。


Mode-B(ブリーズ)reeze.(モード)

 小型小回りモード。オムニライド形状。


Mode-S(サブマリ)ubmarine(ンモード).

 水上&潜水モード。水上ジェット形状。


Mode-Storm(ストームモード).

 戦闘特化モード。ガルウイングスポーツカー形状。



 特筆すべきはサブマリンモード。これには……

ーーーハイハイハイハイENDーーー


 長い!長いよ!それに聞き飽きたから!

 全く、ガトーの自慢がずっと続いていてウルサイったら無いよ。今もまだ語り足りなそうな表情で、僕を見つめてくるしさ。解説の時は語尾も付けづにノリノリなんだよなぁ。

 とにかくドラフトモードに乗っていたら直ぐに山の麓まできた。なんだか掘っ建て小屋が出来ている。


(あそこにラザがいるのかな?)


「あれは料理人が調理する小屋だぞにゃん」


 ラザの為にスイーツを作り続ける専用料理人がいるらしいよ。近づいたら小豆を煮込んだ香りがしてきたから、今日は和菓子なんだろうな。僕も食べたい。

 ガトーが先導して、山の洞窟に入っていく。辺りが銀色一色になり始めたから、ここだろうね。


『ワド~おかえり~』

「ただいま。ラザは顔の周りに小豆つけすぎだよ?」

『う~?とって~』

「しょうがにゃいにゃん」

『え~、ガトーやだ~』


 仕方ないから僕が取ってあげる。ガトーはちょっと不機嫌になったな。そこにボンがお代わりを持ってやってきたよ。


「これ、どら焼きと小豆バタートーストですぜ。それとお代わりのリクエストのぜんざいっす」

『やった~!ボンありがと~大好き~』


(あれ?既にボンと仲良くなっている?)


 どうやらボンは、ここで作業していたりするそうだ。

 んでついでにスイーツをお届け。美味しいご飯を持ってくるボンにラザは懐いた感じ。

 ここで作業する事が増えたボンは進化したとの事。

 でも、戦闘力とかは一切強くなっていないそうで、その辺りも良い機会だから聞いてみたよ。


「んで、進化して何が変わったの?あ、これおいし」

「あっしは物を作るのが早くなりやしたぜ」

「ん?それって元々じゃないかにゃん?これは吾輩のだぞにゃん!勝手に食うなよにゃん!」

「それが全ての制作能力が3倍に向上しやして……」

『おいし~。ぜんざい、おいし~でござる~』

「あーもう、ラザはお口ふきふきしましょうね」


 ボンが説明してくれたけど、まとめヨロって言ったら元の9倍くらい早く作れるようになったって。

 その説明だけでOK。長いの禁止ね?


(ふぅ、とっても満足。おいしかった)


 食事を終えて、お茶を飲んで人心地。ふと、思い出す。ノルマカードの存在を。

 恐る恐る開いて見たら、やっぱり鬼畜だった。


「……ねぇ、これガトーもみたいだけど?」

「む?なんでワドのやらかしで吾輩までブラック確定してるんだにゃん?もう重機は頑張ったぞにゃん!」

「でも、超巨大観覧車もあるし……」

「さーてと、何サボってるんだ?ほらさっさと行くぞにゃん!」


 その後の僕とガトーは完全にブラック社畜だった。

 遊園地の建設予定地でずっと作業をしている。ご褒美なしのエンドレスで10日目に突入した時、あまりの辛さに愚痴会を開く事になった。

 被害者友の会メンバーのストローに【伝心】しようとしたら、なぜかガトーに止められたよ?


「ストローは今立て込んでるから、伝心はしてやるなよにゃん」

「俳優のお仕事?」

「……まぁ、それもあるにゃん。バランを誘ってみるのはどうだにゃん?」


 ガトーが【伝心】で呼んでくれるって。

 なんだか僕がいない間に随分仲良くなったんだな。

 バラン君も最近は生き生きと仕事しているよね。


(僕の国に馴染んでくれて良かったぁ!)


 それからも作業を続ける。バラン君がやってきた頃には完全に深夜の時間帯だ。遅れたお詫びといって夜食を取り出す。


(お!やったー!豚骨ラーメンだよ!)


 めっちゃ豚骨のいい香りがする。

 僕は大好きだけど、ガトーは臭いといってあまり好きじゃないんだ。


「吾輩、豚骨きらいだぞにゃん?」

「ガトー様には大学芋持ってきてますよ」


 僕も大学芋が良かったな。ま、豚骨ラーメンも美味しいからいいけど?

 夜食を食べながら、ルクルが鬼畜って愚痴を延々語った。それでせっかくだから、バラン君も友の会に誘ったんだけどさ「絶対に嫌です」って断られた。

 どうやらルクルのブラック培養を知ってしまったらしい。

 んで怖いんだって。

 そっか……バラン君もこの国の有給休暇の闇と、秘密を知ったんだね。ご愁傷様。


「それでストローはどうしてるの?」

「あー……それはだにゃん」

「私が説明しますよ。ストロー殿は色々と精神的に参ってしまって、ルクル様が里帰りの許可出したんですよ」


 な、なんだってー!?

 めちゃ驚いた。ストローが精神的に参った事もそうだけど、ルクルが里帰りの長期休暇を与えたって事に。でも、続く言葉に何故だか安堵する。


「休みの代償に地獄労働が提示されたようです」


 結局、ブラックじゃん。でもま、メイジー、ブールボンとの三ヵ国同盟のおかげで、ストローも里帰りできるようになったのかな?良い事だよね。帰ってきたら、僕だけは優しくしてあげよ。


─────────────────────


 さらに数日が過ぎて。


「やったよ!終わったー!」

「おう、やったぞにゃん!今日は飲むぞにゃん!」


 僕とガトーは、出来上がった遊園地の巨大遊具を見上げる。大変だったけど、とても誇らしい。

 そして、完成と同時に遅めの収穫祭が開かれる。


「皆、待たせてごめんね?」

「ワールドン様と一緒にお祝いできて嬉しいです」


 ポポロが皆を代表して答えて、皆が笑顔で僕の事を待っていてくれている。その瞳に期待を浮かべて。

 僕はその期待に大声で乾杯を告げる。


「今年も豊作だよ!乾杯~~!」

「「「乾杯~~~~!」」」


 他国の収穫祭も楽しかった。

 でも、僕の国の収穫祭こそが最高だと断言できる。

 だって、ここに身分の差は無いのだから。


「ワールドン様、収穫祭は初めてですが、楽しいです。こんなに美味しい料理があるとは……」

「バラン君も飲んで飲んで!」

「ん、これも美味しいの。ほら、ワドもあーん」

「えとえと……リゼって、あーんが上手くなった?」


 赤面したリゼは視線を反らす。

 ほほぅ。ルクルで慣れたのね。これは次の女子会で追求しなきゃね。


(ん?【伝心】で読むのはデリカシーで無い?あーあー聞こえないー!)


 そうしたやり取りの中、ふとストローが見当たらないことが気になった。



「あれ?ストローは?」

ラザの育児は、ボンが担当しているみたいですよ。

せっかく進化して作業スピードが爆上がりしてるのに、空いた時間は育児に充ててますんで、休めていません。

ストローに激務が積まれる事で、ワドは安堵してます。

仕事が楽になって被害者友の会を辞めてしまうのが怖いみたいですw


ルビの10文字制限があって、変則的なふりかたになっています。

スペルにルビふる場合は10文字だと足りないですね。

スペルとルビでモードの位置が異なるのは意図的です。

なんというか、日本語感覚だと後ろにつくのがしっくりくるので。


次回は「第2回船舶コンテスト」です。

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 お邪魔しています。  ガトー専用ホバーバイクって、なんかカッコいいですよね。説明シーンが、よくあるヒーローもので、専用のアイテムを説明するナレーションを思い出します。お話の途中でも入る、あの説明は大…
巨大テディベアが小倉バタートーストほおばってるのを想像してしまいました。 遊園地までできるんですねー。楽しそう。 国民になりたいけど地獄労働は嫌だなぁ…。でも、豚骨ラーメン食べながら愚痴るのも楽しそ…
いいですね〜、豚骨ラーメン!自分は最初カタの替え玉はバリカタにしています! リゼは無事ルクルとイチャイチャしているようですね〜
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