表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ドラゴンの人生探求  作者: 元毛玉
娯楽を充実させよう
133/389

映画館と初主演作品

前回のあらすじ

建国祭二日目のボドゲ大会で、ワドはリベンジを果たせませんでした。

ワドは誕生節のプレゼントを大量に貰って心がほっこりしているようです。

 ボンのオカリナ作成教室で、作られた大量のオカリナをプレゼントされた。僕は色とりどりのオカリナをどこにしまうか悩むのを楽しんだ。


(皆が一生懸命作った物だから、大切にしなきゃね)


「ぷしゅる~~~。どうせ勝てないですにゃー。あんなの所詮遊戯ですにゃー!うぃっく」

「カルカン君ー。俺からのお願いよろしくねー」


 宴は既に盛り上がっていて、酔っ払い組が幾つもいるよ。カルカンは最下位だった事で不貞腐れている。

 下位班ではルクルが優勝したっぽい。何かの魔術具をお願いしているみたいだね。上位班は前哨戦と合わせて総合1位がガトーになったので、僕もお願いを聞く事になった。


「ガトー、お願いは何かな?」

「吾輩も誕生節が欲しいぞにゃん」

「ふむふむ、どの節がいいの?」

「吾輩は全部だにゃん!全ての節を希望だにゃん!」


(ふぁ!?何言ってるの?元々欲張りだとは思ってたけどさ、流石にそれは許可できないよ?)


「ガトー、どこか一つに絞ってよ」

「む?ヤダにゃん!吾輩、他の奴がプレゼント貰ってると、それを欲しくなるから全部がいいぞにゃん?」

「我儘フリーダムかよぉ……」


 流石に我儘過ぎるので、ルクルに相談。仕方がないので誕生節は定めず、幹部の各自の誕生節でガトーに何か贈り物をする事になった。


「フハハ!吾輩だけ誕生節が多いのいいぞにゃん!」

「うん……そだね」


 実際には分散しているだけでプレゼントの総量は変わらない内容なんだけど、本人が気にしていないみたいだから良いのかな?

 それから、2年目に突入した事で大臣の見直しを行っていたんだ。それも今夜発表して、国民からは大喝采で受け入れて貰えて良かったな。


 新しいドラゴン内閣府は以下。

─────────────────────

 君主:ワールドン。

 内閣総理大臣:アルフォート。

 総務省大臣:ストロー。

 財務省大臣:アルフォート。

 法務省大臣:リゼ。

 外務省大臣:エリーゼ。

 防衛省大臣:カルカン。

 農林省大臣:クラッツ。

 水産省大臣:テトサ。

 観光省大臣:ポポロ。

 国土交通省大臣:ボン。

 文部マナ省大臣:カルカン。

 経済産業省大臣:バラン。

 厚生労働省大臣:ヴェスト。

 ギルドマスター:ルクル。

 ドラゴン省大臣:ガトー。

─────────────────────


 なるべく兼任の所を負担減らせるように、新大臣を配置してある。総務省大臣をストローに、経済産業省をバラン君に、厚生労働省をヴェストに依頼した。

 残る兼任としてはアルとカルカンの所なんだけど、財務省大臣は当面は周囲がフォローしつつ進める事になっている。文部マナ省はカール先生に打診中だ。

 人材不足も少しずつ解消してきて、娯楽に時間を割けるようになってきた。

 これってとってもいい事だよね?社畜大国なんて僕ヤだし?


「ワハハ!吾輩も大臣だぞにゃん!(ドヤニャン)」

「そ、そだね」


 ガトーは前哨戦でルクルに勝った時に「なにか大臣寄越せ」って要求したらしい。


(ドラゴン省ってなんだよ?……って気にしたら負けかなぁ?)


 翌日、僕はリゼから相談を受けていた。

 今にも降り出しそうな曇り空のお店通りを散策しながら、リゼと相談内容についてお喋りする。


「ルクルの前世の異世界だと、デートでどこに行くのが良いの?教えて欲しいの」

「うーん、デートの定番だと映画とかなのかなぁ」


 レジャー施設なら既にあるから、そこでもいいんだけど初デートで温泉施設ってなんだかなーだし。見せて貰ったアニメ知識だと、定番は映画館なんだよね。


「映画ってどういうの?」

「じゃ、幾つかアニメを伝心するね」


 僕がそう言った瞬間、リゼは体をビクッって震わせた。どうしたのかな?


「……伝心はいいの。どんな場所か教えてくれる?」


 困ったな、こっちの世界だと無いから説明が難しいぞ。デートの事を伏せなきゃだからルクルには相談できないし、【伝心】(    )しないで伝えるのは難しい。


「リゼ、映画館を用意するから待ってて!」


 僕はボンに相談して映画館を作る事にしたよ!そうと決まれば早速行動だね!

 拡張工事をしている現場へ急行すると、ボンは雨の中で作業していた。


「あっしにそんな難しい事言われても?旦那に相談するのはダメなんでやすか?」

「相談するとデート先がバレちゃうじゃん?」

「なら、ガトー様とかストロー様とかに相談してみてはどうでやす?」


 作業の手を止めたボンから、思わぬアドバイスを貰う。


「被害者友の会に?」

「あっしは言われたものなら作れますけど、どう作ればいいのか分からない物を相談されても力になれやせんぜ?」

「わかった。ボンは気を付けて!風邪ひかないでね」


 早速、ガトーの新居に向かった。

 ストローにも秘密のミッションと【伝心】(    )で連絡済み。ガトー宅で合流予定だよ。


「吾輩のマイホームへようこそにゃん!」

「なんか、狭いんだけど?」

「そこがいいんだろ!にゃん!」


 そうだった。

 ガトーは隙間とか隅っことかそういう狭い所が好きだった。豪邸よりは隠れ家的なのを好む傾向にある。猫魔族の身長に合わせているから、天井がやけに近いよ。

 ストローが合流して本格的に相談が始まった。


「映画館は面白そうだが、ルクルのアイデア貰わずにどうやって実現するんだにゃん?」

「そうなんだよ。そこが最も難しい所なんだ」

「それやったら、カルカン様に相談したらどないです?むうびいの魔術具の応用でいけそう思いますわ」

「「確かに」」


 おつかいクエストみたいに振り回されているな。

 今度はカルカンの家に3人で押し掛けた。一応、ご機嫌取り用の日本酒をお土産に持参している。


「ぷしゅる~うぃっく。なんにゃー皆でーうぃっく」

「うわっ!酒くさ!カルカン、部屋を換気しなよ!」

「吾輩、外で待ってるにゃん。終わったら呼んでくれにゃん」

「えらいキッツイ酒の匂いですわな。香りだけでも酔いそうや」


 休日のカルカンはこんなんだったのか……トスィーテちゃんに絶対に怒られるな。

 これはきっちり記憶して、後々の脅しに使おうと決めたよ。

 僕はカルカンに、極小効果のブレスを当ててお酒を抜いた。


「にゃ!?なんにゃ?酒がいきなり抜けたにゃ?」

「じゃ、悪いんだけど相談にのってね?」


 カルカンに映画館を【伝心】(    )して再現を求めた。

 そしたらあっさりOKが出たよ。


「これなら、むうびいの魔術具よりは簡単そうにゃ。でも光と風の最高品質マナ鉱石が大量に必要にゃ」

「その二つなら数は幾らでも用意するよ!」

「なら、ボンに大きな部屋に巨大スクリーンと大量の椅子を用意するのを伝えるのにゃ。伝心すればOKだと思うにゃ」


 ボンにも作成を依頼した。金牛節の間に作ってくれるそうだ。相変わらず仕事が早いね。

 んで、ストローとガトーと3人で映画撮影だよ。


「演技は任してや。どないな役でもやったりますわ」

「吾輩も瞬時に4キャラ演じ分け余裕だにゃん!」

「ってかガトーはその4キャラ限定だよね?」

「ほいで題材は何にします?」

「それぞれが良いと思うのを組み合わせれば最高の物ができるにゃん?」

「僕、賛成!」


 それから半月は撮影の日々だ。

 撮影にはマイティとエリーゼの協力を仰いだ。

 僕らは初めての映画撮影に興奮していて、冷静じゃ無かったんだ。


「どうしてこうなった?」

「どうしてだにゃん?これカオスだにゃん」

「ハハハ……これはちょっとはしゃぎすぎたなぁ」


 それぞれがやりたい事を全部詰め込んだ。ストローは時代劇。ガトーは特撮。僕はスポーツ。

 ほんで3人が出会って恋バナした後に、ホバーバイクでレースするんだ。はっきり言って意味不明。

 謎の映画が、爆誕してしまったよ。

 でも、せっかく作ったんだから上映会をする事になったんだ。

 映画館は、なぜか満席になっている。


「なんかウケてるで?」

「違うのに!ジャンルはギャグじゃないのに!ガトーとストローのせいだよ!?」

「吾輩のバイク捌きがかっこよいだろにゃん?なんで笑い声が多いのか分からないが、ウケてるならいいだろにゃん?」


 観客はギャグとかコメディだと思っているみたいだけど、僕は至って真剣にスポーツ物を撮ったつもりなのにぃぃ!


「ワールドン様、それやったらなんで冒頭に恋バナいれたんや?」

「だって、恋に落ちてスポーツ始めるのがセオリーでしょ?」

「あれってワドが単に恋バナしたかっただけじゃないのかにゃん?」

「そ、それもあるけど?」


 なんか、二人からジト目で見られた。

 だけど映画は大成功だった。でも出来上がりは本意じゃないの。ぐぬぬ。


「ワド、映画館素敵でしたの。映画も面白かった」

「そ、それは良かった」


 リゼはデートで映画を堪能してくれたみたい。暗闇の中でルクルと手を繋いでいたよ。お熱いね~お二人さん!

 リゼとの事を揶揄おうと、ルクルの執務室へ遊びに来たんだけど、ルクルからは映画へのツッコミを受けた。


「あのカオスなB級自主制作映画はなんなんー?」

「B級言うなや!」

「カオスは否定しないんだー?」

「それは否定出来ないからね!(ドヤァ)」


 僕とルクルが話していると、ノックをしたジャックが入室し、部屋にはフレーバーティーの香りが漂う。


「お茶美味しい。ねぇジャック、これなんのフレーバー?」

「ワドー、その話は後にしてくれるー?で、ジャックさんの報告をお願いします」

「はい。ラコア将軍が動きました。ただ、国を出奔したらしくて、足取りが追えません」


(何の話?僕、聞いてないよ!)


「んー、足取りはルマンド様に協力を仰ごうかー。他にも何かありそうねー?」

「はい」

「ルクルルクル、僕にも説明してよ?」


 手をひらひらさせて「後でなー」と、こちらを見向きもしないルクル。

 僕、この国の王様なのに!悔しいからフレーバーティーをヤケ飲みだよ!


「自称勇者が、ドラゴン狩りを公言していたのは、前回ご報告した通りなのですが……」


(待て待てーい!それも聞いてないぞ!)


「その勇者パーティーが港町ナーハに到着したとの事です」



(なんか僕の知らないとこで話進んでるよ!?)



2年目の大臣が発表されました。


映画撮影は採掘場です。

バイクレースは火薬の爆発が大量に。

恋バナのパジャマパーティーも採掘場で。

BGMとSEは時代劇から。B級臭が凄い……。


次回は「自称勇者の襲来」です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
元毛玉作品集
新着順最近投稿されたものから順に表示されます。
総合評価順人気の高い順に表示されます。
ドラ探シリーズ「ドラゴンの人生探求」の関連作品をまとめたものです。
本日の樽生ラインナップ樽酒 麦生の短編集です。
セブンスカイズ
代表作。全25話。
なろう執筆はじめました!なろう初心者作家向けのエッセイです。
― 新着の感想 ―
[良い点] ギャグ映画になっちゃいましたねw結構前にあった、酷い出来すぎて逆に受けた鳥の映画を思い出しました。 [一言] リゼが一歩優位になっちゃいましたね〜、もういっその事リッツとリゼ両方嫁にしちゃ…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ