ボードゲームリベンジ
前回のあらすじ
コスプレ大会?の優勝をうやむやにしつつ無事終えて、2度目の誕生節を迎えたワド。
闇鍋パーティーも大変だったようです。
今日は建国祭の二日目だ。
二日目の催し物はボードゲームだよ。ボン作のオリジナルを見て、弟子達が作った物が国民達に配られている。あちこちでグループが作られていて、ボドゲがプレイされているよ。
夜には誕生節のお祝い二日目を予定している。だから、ボドゲ大会は昼だけなんだ。遊ぶゲームを絞らないと時間内に終わらないから。
「僕、前回のリベンジをしたいんだけど……」
「んー?俺は新作のドミニオソをやりたいなー」
「リベンジするにゃ!今度は全勝するのにゃ!」
カルカンが燃えている……けど、カルカンはゲーム弱いんだよね。実戦では強いのに、ゲームでの駆け引きは皆無なんだよな。
「あたし、アグリコヲやってみたい!」
「吾輩、赤のコレクション盗むのがいいぞにゃん」
「私は領地経営のドミニオソを希望ですわ」
「私もドミニオソが気になっています」
リッツはアグリコヲ。ガトーはクラソク希望だ。
ストローとバラン君はドミニオソを遊びたいみたいだね。幹部も増えて来たので、2グループに別れて遊ぶ事になった。
1位は参加メンバーに何かお願いできる権利だよ。
エリーゼとリッツはルクルと同じグループに入りたいみたい。料理コンテストでのデート権を失効したから、それを取り戻すんだと。
エリーゼはリゼの為に頑張るって言っていた。
一緒に遊べない事を謝罪されたけど、全然OK!リゼに朗報届けてやってよ!
僕はガトー狙いだ。銀を探しに行くのを手伝って貰うんだよ。僕、銀との約束をすっぽかしたままだから何言われるか不安なんだ。ちょっとだけ。
「ワド、銀はお前に懐いてたから、大丈夫だにゃん」
「だけど僕、銀から貰った宝物も盗まれたし……」
「それも大丈夫だろにゃん。それに1位のお願いじゃなくてもその位は叶えてやるぞにゃん?」
やっぱり持つべきものは友達だよ~!
「あ、だから吾輩はルクルの班でやるぞにゃん」
「え?どゆことなん?ガトー!ちょっとー!?」
信じた瞬間に裏切られた気分。ルクルばっかりモテていて悔しい。
そんな訳でグループ分けは以下になったよ。
A班:ルクル、ガトー、エリーゼ、リッツ
B班:僕、カルカン、ストロー、バラン
アルはこんな日なのに執務をしている。ワーカーホリックすぎると思うんだ。Bチームはなんかおっさん率高いよね?あと約1匹が既に酒臭いんだ。
「ぷしゅる~。こっちの班は初心者多いから楽勝にゃー。軽く揉んでやるにゃー」
「ハハハ……カルカン様、お手柔らかに頼むで」
「私はカード遊びは割と得意な方ですよ」
なんか、テンションあがらないけど……気持ちを切り替えてドミニオソやるよ!
ドミニオソはデッキを構築していくゲームだ。何を買うにもお金が必要で、銅貨、銀貨、金貨があるよ。ふふふ、やはり金が一番高いんだね!(ドヤァ)
お金でデッキを強化したりするんだけど、最終的には勝利点が含まれている領地を買うんだ。あんまり早くに買いすぎると、デッキが弱くて続かないし、買い始めるのが遅すぎると、領地が売り切れちゃう。
デッキの強化も色んな方向性がある。回数を増やすのが基本的な強化で、それもドローを増やすか、アクションを増やすか、買い物を増やすか戦略が分かれる。他にも様々な効果のアクションがある。どれが正解とは一概に言えない。正解は一つじゃないんだ。
「あ、インストはむうびいの魔術具で撮ってあるよ」
「お金にゃ!お金さえあれば何でもできるにゃー」
「私はアクションが大事やと思うわ。ぎょうさん手札あっても処理しきれんと意味ないし」
「領地……領地……我が家の悲願……」
(なんか、バラン君だけテンションおかしくない?)
「好調にゃー!お金たくさんなのにゃウハウハにゃ」
「ワールドン様、村を連打しすぎですわ」
「ん?村コンボだからね。はい、兵だよー皆3枚になるように捨ててね!」
「「「な!?」」」
んー、こっちのメンツは弱いから無双できて楽しいなぁ。ルクルとエリーゼは強敵だからこっちで良かったかも?勝ち易きに勝っておかなきゃね。
「ぐぬぅ!領地……領地……私の領地がぁぁ……」
「なんかバラン氏は怖いにゃ……」
「バラン殿、これは遊戯やで?落ち着きや」
「えーと、村、村、村……あ、また兵だよ3枚ね」
「「「な!?」」」
2ゲームやったけど、僕が圧勝だったね。なんと2位はバラン君だった。しつこく領地を求めていたから、カルカンやストローが領地を買いに出た時には、僕とバラン君でめぼしいのは買っているんだ。
「…………にゃ……」
「カルカン様、お気を確かにやで?」
カルカンは安定の最下位2回だった。なんていうかお金あるけど、安いからと銅貨ばかりで、うまく回って無かった。適度なバランス感覚は大事だよ?
それにしてもさ、バラン君の家系は何があったんだろうね?なんか執念を感じたよ。
上位班と下位班に分かれて、ゲームを変更して後半戦をやる事になったよ。
上位班:僕、エリーゼ、ガトー、バラン
下位班:ルクル、ストロー、リッツ、カルカン
ふむふむ……え!?ルクル下位に沈んだの?ガトーに慌てて【伝心】で問い合わせた。
『ガトー、ルクルが下位って何があったの?』
『うむ。エリーゼに脅されてたぞにゃん』
『脅されてって何!?どゆこと?』
『仕方ないな、丸ごと伝心してやるぞにゃん』
ーーーエリーゼ脅し再現VTRーーー
「ルクル、マイティの覚悟に泥を塗りましたね。わたくし、許しませんわ」
「んー?コレクションの話を聞きたいですよねー?」
「それはワールドン様に伝心で見せて貰いましたわ」
「え?……」
「この遊戯の結果次第では鑑賞会が待ってますわ!」
ーーーエリーゼ脅し再現ENDーーー
その後、ルクルはわざと負けていた。忖度ボドゲ回だったよ!?ちょっとー!僕の楽しみを奪わないで!
エリーゼに「何で脅したのか」をきちんと聞いた。
そして、エリーゼからの説明にちょっとくらいのお仕置きは仕方ない気もした。「ルクルはもう一人のわたくしとリッツのどちらかを選ぶのが嫌で、マイティを料理大会優勝という辱めにあわせた」って理由だったから。
料理大会優勝というか、皆あの紐みたいな水着に歓声を送っていたし、辱めで合っているね。
そんな訳で「マイティに代わってお仕置きよ!」されていた。ざまぁw!
「今度こそ、赤の財宝盗むやつをやりたいぞにゃん」
「お、クラソクは僕もリベンジしたかったん」
「わたくし、全力ですわ!皆様お覚悟ですわ!」
「盗み……う、うぅ……」
バラン君の過去に一体何があったのか?【伝心】で覗いてみたら、盗品の濡れ衣で領地没収された過去があるっぽい。なんか今日のボドゲチョイス、トラウマを刺激してごめんね?
でも先々代が、侯爵から男爵まで落とされて、めげずに伯爵まで上がってきた君の家系は優秀だよ?
さて、クラソクのリベンジ回だ。今回は勝つぞ!
「吾輩は緑マナ石にするぞにゃん!」
「わたくしは白マナ石ですわ!」
「僕は当然、金だよ!(ドヤァ)」
「では、私はせっかくですから赤のマナ石を……」
マナ石を引くのはバギャにお願いしたよ。
「ギャーーー、赤のくさい息でやられたにゃん!」
「それ、本人に言ったら怒られるよ?」
「だってアイツ、いっつも怒ってるぞにゃん?」
にしても、エリーゼのリアルラックが強いよ。またもや一度も白が出なくて、1戦目に圧勝された。
『ワドワド、ちょっといいかにゃん?』
『急に伝心でどしたん?』
『エリーゼ、イカサマしてないかにゃん?』
ガトーがイカサマを指摘したけど、マナ石に細工は無かった。念入りに確認したよ?
『フウカナット村の村長、ビクッってなるぞにゃん』
『ちょっと僕も注意深くイカサマチェックするよ!』
バギャが麻袋に手を入れた後、確かに硬直する瞬間がある!エリーゼからは……これは覇気?
「エリーゼ!ちょっとイカサマ疑惑があるよ!」
「そうだおかしいぞにゃん?目力が変だにゃん!」
「わ、わたくし不正行為などしてませんわ!」
エリーゼがわたわたと弁明をし始めた。怪しい。
「それって、僕に誓える?やましい事はないって」
「……申し訳……ありませんでした……」
白マナ石を掴んだのを感知して、目力で圧をかけている不正行為が発覚した。なんてことだ!リアルラックじゃなかった!
公正を期すためにカール先生にアドバイスを求めたら、マナ石を使わずに6面ダイスを使う事を提案されたよ。2~5をそれぞれの色に割り当てて、6はふり直し、1は黒マナ石扱いとしたよ。
「わ、わたくしの番号ですわ」
「ホリター家だろうが、不正行為を行ったやつの末路はこんなもんですよ!ワハハハ!あ、すいません」
「「マジ引くにゃん……」」
やっとエリーゼが退場したね。いやーなんか怪しいとは思っていたんだ。でも証拠が無かったから。
それにしてもバラン君の印象が今日一日で変わったよ。なんかボドゲだと凄くハッスルしているよね。
1戦目は無効試合となって、2戦目をバラン君、3戦目をガトーが勝っていた。
(あれ?僕、リベンジできてなくない?)
僕のリベンジは失敗に終わった。次、次頑張る!
夜は僕の誕生節のお祝いの2日目だ。アルとエリーゼがプレゼントを持ってきた。
「ワールドン様!愚弟と一緒に用意しましたわ!」
「ヘーゼルにも協力して貰いました」
マナ回路技術者のヘーゼルにも協力して貰ったってのは、気になるね。取り出して見たら秘密箱だった。
「僕、マナが強すぎて壊しちゃうけど?」
「大丈夫ですわ!石と一緒にお使い下さいませ!」
どうやら、ただの石がマナ宝玉になるように吸収してくれる仕組みみたいで、僕でも使えたよ。
ボン&国民からは手作りのオカリナ180個を貰った。
(すっごく嬉しいけど、秘密箱に入りきらないよ!)
バランのトラウマを刺激するボドゲチョイスになってしまった。
一人何か背中にオーラが見えるレベルの意気込みだったようで……。
ちなみにカルカンのドミニオソは、大量にお金を買うのを重視しているので、銅貨や銀貨ばかりで全く回りません。金貨買えよって皆思っています。
次回は「映画館と初主演作品」です。