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ドラゴンの人生探求  作者: 元毛玉
娯楽を充実させよう
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ワールドンカップ・後編

前回のあらすじ

バレーの試合で露骨なガード&伝心がルクルにバレて、おしおきの作業を科せられたワド&ガトー。

なんとか料理コンテストの決勝に向けて作業を終わらせるべく奮闘しました。

 僕とガトーは気合いですわ!全力ですわ!したよ。

 日没手前で700km分が全て完了した!やったー!


「おう!お疲れにゃん!」

「お疲れだよガトー!」

「今日の飯と酒は絶対旨いぞにゃん!」

「僕も同感だよ!さぁ、帰ってドヤ顔しようよ!」


 会場に行ったら、優勝チームがはしゃいでいたから、分かっちゃった。ネタバレ酷い。


「ワールドン様、ガトー様。友の会として、しっかり見ときましたわ。すぐ伝心されまっか?」

「うーんうーん、優勝チームは分かったけど、一応気になるし、ダイジェストでヨロ!」

「吾輩もハイライトだけでよいぞにゃん!」


 って訳で【伝心】(    )で読み取ったよ。


ーーーバスケ決勝ハイライト!VTRーーー

「よしイケる!ダフ村おっさんずには負けない!」

「僕らの方が体育館で毎日練習してるからね!」


〜〜〜会場アナウンス!〜〜〜

『ダフ村おっさんずに、助っ人の謎の格好よい覆面猫魔族さんが選手交代で入ります!』

(((覆面してるけど……カルカン様じゃん)))


「落ち着くにゃ!まだ慌てなくても時間あるのにゃ!まずは1本取るのにゃ!」

「「「おう!」」」


〜〜〜謎の格好よい覆面猫魔族無双!〜〜〜

「くっ……姿勢が低すぎてドリブルが半端ない!」

「ノールックえぐい!」

「こっちのフェイク全部バレてるのなんで!?」

「激しく動くとすぐに覆面ズレるのにゃー」


〜〜〜謎の格好よい覆面猫魔族3P!〜〜〜

「なんでスリー外さないの!?」

「くっそ!ガッツポーズ悔しいけどカッコイイ!」

「ダフ村のバスケ愛を舐めるにゃ!あー覆面が蒸れて痒いにゃー」

ーーーバスケ決勝ハイライト!ENDーーー


 ハイライトを見たガトーは、全身で悔しさを表現していた。僕もちょっぴりズルいなと思う。


「カルカン、ズルいぞにゃん!吾輩も覆面で出れば良かったにゃん!」

「途中で何度も覆面ズレてたから、皆分かっててスルーしたんだなぁ……カルカンはバレて無いと思ってるだろうね」

「ほな、バレーもいきますか?」


 続いて、バレーの決勝だ。


ーーーバレー決勝ハイライト!VTRーーー

〜〜〜白熱したフルセット!〜〜〜

「くっ!……秘密兵器使います!ガードお願い!エリーゼお姉ちゃん!」

「わかりましたわ!全力でガードしますわ!」


〜〜〜エリーゼガード発動中!〜〜〜

「え……と?エリーゼ様?俺も試合が見たいなーって思うんですけどー?」

「安心しなさい!ルクルはわたくしだけ見てればいいですわ!」

「……なるほど。あのドラゴンズを引き剥がしただけじゃ足りなかったかー」


〜〜〜ルクルの裏取引中?〜〜〜

「エリーゼ様、試合を見せて下さい」

「なんの事です?わたくしわかりませんわ!」

「ワドの大切な秘密コレクションの話を聞きたくないですか?」

「……ルクル、お譲りしますわ」


〜〜〜リーサルガード直前!〜〜〜

「エリーゼお姉ちゃん!リゼお姉ちゃんとの約束破ってもいいの!?」

「わたくしはガードできませんわ!でも……マイティ!リーサルガード発動ですわ!」

「え?何その不穏な単語?俺どうなっちゃうんー?」


〜〜〜マイティが羽織っていたのを脱ぐ!〜〜〜

「「「おーーー!」」」

「マイティさんー!?その水着ほぼ紐ですよー!?」

「アルフォートもしっかりと見ておきなさい!」

「姉上!流石にマイティが可哀想です!」

「皆!マイティさんが体張ったガードしてる間に逆転するよ!」

「「「おー……(ドン引き)」」」

ーーーバレー決勝ハイライト!ENDーーー


 マイティが水着で会場の視線を釘付けにしていた。

 マイティ、マジ半端ない。勇者だよアンタ。


「いや~、マイティはんの水着は眼福やったわ~!ヤバ!視えちゃう思いましたわ!」

「ストローも堪能したんだね。ん?どしたんガトー?さっきから黙ってて」

「いや、吾輩があのリーサルガードをやったら……トスィーテの目が深遠から帰って来ないの想像して、怖いと思ってたにゃん」


(それは怖いにゃん!ヤメテー!)


 そんなこんなで優勝祝賀会&ワールドンカップお疲れ様会だよ。料理は料理コンテストの決勝戦となる。大会本選で出た料理は、既に立食形式で振る舞われている。


「サブロワ君のハチャプリ激うま!」

「これハチャプリって言うのか?凄く旨いぞにゃん?吾輩的にはこれ優勝にゃん!」

「あー、サブロワ君は既に敗退してるんよ。でも、これで負けるなんて思えないんだけど……」


 正直、サブロワ君の料理の何がダメだったのかが分かんない。他の決勝進出の料理と比べても、抜きん出ていると感じた。

 そこで、審査員をしたカルカンに尋ねてみたよ。


「サブロワ氏は、料理単体でしたにゃ!」

「「単体?」」

「リッツ氏とカール先生はビール、リゼ氏は赤ワイン、テトサ氏はコーヒーのカクテルにゃ!」


 あー、なるほど。サブロワ君は合わせるお酒をつけずに勝負したのか。というかブールボンだと18歳から飲酒だから、飲んだ事無いのかも?審査員は呑兵衛ばかりだから、それは厳しい戦いだったんだろうなぁ。


 ちなみに、料理コンテストの決勝は会場のお客さんたち。即ち国民全員が審査員だ。一番会場を沸かせた人が優勝である。決勝だったら、サブロワ君が優勝していてもおかしく無かったな。


 リッツとエリーゼの所へ激励に向かったよ。


「リッツ、バレー優勝おめでとう!」

「結局、どうやって勝ったんだにゃん?ストローの記憶だと……後半はマイティの水着しか残って無かったにゃん」

「アンの活躍で勝ったよ!でも、観客は誰も試合見てなかったのが悔しい!」

「マイティが体を張ったのですから当然ですわ!審判も試合を見てませんでしたわ!」


 それって試合としてどうなん?って思ったけど、マイティの頑張りを無駄にしない為に、ここは空気を読むよ。


「えーと……エリーゼ、リゼの料理は大丈夫なの?」

「はいっ!昨日に仕込みは全部終わらせてあるので、今日は温めるだけですわ!」


 リゼの準備は抜かりないみたいで、エリーゼからは自信たっぷりの笑顔を返された。ま、エリーゼはいつも自信たっぷりなんだけれど。

 それを横目に、ガトーがリッツに語りかけていた。


「リッツの自信のほどはどうだにゃん?」

「ガトー様、寄らないで。自信はあるよ!国民全員なら、カール先生のアドバンテージも消えるから!」


 まだ……人でいるつもりなんだね。ここは指摘しないのが優しさだよ。それにカール先生のアドバンテージは少し減ったかもだけど、呑兵衛票は馬鹿に出来ないから!

 先に、ワールドンカップの優勝チーム表彰から行うみたい。ポポロがマイクパフォーマンスしている。


「サッカーの優勝はフウカナットビール部隊です!」

「「「ウォオオォオオォ!」」」

「代表して、ヴェストさん表彰台にどうぞ」

「うぉっしゃーーー!」


 な、なんかやたらハイテンションだと思ったら、優勝した際に新しいビールを作る賞品をルクルが用意していたっぽい。やる気の理由に納得だよ。


「バスケの優勝はダフ村おっさんずです!」

「「「おー!」」」

「代表して、謎の格好よい……略して、謎のKY猫魔族さん!表彰台へどうぞ」

「……ポポロ氏、なんで略したにゃ?なんでそこだけ略したにゃ?」

「…………」

「黙秘権やめるにゃ!あー覆面かゆいにゃー」


 カルカンは覆面を外して、顔を手でゴシゴシしてから被り直した。あれでバレて無いつもりなんかい!

 ……ってか、ポポロのアナウンスは、ルクルの台本なんだろうなぁ。


「えー、続きまして……バレーの優勝は学生女子チームです!」

「「「せーの!やったーーー!」」」

「代表して……マイティさん、表彰台にどうぞ!」


 会場が騒然とした雰囲気になったよ。

 チームメンバーでも無いマイティが呼ばれた事に、皆驚いている。ルクルはなんでこんな台本に?

 マイティが戸惑いながらも、表彰台にあがった。


「あの……マイティさん、質問があります!そのロングコートの下は水着ですか?」

「……黙秘します」

「「「うぉーーー!」」」


 会場は盛り上がったから、結果オーライなのかな?その時、僕は油断しきっていた。


「では、ワールドン様!金メダルの授与をお願いします!」

「ふぇ!?僕、聞いて無いけど?」

「え!?でも台本に書いてあるのでお願いします!」


 くっそ!ルクル台本は余計な事しかしないな全く!僕は諦めて表彰台に向かった。それから、各チームの代表者に金メダルをかけてあげたよ。


「マイティお疲れ。あの水着だと光ガード必要じゃない?露出狂と言われちゃうよ?」

「……ワールドン様にだけは言われたく無いです」


 なーんか僕の事、露出狂と思っているみたいだけど……違うからね!形態変える時に服を守る為に、致し方無くだよ!

 料理コンテストの料理も行き届いたので、ジャッジに移る。台本カンペを渡されたから、僕が読み上げなんだよね?


「えー、じゃあ料理の決勝ジャッジだよ!良かったと思う人の時に歓声をあげてね!」

「「「おーーー!」」」


 会場の盛り上がりは最高潮だ。このままいこう!


「リゼが良かった人~」

「「「リゼ様!サイコーーー!」」」

「リッツが良かった人~」

「「「いえーーい!リッツーー!」」」

「カール先生が良かった人~」

「「「先生!ビールが飲みたいです!」」」

「テトサが良かった人~」

「「「リア充爆発しろぉおおぉお!」」」

「えー……ん?マイティが良かった人?」


 一瞬の静寂の後、割れんばかりの歓声が上がった。


「「「マイティ姐さんマジパネェす!」」」

「「「すっごく綺麗でしたーーー!」」」

「「「マ・イ・ティー!マ・イ・ティー!」」」


 すっご……んで隣のマイティはめちゃ赤面していた。


「マイティ、優勝おめでとう」


 あれ?料理コンテストじゃなかったっけ?

 なんで出場していないマイティが優勝なんだろ?



 マイティの「計られました」という呟きがやけに耳に残った。



バレーの決勝の決着は、観客も審判も見ていませんでした。SUGOIよ!マイティ!

そもそも参加をしていないし、料理も出してもいないのですけれど、料理コンテストはなぜかマイティが優勝ですw


次回は「開国1周年祭」です。

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― 新着の感想 ―
 お邪魔しています。凄いです、マイティ―さん!  衣装で衆目を集めてバレーの試合で自チームを優勝に導くなんて、どんな必殺技も勝てませんね。マイティ―さんの様子は、転写で記録してなかったんでしょうか?
[良い点] 優勝したチームおめでとうございます!KYはKYでしたね〜 [一言] マイティ…俺も見たかったっ…!
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