六食目 尺あじのお造り
2023年2月18日(土)昼ご飯 2000円くらい
カリンは魚には疎い。寿司屋へ行っても、正直、分からないネタがいくつもあるし、刺身の盛り合わせを出されても、どれが何の魚だか分からなくなってしまうレベルである。
とはいえ、魚を食べるのは好きだし、珍しい食べ物も好きである。定食屋さんで見つけた『尺あじ』というお品書きを発見し、いかにも珍しいものであるかのようなキャッチコピーが添えられていたので、ちょっと値は張るが、思い切って注文してみた次第である。
あとでググってみれば、何のことはない、サイズが大きいだけのアジだと判明した。なんだ、あれもこれもアジなのか、と少しがっかりしていたが、料理が運ばれてくると、目の色が変わった。
「おお~!」
思わず歓喜したのは、アジの切り身が(写真では分かりにくいけど本当に)山のように盛られていたからだ。一度にこんなにたくさん、アジのお刺身を食べたことはない。港育ちでもないカリンにとって、普通、一回に食べるアジはせいぜい二、三切れだ。
とりあえずお醤油を付けて食べてみる。
「これは……白身魚?」
アジは赤身? 白身? それとも青? よく分からないけど、クセも匂いもなくて、白身を食べているような感覚だった。
ショウガを付けて食べてみたけれど、薬味なんぞ余計だと思った。醤油だけのほうが、魚の味がよく味わえる。アジだけに。
で、食べていくと、切り身の下にもさらに切り身が出てくる。全部で二十枚くらいはあっただろうか。しかも一枚一枚がけっこう厚くて食べ応えもある。アジばっかり食べすぎでは……? まあ、食べるけど。
「一年分のアジ食ったわ。ご馳走様でした」