第二部 VS氷取沢女学院 あとがき
第二部 VS氷取沢女学院 あとがき
*表題通り、ここまでのあとがき回になります。
本編には直接関係のない裏話の雑談となりますので、興味がなければ読み飛ばして下さい。
さて……第二部 県大会編の前編となります氷取沢女学院戦までなんとか書き終えることが
出来ましたが、いかがだったでしょうか?
私的には『やりすぎた』。この一言に尽きると思っております。
プロット初期段階では、氷取沢でメインに据えようと決めていたは椿と菫の二人。
ここに梨花と佳乃辺りを上手い具合に絡めて……ぐらいにしか考えていませんでした。
ところがどっこい。
いざ書き進めてみると、モブに近い立ち位置くらいでしか考えていなかった他のスタメンの
七人が自分にも出番を!自分にも活躍の場を!と勝手に動きだしてしまいました。
気づけば全員にキャラ付けしてしまい、そうなると一人一回は見せ場を作ってあげたいなぁと
駄目な親心がむくむくと芽生えた結果が長すぎる過去の回想へと繋がり、試合中にもう一つ試合
をやるという訳が分からない大脱線となってしまいました。
さらには涼子という試合の外からも絡んでくる実況陣営まで加わり、あれ?この物語の主人公っ
て誰だっけ?状態に。
やりやいことを全部詰め込んでやりすぎた結果、鶴川が薄味になってしまったのは反省を通り
越して猛省するしかありませんでした。
ですが、もしも氷取沢女子野球部というチームや本間涼子というキャラが好きになったという
方が一人でもいてくれたら……これほど嬉しいことはありません。
・氷取沢女学院のネーミングについて
ここまでに氷取沢女学院以外にも何校か登場させてきましたが、鶴川以外は神奈川県に実在する
地名から選んでいます。
高校野球で神奈川といえば横浜高校や東海大相模などが有名どころ。なので強豪校として描く
つもりだった氷取沢も最初は横浜女子(仮)でした。
では何故、氷取沢女学院へと変更となったのか。
その理由とは……特に深い理由なんてありません。単に神奈川の強豪校=横浜だと安直すぎる
なぁと思っただけです。
まぁ横浜と言えば神奈川の中では一番有名な都市ですし、神奈川県出身者は横浜以外の地名を
言ったところで「それどこだっけ?」となるのが面倒なので、最初から横浜出身ですと偽る人が
多いというデータもあるくらいです。(民明書房「神奈川の地名格差」より)」
ですので、神奈川をよく知らない人からすればイメージしやすいという利点はあるでしょうが、
逆に考えるんだ。知名度の低い土地ならやりたい放題できるんじゃね?(失礼)と書きやすさを
重視したのが10%。残りの90%は氷取沢ってなんか響きが格好いいよね、という理由で
した。
そんな氷取沢ですが、どのようなところか少し調べてみたところ実際に高校があるようです。
もちろん女子校ではありませんし、この物語はフィクションであり、登場する人物・団体・名称
等は実在のものとは関係ありません。ですので、あしからず。
・もう一つのネーミング
氷取沢女学院に登場させるキャラの名前……これを決めるのが実は一番の難産でした。
1チーム分ですので最低でも9人。そこに控えの佳乃と監督の梨花で11人……そりゃネットで
人名検索しますよねって話ですよ。
ただ、一番始めに川島 菫だけはなんとなく決まってたんですよね。なのでこの名前を基準に
目立ちすぎず、目立たなすぎずなもので考えていたその時――私に電流走る――!。
菫 → スミレ → 花の名前 → 全員に花に関する名前を入れればいいんじゃね?、と。
方向性を一度定めてしまえば、そこからはもう一気で決まりました。
・川島 スミレ
・カンナ 美央
・金子 アヤメ
・サクラ田 あざみ
・アマネ 玲子
・ハス 環
・田中 エリ香
・ハギ原 純
・橋本 ツバキ
・ヤマブキ 佳乃
そして監督には、花が育つのに必要な『土』を苗字に入れて土屋。
とまぁ、桜・蓮・椿といった辺りは有名な花の上にまんまなので気づいていた人もいたのでは
ないでしょうか。
この名前に何かしらの関連性を持たすパターンは次の陣馬高校でも使う予定ですので、
何がモチーフになっているのか予想しながらお楽しみいただければと思っております。
最後に。
第二部 VS氷取沢編を投稿している間に、現実世界では野球の世界大会であるWBCが行われて
いました。
結果はご存知の通り、日本の優勝。3大会ぶりの王座奪還となりました。
それだけでも十分話題になりましたが、今大会は予選から見応えありまくりな試合が多く、
特にチェコ代表などは選手の大半が野球以外に本職を持つ兼業選手という漫画かよ!と誰もが
ツッコミを入れざるを得ない面白いチームでした。(しかも兼業とは思えないくらい強いとか)
さらに準決勝、決勝と立て続けに最後の1球まで勝敗が分からないドラマチックな試合内容。
野球は筋書きのないドラマと昔から言われていますが、確かにあんな展開なんて野球の神様でも
なければ思いつきません。そういった部分では野球小説を書く者としてはぐぬぬとなっており
ました。
閑話休題。
話がだいぶ逸れましたが、WBCを見て野球って面白いじゃんと感じた方も多かったのでは
ないでしょうか。
もしも野球に興味を持たれたのでしたら、是非とも国内プロ野球リーグを。特に女子プロ野球
リーグもご覧に……と言いたいところなのですが、こちらは残念な事に現在は所属選手不足に
より無期限の活動休止となってしまっています。
日本の女子野球はまだまだ歴史が浅く、似た球技であるソフトボールのほうが実績や選手の
受け皿としての土台もしっかりしていることもあり、どうしても人気や競技人口を持っていかれ
てしまっているというのが現状です。
しかしながら、事実上のプロリーグ消滅で女子野球が完全に無くなってしまったかといえば
そうではありません。
現在は男子プロ野球を統括する日本野球機構(NPB)の中で、西武ライオンズ、
阪神タイガース、読売ジャイアンツの3チームがアマチュアながらも女子野球のクラブチームを
創設しており、いずれは再びプロ化へと動きを見せております。
また、全国高校女子硬式野球連盟の加盟校数と登録選手数も増え続けており、まだまだ悲観する
必要はないと思わせてくれます。
時間はかかるでしょうが、いつか再び女子プロ野球が復活する。そして、ふるすいんぐの世界の
ように、世界中の女性が野球をするのが当たり前の世界が来る日を願い、応援しながら
今回のあとがきと代えさせていただきます。
ではでは、次はVS陣馬高校編のあとがきでまたお会いできますことを願いまして。
2023年4月3日 玄月三日




